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彼女とのメールのやりとりで何を聞いて、何を話題にすればいいかわからなくなってきた。
自己紹介や最近あった出来事もそう長くは続かず、メールはいつも彼女の仕事の愚痴ばかりであった。
電話で話をしても彼女はいつも質問か仕事についてのことばかり、電話が終わる頃は深夜二時を過ぎ、朝起きることが辛くなってきた。
でも電話しないでとは言えなかった。
いや、言わなかった。彼女が電話することでストレス発散になるのなら、それで構わないし、僕は違うときに睡眠をとればいいだけのことだ。
「ねぇ、博之くんは親と仲がいい?」
今日も彼女は僕に質問をした。
「別に仲が悪くもなければ、よくもないよ。なんで?」
彼女に対し、もう敬語はつかっていない。
「話したこともあるかもしれないけど、結婚を考えていた人がいて、その人の家族とくらしていたのね。でも、その姑が嫌がらせみたいなのを毎日してきて、彼に言ってもマザコンみたく、あっちの肩ばかり持ってばかりで嫌になったの。そして別れたんだ。だからちょっと気になったの」
いきなり親の話をされるとは思わなかった。
実際、僕が彼女を連れてきたら、親は彼女にどう接するだろうか。
テレビで見る嫌味な姑にはならないだろう。確証はないが、そのときは僕が彼女を守ってみせる。
「大丈夫だよ。きっと」
「まだ付き合っていないのに、へんなこと聞いてごめんね」
まだという言葉が生ぬるく形のないものとして、僕の胸にこびりついた。
「今度、博之くんのアパートに行っていい?」
「えっ?え、あの…うーん」
付き合っていないといった直後にその言葉。電話を左手に持ち替える。
「やっぱ止めた。また街に行こう」
彼女をいまだに掴めない。
彼女の電話するたびにどんどん気持ちが膨らむ一方で、喜怒哀楽以外の感情が生まれようとしていた。
「迷っているみたいだし、借りてきた映画を一緒に観ようと思ったんだけど、止めた」
「わかった今度の月曜日にね」
僕はいつでも遊べるようにバイトは月曜日を休みにするシフトに変えていた。
彼女に振り回されている感じは否めなかった。
人に聞いたら、うまくいっている証拠じゃないと言われた。
本当にそうだろうか。
二回目のデートのプランはあまり立てずに遊ぶことにした。
彼女とのメールのやりとりで何を聞いて、何を話題にすればいいかわからなくなってきた。
自己紹介や最近あった出来事もそう長くは続かず、メールはいつも彼女の仕事の愚痴ばかりであった。
電話で話をしても彼女はいつも質問か仕事についてのことばかり、電話が終わる頃は深夜二時を過ぎ、朝起きることが辛くなってきた。
でも電話しないでとは言えなかった。
いや、言わなかった。彼女が電話することでストレス発散になるのなら、それで構わないし、僕は違うときに睡眠をとればいいだけのことだ。
「ねぇ、博之くんは親と仲がいい?」
今日も彼女は僕に質問をした。
「別に仲が悪くもなければ、よくもないよ。なんで?」
彼女に対し、もう敬語はつかっていない。
「話したこともあるかもしれないけど、結婚を考えていた人がいて、その人の家族とくらしていたのね。でも、その姑が嫌がらせみたいなのを毎日してきて、彼に言ってもマザコンみたく、あっちの肩ばかり持ってばかりで嫌になったの。そして別れたんだ。だからちょっと気になったの」
いきなり親の話をされるとは思わなかった。
実際、僕が彼女を連れてきたら、親は彼女にどう接するだろうか。
テレビで見る嫌味な姑にはならないだろう。確証はないが、そのときは僕が彼女を守ってみせる。
「大丈夫だよ。きっと」
「まだ付き合っていないのに、へんなこと聞いてごめんね」
まだという言葉が生ぬるく形のないものとして、僕の胸にこびりついた。
「今度、博之くんのアパートに行っていい?」
「えっ?え、あの…うーん」
付き合っていないといった直後にその言葉。電話を左手に持ち替える。
「やっぱ止めた。また街に行こう」
彼女をいまだに掴めない。
彼女の電話するたびにどんどん気持ちが膨らむ一方で、喜怒哀楽以外の感情が生まれようとしていた。
「迷っているみたいだし、借りてきた映画を一緒に観ようと思ったんだけど、止めた」
「わかった今度の月曜日にね」
僕はいつでも遊べるようにバイトは月曜日を休みにするシフトに変えていた。
彼女に振り回されている感じは否めなかった。
人に聞いたら、うまくいっている証拠じゃないと言われた。
本当にそうだろうか。
二回目のデートのプランはあまり立てずに遊ぶことにした。