投資家の目線

投資家の目線673(米国の輸入車規制と日本の観光業)

 米国のトランプ政権が輸入車の関税引き上げを検討している(「貿易戦争、本丸・自動車に、トランプ氏、輸入関税上げ検討指示、日欧から譲歩狙う。」 2018/5/25 日本経済新聞 朝刊)。「日本は米国に年170万台強の四輪車を出荷し、自動車・関連部品の輸出額は560億ドルと全体の4割。」(同)とされている。2017年の乗用車の国内生産台数は833万9404台(「自動車国内生産、3.4%増の967万6145台で2年連続プラス 2017年度」 2018年5月2日 Response)と、米国向け輸出が乗用車だけなら国内生産台数の約20%にも相当する。同記事には『米経済の副作用も甚大だ。自動車販売は米国のモノの消費の11%を占め、値上がりは景気減速に直結する。自動車ディーラーの雇用者数も約200万人と生産の2倍規模で、関税引き上げは逆に雇用減を招きかねない。』と関税引き上げ政策を牽制する記述もあるが(ただし、日本経済新聞の記事が米国の政策に影響を与えることなどない)、トランプ政権は自動車の米国内生産を数百万台増やすように要請しており(「トランプ米大統領:自動車メーカーに国内生産増を要請-幹部と会合」 2018年5月12日 Bloomberg)、ある程度の対策は立てられている。米政権の燃費規制緩和政策も(「燃費規制緩和、世界に逆行、米政権、州独自の強化策認めず、環境技術、地盤沈下も。」 2018/5/26 日本経済新聞 朝刊)、日本などが得意な燃費のいい小型車の優位性を崩すことになるだろう。

 先週、東北運輸局が韓国人観光客を(「「宮城オルレ」や安達太良山、韓国の旅行社に売り込み、東北運輸局。」 2018/5/24 日本経済新聞 地方経済面 東北)、秋田県知事や秋田市長が中華人民共和国大連市を訪問して観光客を(「大連で秋田観光PR、知事や市長ら。」 2018/5/24 日本経済新聞 地方経済面 東北)誘致しようとしている。奥州にはトヨタ自動車の工場やTDKの自動車部品もある。対米自動車輸出の減少は奥州経済に悪影響を与えるため、観光業など他の産業の振興は必要だ。大連市では長野県もスキー客を誘致しようとしている(「中国・大連でスキー誘客、県など、現地で説明会開催。」 2018/5/26 日本経済新聞 地方経済面 長野)。日本人が食べていくためには中韓ヘイトなんてやっているヒマはないだろう。

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