天の川 2023-09-10 07:14:30 | 日記 混浴は老人ばかり天の川季語 天の川 太陽系は、円盤状の天の川の端の方に位置しているので、円盤の中心方向を見ると、星の集合が白く濁って見える。それを川に見立てた。すべてが太陽と同じ恒星の渦巻く壮大な宇宙の川である。北半球では一年中見られるが、春は地平に横たわり冬は高くかかるが光の淡い部分にあたり、晩夏から秋にかけてが、最も明るく美しい。和歌ではほとんどが七夕の伝説を踏まえて詠まれてきたが、俳諧以降は天の川自体を詠むことが多いようである。歳時記抜粋。例句 荒海や佐渡に横たふ天の川 芭蕉
赤蜻蛉 2023-09-09 09:17:33 | 日記 六地蔵みなそれぞれに赤蜻蛉季語 赤蜻蛉 一般にはアカトンボ属のうちの体が赤い蜻蛉をさすが、その名の蜻蛉はいない。代表的なのは秋茜。夏茜やノシメ蜻蛉は翅が黒褐色、深山茜は翅の先の方に褐色の縞がある。赤くならない種類もいるが、一般的な言葉の上では分類学とは別に、赤い蜻蛉をさしていよう。秋は赤蜻蛉の産卵の時期。ノシメ蜻蛉や夏茜は連結して空中から産卵し、秋茜は連結状態で水や泥に腹を打ち付けるようにして産卵する。卵は冬をこして初夏に羽化し山地へ移動、涼しくなり始めると低地へ移る。歳時記抜粋。 例句 肩に来て茂吉の国の赤とんぼ 前島みき
釣瓶落し 2023-09-08 10:07:30 | 日記 久闊に釣瓶落しを忘れけり季語 釣瓶落し 秋の日がたちまち暮れていくさまをいう。よく「秋の日は釣瓶落し」と言われる。これは秋の落日を、まっすぐに井戸に落ちていく釣瓶に譬えたもの。この譬えから、「釣瓶落し」だけでも秋の季語として充分通じるだろうとした山本健吉の説に、俳人が賛同し新しく定着した季語である。歳時記抜粋。例句 眼鏡置く鶴瓶落しの会議室 吉野 静
曼珠沙華 2023-09-07 09:46:23 | 日記 葬列を迎えるごとく曼珠沙華季語 曼珠沙華 ヒガンバナ科ヒガニバナ属の多年草。人家に近い田畑の道ね堤防・墓地などに群生する。別称はヒガンバナ。秋の彼岸の頃に開花するのでこの名がある。鱗茎(りんけい)から30~50cmの花茎わ出し朱赤色の花を輪状につける。花被片は反れ返り、雄蕊が著しく突出するのが特徴。花後、線形で深緑色の葉を出し、翌年三月より四月ころに枯れる。鱗茎はアルカロイドを含む有毒植物だが、薬用、糊料とされる。「曼珠沙華」は梵語で天上に咲く花という花の名。歳時記抜粋。例句 父恋ひの虫うごき出す曼珠沙華 北川みよ子
長き夜 2023-09-06 09:40:39 | 日記 長き夜や愛唱曲を繰り返す季語 長き夜 夜長の傍題 秋の夜が長く感じられること。また、長い秋の夜のこと。夏至をすぎると、夜は一夜ごとに伸び、冬至に最も長くなる。反対に昼は短くなるが、「夜長」は秋、「日短」は冬と使い分けるのは、秋は暑い夏をこして涼しい夜が長くなるのが嬉しいからであり、冬は暖かな昼間が短いのを惜しむからである。「日永」を春「短夜」を夏とするのも同じ、「夜長」「日短」「日永」「短夜」、どれも昼と夜の実際の長さではなく、昼と夜に対する人の気持ちを表す季語である。例句 長き夜の楽器かたまりゐて鳴らす 伊丹三樹彦