「易」と映画と「名文鑑賞」

タイトルの通りです。

名文鑑賞 一年有半 兆民中江篤介 2

2015年10月29日 02時23分30秒 | 漢文漢籍名文鑑賞
名文鑑賞 一年有半 兆民中江篤介 2

一年有半 P55
官とは何ぞや、本これ人民のために設くるものにあらずや、今や乃ち官吏のために設くるものの如し、謬(あやま)れるの甚しといふべし。人民出願し及び請求することあるに方(あた)り、これを却下する時はあたかも過挙あるものを懲(こら)すが如く、これを許可する時はあたかも恩恵を与ふるものの如し、何ぞそれ理に悖(もと)るの甚しきや。彼ら元来誰れに頼りて衣食する乎、人民より出る租税に頼るにあらず乎、乃人民の豢(かん)養を受けて、以て生活を為しつつあるにあらず乎。およそ官の物金銭に論勿く、一毫といへども天より落つるにあらず地より出るにあらず、皆人民の嚢中より生ぜしにあらざる莫し。即ちこれ人民は官吏たる者の第一の主人なり、敬せざるを得べけんや。

名文ですね。
さながら父祖の声を聴くが如く、何故か懐かしい響きがある。
簡にして明、練りに練られ、削りに削られた文章こそが、人の心をうつ。

どこを切り取っても名文名調子なのでキリがありません。
漢文漢籍はネコマタギなので、またいで通り過ぎませう。

今日は孫子か孟子と思ったのに、読み進むうちに上記の文章になってしまった。
官により長らく衣食させていただいた身としては、耳の痛い名文です。
がしかし、いわずもがなですが(ナライウナ)、ここでいう官は官僚であり、
一介の税吏はあたらないのでしょうね。

昔、明治・大正・昭和の初めの頃は、家々では子供が新聞を読むことを禁じていたそうです。
何故か、R15記事が多いから・・・ではありません。
記事を鵜呑みにするからです。
考える力、自分の言葉、を持たない時分から読ませると弊害があると考えていたわけです。
遥か昔から無数の人の手を経て伝わってきた書物(四書五経など)をある程度素読筆写させ、
物事を考え、自分の言葉(と常識と共通認識等)を持ってから、
同時代の人の意見(新聞等)を聞かせた(読ませた)わけです。
ごもっともですね。

しかるに、敗戦後は試験に〇日新聞の天〇〇語が出るからと・・・あぁ。
情報をだす方(メディア)は、意図を以て流していることがあります。(アタリマエダ)
時にそれが甚だしいと、国を誤る(太平洋戦争)場合があります。
今回も、その例に漏れず、朝〇新聞は、誤報につぐ誤報により、全世界に対して日本をおとしめました。
それでも逮捕者が出ないのは、官が大失策を犯しても何ら罪を問われないが如し。
日本人に限らず人はわすれっぽいものなのでもうお忘れでしょうが、厚〇省の箱物グリーンピア、
一体何百億の血税が廃棄されたのでしょう?でも誰も捕まらない・・・。同例は枚挙にいとまなし。

ここでやめれば、官にはじまり官に終わるので、起承転結はOKなのに・・・(ナラヤメロ)

締め括りに蛇足(ナライウナ)を一丁。好きな言葉はやめられない・・・エビセン(クドイ)。

小人閑()居為不善。無所不至。(大学)

小人閑()居して不善を為す。至らざる所なし。

かんきょ・・・「暇」の意ではなく、一人でいる事。他人の目が無い事。
つまらない人間は、ひとりでいて他人の目がないと、ろくでもないことをする。
しかも、やらないことがないくらい限りなく何でも悪いことをする。(この最後の行は私訳なのでゴチュウイヲ!)

2014年11月20日 5:26