高宗(1107-1187)
徽宗の皇子で南宋初代皇帝。
高宗は徽宗と共に政治家としては評判が悪いが、
徽宗の血を濃く受け、特に書を愛し南宋の書文化の中心をなした。
仏頂光明塔碑(1133)
高宗、27歳の作。
この書を見ると、彼が如何に黄庭堅に傾倒していたかが読み取れる。
岳飛(1103-1141)
金に対する歳貢などの屈辱的な政策に対し、
岳飛達を中心にしたナショナリズム運動が盛んになる。
これに対し秦檜は言論を弾圧し岳飛を獄死させる。
岳飛・草書平沙帖
相当に狂草を学んだのであろうが、
如何にも情熱家の岳飛らしい気合の篭った書だ。
豪奢な生活を営み道教の造営に莫大な費用を注込むなど、
遂には北宋を断絶せしむる政治家としては極めて劣る皇帝であったが、
その北宋文化交流への貢献は歴史に留まる。
詩、書、絵画を成し歴代皇帝中髄一の文化人であった。
彼の編み出した痩金体は中国書道史の一頁を飾っている。
千字文
徽宗22歳の作というから相当に早熟だったのであろう。