投資家の目線

投資家の目線775(持続化給付金、Go Toキャンペーン事業のカネの使い方)

 持続化給付金事業を国から委託された一般社団法人サービスデザイン推進協議会が、電通に再委託したことが問題視されている。契約金額769億円のうち749億円が電通に再委託されていた(「アングル:持続化給付金、委託費巡り野党追及 2次補正分も同法人の可能性」 2020/6/5 ロイター)。経済産業省は「過去に補助金支給などの業務を行ったことのある同協議会には、審査のための人員がどの程度必要になるか、サメ[トセンターは何カ所くらい設置すればよいかなどの点で、それなりのノウハウがあったという」(同記事)というが、そのノウハウが20億円の価値があるものなのか?事業のほとんどを電通に丸投げなんて、サービスデザイン推進協議会自体には事業を遂行する能力がないと証明しているようなものだ。日本共産党の高橋議員から持続化給付金と同じ構造と指摘された経済産業省主導の「Go Toキャンペーン事業」(「持続化給付金と同じ構図/観光支援事業委託費 高橋議員指摘/衆院国交委」 2020/6/4 しんぶん赤旗)も公募をいったん中止するという。5日の野党合同ヒアリングでは、サービスデザイン推進協議会を設立した電通、パソナ、トランス・コスモスに業務が再委託、外注されていることが明らかになった(『持続化給付金事業 電通本体に104億円/経産省も「予算ではそうなっている」/実際の業務は不明』 2020/6/6 しんぶん赤旗)。

 これらの事業といい、アベノマスク事業といい、麻生政権が衆議院選に負けて政権交代する直前の数日間に、河村建夫官房長官が官房機密費から領収書不要の「政策推進費」として2.5億円を支出した一件(「官房機密費、一部文書を初開示 9割は「政策推進費」」 2018/3/20 日本経済新聞WEB版)がかわいく見えるほどだ。安倍政権が長くないため、資金を持ち出しているのか?第2次安倍政権の7年間に使われた官房機密費86億円のうち78億円が「政策推進費」に使われ、ほとんど使い切られたことも報じられている(「官房機密費 78億円の闇/安倍政権7年 返納たった37万円」 2020/6/6 しんぶん赤旗)。

 特定企業にはカネを回しながら、自由民主党に窮地にある企業を救済する意思は見られない(『自民幹部「もたない会社潰す」発言に透ける安倍政権の本音』2020/4/15 日刊ゲンダイDIGITAL)。1945年8月9日のソ連軍侵攻時、関東軍の高級将校は開拓民を残したまま真っ先に脱出した。日本政府の棄民体質は相変わらずのようだ。「敗北しつつある大日本帝国%坙{敗戦7カ月前の英国王立研究所報告=v(刀水書房 坂井達朗訳)には、武士道について、「忠誠は一方的なものであり、その点では西洋の騎士道にはこれに相当するものは存在しない。忠誠は上級者に対するものであり、同等者もしくは下級者に対するものではない」(p109~p110)と書かれている。上の者には甘く、下の者には冷淡な体質は「武士道」に通じるのだろう。
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