旧・鮎の塩焼キングのブログ

80年代を「あの頃」として懐かしむブログでしたが、子を亡くした悲しみから立ち直ろうとするおじさんのブログに変わりました。

D&D冒険小説 ハテナの交竜奇譚 第2話06節 ダンジョン・アタック後編〜囀りのガヴと竜の秘宝〜

2025-04-11 13:13:00 | 小説

亡き次男に捧げる冒険小説です。


===============

〇六

 ガヴは侵入者の行き着く先が巨大な扉であることを誰よりもよく理解していた。この数ヶ月もの間、渓谷中の《ゴブリン》やら《ウォーグ》を投入して、扉の秘密を解き明かそうと躍起になっていたのはガヴ本人だからだ。頭も運も悪く、釣天井の餌食となった《ゴブリン》は少なくなかった。

 寿命の長い《竜》は呑気なことで知られる。他聞に漏れずガヴも「いずれ」誰かが開けてくれるだろうくらいにしか考えていなかった。ただやることもないので、この遺跡に足繁く通い、謎解きゲームに興じていたというのが本当のところであった。家臣のグシャは

「自分ならすぐに解けますのに。」

とよくこぼしていた。それでは楽しみが減ってしまうので、グシャにはこの遺跡の出入りを禁じていた。

 追い詰めた先で侵入者どもをどう痛ぶろうかと残虐な妄想を楽しみながら洞窟を走っていた。ガヴはもう少しで扉というところで侵入者に追いついた。《竜》の優れた耳に、こんな言葉が飛び込んできた。

「そうか!あの場所か!」

ソウカ、アノバショカ。《ヒューマン》の小僧がそう叫ぶ声を聞き、喜んでいる姿を見た。ガヴは「いずれ」がこんなにも早く訪れるとは思っても見なかったので、小躍りをした。可愛い《ゴブリン》どもを殺した不届者ということは、よく見ずともわかった。彼らの身体から発せられる屍臭は《竜》の鋭敏な嗅覚に真実を訴えてくる。可愛い下僕の仇に当たる《ヒューマン》ではあるが、ガヴは有り難さのあまり抱きしめた後、踏みにじってあげたいと本気で思った。

 どこに鍵があるのだろうかと遠巻きに眺めていると、三人の《ヒューマン》は向きを変えて、ものすごい勢いでこちらを目指して駆け出した。驚いたガヴは反射的に向きを変え同じく走り出した。

「今やつらに見つかるのはまずい!」

独りごちたガヴは飛べることも忘れ、ただただ追いつかれないように駆け続けた。


 《囀る黒色竜》のガヴは《竜》の中では極めて幼い固体であった。その判断力や行動に《竜》本来の高邁さはまだ備わっていない。「余」などと身分の高さをひけらかす呼称を使用するのも、その幼さの顕われであった。夢中になって駆け出したガヴの心理は正に幼児のそれであった。追いかけられることが恐怖であり、楽しくもある。逃げることが目的となり、疲れるまで駆けた。気が付けば義兄弟から遠く先まで戻ってしまい、義兄弟の解いた「石畳の始まり」をも超え、光る石が剥き出しの大洞窟まで戻っていた。

 何故こんなに余は走ったのだ、と自分のしたことが判然としなくなり、ガヴはしばし洞窟の天井を見上げていた。

「扉の鍵だ!」

見届けなくてはならない謎かけの答え。それを解明した冒険者たちの行方を追わねば!すっかり我に返ったガヴが再び大洞窟の奥に戻ろうと振り返ろうとしたその時だった。《竜》の闖入者に気付き、義兄弟を救わんと追ってきたチッチ一団と鉢合わせになってしまった。

 ガヴは一目で悟った。この一団はマズイ。余の力では到底敵う相手ではないということに。それだけの破滅的なオーラを纏った一団が睨みつけてきた。ガヴは身体を貫くような激しい敵意に晒されて戦慄した。チッチから視線を外すしかなかった。こんな屈辱は初めてだった。


【第2話後編〇七に続く】 

毎週 月・水・金曜日 更新


===============

義兄弟がやっとの思いで手に入れた15枚のメダル。刻まれた文字が意味するものとは?



