投資家の目線

投資家の目線457(ウクライナ問題)

 ウクライナ政変に関し、岩上安身氏のtwitterに3月20日のロシアNIS貿易会・ロシアNIS経済研究所 服部倫卓氏インタビューの模様が実況ツイートされている。

・岩上安身 ‏@iwakamiyasumi 3月20日
連投15 RT @IWJ_ch1 15.服部「単一国家を望むのはクリミアに多い。ロシアとの統合を望む人も。しかし、ウクライナとしてのアイデンティティは根付いてきていると思います」。岩上「クリミアはセバストーポリの軍港が」。服部「ロシアは永遠の友としてクリミアをプレゼントしたと」

・岩上安身 ‏@iwakamiyasumi 3月20日
連投31 RT @IWJ_ch1: 31.服部「今後、議会選挙があったらウクライナ東部ではEU一辺倒にはいかない」。岩上「ロシアは黙ってみているという気はしませんね」。服部「世代別でも国民の意識が違う。学生は東部でもEU支持。旧世代はロシアと一緒に戦ってナチスに勝ったという意識」

・岩上安身 ‏@iwakamiyasumi 3月20日
連投32 RT 32.服部「人口学的な変化。全体で見るとほぼ2分されている」。岩上「分からない、無回答も結構いますね」。服部「ユーロ・マイダンを支持するかヤヌコビッチを支持するかと。ヤヌコビッチのギャング政権を国民は我慢できないと」。岩上「教育水準別でもありますね」

・岩上安身 ‏@iwakamiyasumi 3月20日
連投33 RT 33.服部「知識レベルが高い人ほどEUです。ロシアでも同じ質問をしています。無関心が大方。ロシアもヤヌコビッチ政権は見限っていた。ユーロ・マイダンに親近感を抱く人も10%未満。現在、ティモシェンコの政党を中心とした多数派にもとづいてかき集められた与党」



 なお2012年に出版された、ブレジンスキー元米国大統領補佐官(2008年の大統領選時のオバマ陣営の外交顧問)の「Strategic Vision」には、

「With the passage of time, Ukraine as a nation-state is gaining a deeper emotional commitment from a younger generation – whether primarily Ukrainian or Russian speaking – that increasingly views Ukrainian statehood as normal and as part of its identity.

(時間の経過とともに‐主にウクライナ語を話す人であれロシア語を話す人であれ - 国民国家としてのウクライナは若い世代から深い感情的なコミットメントを得るようになっており、アイデンティティの一部として、ウクライナを国家としてみる見方が増えている。(当方の訳))」


とある。若い世代には、ウクライナ国民としてのアイデンティティが芽生えてきているという点で、服部氏とブレジンスキー氏の見方は一致する。ただし東部の旧世代には、ウクライナ人はナチスに協力した人々という見方が拭いきれず、ロシアに親近感を持つように見える。



 また、岩上氏のツィートに、

・岩上安身 ‏@iwakamiyasumi 3月20日
連投44 RT 44.服部「オバマはイリノイ州の上院議員を長く務めた。ポーランド系移民がたくさんいるところ。ポーランドはヨーロッパでのウクライナの最大の大援団。ロシアとは接したくない」。岩上「最も血が流れない状態で移った。ウクライナ海軍の司令官が寝返って避けられた」


とある。ブレジンスキー氏が2月22日のFT紙に「Russia needs to be offered a ‘Finland option’ for Ukraine」(ロシアはウクライナの「フィンランド化」を提案する必要がある)という寄稿をしていた。彼はポーランド系なので、ウクライナ情勢には特に関心があるのだろう。



 さらにエマニュエル・トッド著「帝国以後」(石崎晴己訳 藤原書店)に、「ウクライナに関して確信をこめて断言出来ることは、位置関係を変えることはないだろうということである。ロシアへの再接近はどうやら確実であるが、モスクワに完全に掌握されることもあり得ないだろう。」とある。ポーランドと違って、フランスにとってウクライナがEU寄りになるか、ロシア寄りになるかという問題はあまり切実ではない様子。強襲揚陸艦のロシアへの売却問題も、EU各国へのお付き合い程度なのだろう。



追記:

ウクライナ危機ーオバマ政権の外交戦略不在とこれからの巻き返し  2014/3/23 矢澤豊

「3月16日の放映分では、アンカーのファリード・ザカリア氏が番組の最初に自説をのべ、その中で今回のクリミア併合がウクライナを失いそうになったプーチン大統領の窮鼠猫を噛む行為であったこと、そして今回のウクライナ危機が無責任なEUの拡張政策の産物であることを強調したのです。」

 米国でも、欧州(主にポーランド)に巻き込まれてはかなわないと思う人も多いのだろう。

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