「まぁ。いいかって自分でいいたいことを言わずに消化しないままでいられると自分もそれがストレスになってしまうし、あっちにとっては未だに本音で語らない、そして性格がわからなくて不安が強いと思うよ。たぶんあっちはいいたいことをガンガンいってくるでしょ?それは性格がきついとかじゃなくて、自分をわかってほしいがためにやってることだって、それを履き違えて受け止めたままじゃ一向に解決しないよ。彼女は好きになる前にさ、本音と本音がぶつかって、そこからこの人と一緒にいたいなとか、支えになってくれる人とかって、わかるんじゃないの?そうでしょ?」
僕は履き違えた靴でどこか一人歩きしていたような、トモの影ばかり追いかけて、自分をさらけ出すことをどこかで避けていたのかもしれない。
それさえ否定されたら、自分の存在意義がわからなくなってしまう。
でも、そんなことでは始まらない。
何か自分で勝手に決め付け、それに従っていたのかもしれない。
「俺、わかろうとしてわかってあげられなかっただけなのかな。いや、わかろうともしなかった。ただそれだけのこと…」
こみ上げてくる感情に言葉が追いつかなかった。
あの時、トモが聞いていた本当の意味をわかってやれなかったこと。
とも子が抜けた僕の空白部分は寂しさが埋めた。
たぶんトモの記憶から僕はすぐに消えるだろう。
何も残せていないのだから、足跡もないまま僕は去っていく。
純がラーメンを啜っているときに僕は純に見えないように流した涙を拭いた。
いつものように胡椒をかけて、味わったつもりだったがやけに熱くて、何も味がしない感覚だった。
この味を忘れない。
そう思って最後のスープまで飲みつくした。
僕は履き違えた靴でどこか一人歩きしていたような、トモの影ばかり追いかけて、自分をさらけ出すことをどこかで避けていたのかもしれない。
それさえ否定されたら、自分の存在意義がわからなくなってしまう。
でも、そんなことでは始まらない。
何か自分で勝手に決め付け、それに従っていたのかもしれない。
「俺、わかろうとしてわかってあげられなかっただけなのかな。いや、わかろうともしなかった。ただそれだけのこと…」
こみ上げてくる感情に言葉が追いつかなかった。
あの時、トモが聞いていた本当の意味をわかってやれなかったこと。
とも子が抜けた僕の空白部分は寂しさが埋めた。
たぶんトモの記憶から僕はすぐに消えるだろう。
何も残せていないのだから、足跡もないまま僕は去っていく。
純がラーメンを啜っているときに僕は純に見えないように流した涙を拭いた。
いつものように胡椒をかけて、味わったつもりだったがやけに熱くて、何も味がしない感覚だった。
この味を忘れない。
そう思って最後のスープまで飲みつくした。