投資家の目線

投資家の目線171(リーマンが法的整理)

 9月15日、米国第4位の証券会社のリーマン・ブラザーズが法的整理を申請した。同日には、バンクオブアメリカが第3位のメリルリンチの買収を発表した。それ以前には、第5位だったベア・スターンズはJPモルガンからの救済を受けていた。翌16日には米国最大手の保険会社AIGに高利(3カ月LIBOR+8.5% NIKKEI NET2008/9/17)の公的融資が入った。さらに、各国で金融機関の再編が進んでいる。しかし、この状況下では何の強みももたない金融機関を買収してくれるような、奇特な金融機関の登場は期待できないだろう。
 振り返ってみれば、1990年代後半、日本では銀行、証券、保険などの分野で水に落ちた犬は叩けとばかりに、経営体力の弱い方から救済を求め、あるいはそれがうまくいかなかったところは経営破綻した。
 証券アナリストジャーナル2007年4月号の論文「BIS規制と市場評価」(清水啓典氏)では、市場評価ベースの自己資本比率(株式時価総額/資産総額)が銀行の健全性を示す指標としてBIS比率よりも優れているとされていた。そこから考えると、上場企業は株式の市場価格がわかるため、その市場評価もやはり企業の信用に関わる重要な情報として捉えた方がよいだろう。

 また、9月12日の日本経済新聞朝刊によれば、日本商品先物振興協会の会長が『記者会見で「商品取引所や関係団体の再編を提案していきたい」と表明した』とのことだ。金融に関わるいろいろなところで集約化が進みそうだ。

 しかし、米国ではMMFまで保護の対象になりそうだ。エンロン問題のとき、日本の同類の公社債投信は元本割れしたのに・・・。日本でも銀行口座ではなく証券総合口座が決済の中心になったら、MRF等も保護の対象にする必要が出てくるかもしれない。
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・元社員が新東京銀行を提訴した。正社員の3分の1が退職するなど(2008/8/4毎日新聞電子版)、この大変な時期にまたひとつ頭痛のタネが発生したような・・・。
<新銀行東京>元社員が提訴「勤務時に虐待」2008年09月17日/毎日新聞
http://news.livedoor.com/article/detail/3823583/

・報道によると、事故米問題に絡み農水事務次官が更迭された模様だ。耐震強度偽装事件の時の国土交通省への対応と比較すると、何が起こったのか理解できないかもしれない。
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