D&D冒険小説 ハテナの交竜奇譚 第2話05節 ダンジョン・アタック後編〜囀りのガヴと竜の秘宝〜

2025-04-09 12:37:00 | 小説

亡き次男に捧げる冒険小説です。


===============

〇五

 「急に大きな声を出す奴があるか!でも、解けたんだな?」

隣でテーリの呟きに耳をそば立てていたハーラが耳を押さえて嗜めた。顔は半分怒っていたが、半分は期待に輝いていた。

「この荘厳な遺跡の『初心』が表す「始まりの場所』はどこだったかなって考えたら、あそこじゃないかなって!ワンチャン、あり得るんじゃない!」

扉までは一本道だった。鍵を探そうにも探す部屋などなかった。変化や違和感といって心当たりがあるならば…!ハーラとナーレはテーリの言わんとすることが理解できた。

「そうだ!突然、石畳に変わった!」

ナーレが突飛な声を上げた。岩肌が露出していた地面が綺麗に一直線に並んだ石畳に変わった。あそこから雰囲気が一変したのだ。ナーレは石畳が始まった場所の艶やかな壁をさすっていたことを思い出した。

「テー兄、あそこがこの遺跡の始まりだ。わざとらしい程明らかなスタート地点だった!扉の問いかける『初心』はあそこだね。」

まるでナーレは自分が謎かけを解いたかのようなしたり顔で二人の義兄を交互に見た。

 正直ハーラは石畳が始まった場所に取り立てて違和感を覚えなかった。そんなものかと全く意識すらしていなかった。しかしテーリの考察を聞いた途端、あの場所こそが謎かけの示す場所だとしか思えなくなった。それにこのままここに突っ立っていても埒があかない。ハーラは行動を起こすぞと義弟たちに声をかけると、先頭に立って走り始めた。


 「わざとらしい石畳の造り。目立つように設置された扉の上に仕掛けられた釣天井。僕らは《緑玉竜》に試されている。そう感じるんだ!」

テーリはこの遺跡を作った《緑玉竜》に思いを馳せていた。どんな《竜》がこんな遺跡を作ったのだろう。なかなか面白い趣向が凝らされている。とうの昔に死んでしまったのだろうが、《緑玉の大超竜》と一度話をしてみたいものだ。テーリはハーラの横に並んで走った。先に待つ石畳の始まりの地点を目指して。なんだか上手くいきそうだと、義兄弟の三人には根拠のない自信が溢れていた。遺跡を照らすエメラルドの輝く明滅が早まった。誰にも開けることのできなかった扉が開くかもしれないと、遺跡全体が期待に胸を高鳴らせたのかもしれない。

 興奮状態にあった三人は、自分たちの姿を見て慌てて踵を返した一匹の《黒色竜》の存在に気づくことができなかった。


【第2話後編〇六に続く】 

毎週 月・水・金曜日 更新


===============

義兄弟を利用しようと黒竜王が暗躍するか!?



D&D冒険小説 ハテナの交竜奇譚 第2話04節 ダンジョン・アタック後編〜囀りのガヴと竜の秘宝〜

2025-04-07 12:13:00 | 小説

亡き次男に捧げる冒険小説です。


===============

〇四

 テーリたちは手始めに謎かけを素直に読み取ることにした。「初心に帰れ」とは最初に抱いた希望や目的を思い返せということだ。「汝らの傲慢を省みよ」とは僕たち義兄弟の偉そうなところを見直せということだ。二つの文は似通った意味に感じられた。そして全く意味のわからない文章であると改めて結論付けた。


 義兄弟は次に謎かけとしてこの二つの文を読み解くことにした。「初心に帰れ」。この扉にこの文言が刻まれていることに意味がありそうだ。テーリがそう指摘する。言葉の意味を精神や気持ちの在り方でなく、物質そのものとして曲解して解いてみるのはどうかなと、ナーレが妙な発想を始めた。

「帰れるなら帰ろうよ。どこに帰る?『初心』って呼ばれる町なり森ってあったっけ?」

答えが帰ってこないことなど承知の上でおちゃらけてナーレが問うた。テーリはナーレの着眼点に面白みを感じた。「初心」が場所を指すなら、そこまで「帰れば」鍵が見つかる。なるほど謎かけの答えらしい考え方だ。テーリは無言のままナーレの頭を撫でた。テーリの意図がわからないナーレは馬鹿にされたのかと勘違いして、テーリの手を振り払った。謎解きに没頭するテーリは意に介さず、ぶつぶつ呟き続けた。

「『初心』とはどこのことだ?初めの心…初めの場所…始まりの場所…。」

ふっと違和感を感じた場所が脳裏に浮かんだ。

「そうか!あの場所か!」

謎かけが解けたという確信は、テーリの呟きを叫びに変えた。


【第2話後編〇五に続く】 

毎週 月・水・金曜日 更新


===============

謎かけの秘密に気付いたテーリ!義兄弟は扉を開くヒントを探しに…。




孤独のグルメ 玉学のガーリックミート&角上の寿司&貴重な大力納豆

2025-04-06 21:41:00 | グルメ

先週の激務からか体調を崩した鮎の塩焼キングです。


妻子を実家に置いて、サッサと帰ってきて寝てました。


その間に食べた孤独のグルメのご紹介!


町田市玉川学園のオーヴァーにて

ガーリックミートLLサイズ

最後の晩餐の一つに挙げる、私の大好物です!



角上のパック寿司

新鮮な魚でテレビにもよく出る角上魚類のお寿司です。ガーリックミートの後では食べきれないので、おやつにしました。

保存方法。



湿らせたキッチンペーパーと一緒に保存すると乾かないと聞いたので、やって見ました!

効果のほどは…まぁまぁかな…。程度でしたが美味しく頂けました!


最後は今日の収穫!


世界一美味いと私の中で最推し大力納豆です!

新潟県小出近辺でしか手に入らないローカル納豆なのですが、遂に南多摩郡近郊でも手に入るスーパーを発見しました!!


これで安定的に大力納豆が補給できます。


今週からは更なる激務が予想されますので、美味しいものをたくさん食べて英気を養いました。体調も整ってきたような気もするので、明日からも頑張ります。


ドラゴンクエスト メタル系スライムから仲間外れにされるメタルライダーを救いたい!

2025-04-06 14:36:00 | 日記

何かのおまけにもらったドラクエの武器のブックマーカー。


その後、たまたま、兄の買い物のついでに買ったのが真ん中のこれ。



左からロトのつるぎ、メタスラの剣、天空のつるぎ。



メタスラの剣の鍔元には、ちゃんとメタスラが刻まれています。


さて、たまたま集まったこの3本の剣を見ていたら、ふと私の大好きで不憫なあの子が頭をよぎりました。



メタリック・メタルライダー

要はメッキ版メタルライダーです。


クロマティック・メタルライダー

要は塗装版メタルライダーです。


ジェムライク・メタルライダー

要はアクリル版メタルライダーです。


無理矢理D&Dの三大竜の種類に当てはめて見ただけですが、不遇なモンスター、メタルライダー君でございます。


この子、こう見えてメタル系モンスターではないんです!

逃げないし、硬くないし、何よりも貰える経験値が少ない!!


メタルライダーの経験値はシリーズでばらつきがありますが150〜250あたりです。


ところがメタルスライムは1000〜2000なんですね。

メタルスライムに乗ってるくせに、やたら経験値が少ない。メタル詐欺と呼ばれる所以です!


でもゲームによっては、ちゃんとメタル系扱いされています。


私の好きなDQMJ3Pでは、耐性欄を見ればわかりますが、メタル系スライムであるメタルホイミンと全く同じ耐性をもっています。


このようにゲームごとに扱いが違うメタルライダーをちゃんとしたメタル系にしてあげたい!ということで救済策を考えました!!


そのものズバリ!経験値をメタル系並みにする!!

ただし、特定の条件下で!!案です。


どういうことかというと、メタルライダー、つまり乗ってる騎士の経験値は200程度でいいのです。問題は騎乗されているメタルスライムの経験値。


多分、ドラクエの戦闘をリアルに考えると、このメタルスライム、ライダーがやられた瞬間に逃げ出しています!

だから、経験値が少ないんですよ!


ということで、メタル特攻で倒す。または、会心の一撃で倒す。といった特定の倒し方をした場合のみ、下のメタルスライムも同時に倒した扱いにして経験値を合算して貰えるようにすればいいのです。


メタルライダーを普通に倒す 

 200exp


メタルライダーをメタル特攻or会心の一撃で倒す

 2200exp


どうでしょうか!こうするとメタルライダーの価値も上がるし、メタル系らしくなります。メタルライダーはウヨウヨ出てくるモンスターですが、倒す楽しみができる。


スクエニ様には是非ともドラクエ12でこのシステムを採用してほしい!!と切に願っています。


メタル系スライムを愛する鮎の塩焼キングの戯言でした〜🤣