旧・鮎の塩焼キングのブログ

80年代を「あの頃」として懐かしむブログでしたが、子を亡くした悲しみから立ち直ろうとするおじさんのブログに変わりました。

今年最後の辰の日企画! 「三辰」を語る!「チ。」とか「竜」とか

2024-12-30 08:00:00 | 小説

皆様、年の瀬をいかがお過ごしですか?


鮎の塩焼キングはのんびりとさせてもらっております。今日の徒歩数はなんと100でした。のんびりしすぎかもしれません。


さて、今日は令和6年最後の辰の日です。辰年辰の日、めでたい様な気がしませんか?辰の日は連載しております小説の特別企画をする日なので、今日は本編の掲載はお休みします。


お陰様で亡き次男に捧げる冒険小説「ハテナの交竜奇譚」の執筆は順調でして、先日「第4話上巻」を書き終えました!きゃー、パチパチ!

飽きっぽい私がここまで一つの作品を作り続けていることが奇跡なわけで、これは私の人生の中でもかなり頑張っている部類の活動となっております。


まあ、可愛い可愛い亡き息子を思う気持ちが尽きるわけはないので、書こうと思い立ったら書き切るのは当たり前なわけですが。


さてさて、今回の企画なのですが、ズバリ「辰」の字にフューチャーしたいと思います!


辰は干支の「竜」を表す漢字です。そこから私は自分の考えたD&Dにおける次元界《タツノオトシヨ》の創造主にこの字を当てました。《タツノオトシヨ》で《辰》(シン)と呼ばれる存在はD&Dの《イオ》に当たります。ここら辺の細かい設定は鮎の塩焼キング的ドラコノミコン(ドラゴン大辞典)を読んでいただけると分かるかと思います。

https://ameblo.jp/metasususu/entry-12764992612.html?frm=theme


この「辰」という字にはもう一つ意味がございまして、「時」や「星」を表します。どちらかというとこちらが本義のようです。


ここから私の好きな熟語、「三辰」についてご説明します。野球の「三振」ぢゃあ、ないですよ(^^)


三辰とは我々がよく目にするあの三つの天体を指します。そうです!太陽、月、星です。

私の大好きな漢和辞典「漢字源」を引きますとこう出ております。

私、元々「3」という数字が大好きでして、その「3」と、これまた大好きな字「竜」を表す「辰」が合わさった「三辰」という字面がとても気に入っております。私は「星」や「宇宙」「星座」なんかも大好きなので、「三辰」の意味も勿論大好きです!


この「三辰」を今話題のあの漫画に発見してしまったので、ご報告したいと思います。


それは、「チ。」です。地動説を引き継いでいく人々の物語です。ここからはプチネタバレになります。お気をつけください。


プチネタバレ

1章から3章までの主人公は全員、地動説に関わったがためにその命を失うことになります。どの死に様も悲劇的なのですが、本人たちにとっては悲劇とも言い切れない最期。その印象的なシーンを最終回で俯瞰するページがあるのですが、それをじっくり見ていて気が付いたのです。


あっ、三辰だ…。



第1章の主役ラファウ(この時点で既に死亡しています)の眼前に浮かぶ満月。因みに私の好きな月の呼び方は皓月です。


第2章の主役オクジーが最後に見た風景は満天の綺羅星。


そして第3章の主役ドゥラカは朝日を嫌っていましたが、その最期の瞬間、朝日(太陽)を微笑みを持って受け止めることができました。


「三辰」には人の心を打つ魅力や魔力があると思います。


そしてここからは私のこじつけ解釈なのですが、三辰って頑張れば「3種の竜」って意味にも取れるかなー、と思うんですよね。3種の竜、D&Dを代表するモンスターであり、私の大好物です!


そこで三辰を3種の竜に当て嵌めてみました!ずばり、色彩竜、金属竜、宝石竜です!ここらへんの大分類も私の書いたドラコノミコンに詳しく書いてありますが割愛します。ご興味ある方は、以下の目次からそれぞれご覧くださると幸いです。

https://ameblo.jp/metasususu/entry-12764689090.html?frm=theme


この三辰と三種の竜のネタは「ハテナの交竜奇譚」でも取り扱っている一つのテーマでして、第3話と第4話で触れています。今のペースで掲載していくと、来年の今頃、アップできると思います。彼らの冒険に「三辰」がどう関わってくるか、少し気にしてもらえると嬉しいです。


本来このブログはおもちゃ紹介のブログでしたので、三辰=三種の竜を「メタル系スライム」のおもちゃで表現して、今年のブログを締めたいと思います!


その1 《色彩竜》的なメタル系スライム玩具

色彩ということで塗装されたフィギュアが《色彩竜》的かなーと思い、こちらをチョイスしました!

「メタル系モンスター大集合」というプライズ系のフィギュアです。一部、シリーズ外の物や自作品も混じっています。ゲーム画面のメタル系スライム達が画面から飛び出してきた様なフィギュアです。塗装品なので取り扱いも多少雑でもOKなところがいいですね!


その2 《金属竜》的なメタル系スライム玩具

金属ですので、そのままメッキ品のご紹介!


「メタリックモンスターズギャラリー」というドラクエフィギュアでは大人気のシリーズですね。メタル系スライムの本物がいたら、まさにこんな感じなんでしょうね。メッキが禿げたり曇ったりするので、手袋をして触っています。鑑賞品であり、あそびには使いにくいですね。


その3 《宝石竜》的なメタル系スライム玩具

宝石竜っぽい玩具ということで、宝石の様な透明度と煌めきをもつフィギュアを集めました。


「ビッグクリアフィギュア」シリーズですが一部、ガチャの物も含まれています。本来のプレーンなスライム達はクリアなはずなのですが、メタル系がクリアというのは少し違和感があります。でもサイズ感といい、アクリルという材質といい、遊ぶにも飾るにも丁度良いフィギュアです。


最後は全種類集合!


三辰の話が気が付けばメタル系スライム玩具の話になっているというところが、鮎の塩焼キングのブログっぽいかなと思います。昔はこんなノリでブログを書いていた様な気がしますが、2年半前から生活も、人生観も、そして家族構成もガラッと変わってしまったので、ブログも変わってしまいました。


〜終わりに〜

来月は次男と三男の誕生日。三男が兄の年齢を抜いてしまうんですよね。そんな寂しい気持ちがあります。


令和6年は仕事に正式に復帰し、新しい分野でスキルを磨く年でした。社会人としてはよく頑張れた1年だったと思います。


晩飯を毎日作り、三男の学校説明会に参加したり、長男のバイト先に潜入したり、次男のために墓を建てたりと家庭人としても最低限、父親らしいことができたと思います。親孝行や兄孝行(?)も随分しました。


趣味人としては…まあボチボチでした。おもちゃの紹介はする気が起きず、開封すらしてない物が溜まっています。これはどうにかしたい。ゲームはバルダーズゲート3をはじめD&D関連のゲーム、映画、漫画、アニメを楽しめたので大満足でした。それに何より、辛い時の心の支えだった《タツノオトシヨ》で冒険する誰かさんによく似た人物の物語を形にできたことが嬉しかったですね。去年の休職中にも書いてみようと思ったことがありましたが、まだその時は心の傷が深すぎて手をつけられませんでした。今は随分心にパワーが溜まったので、想いを形にできているのだと思います!


来年は巳年!私の年であります!


臥龍(がりゅう)蛇の勢いで頑張りたいと思います。


それでは皆様、良いお年をお迎えください!


冒険小説 ハテナの交竜奇譚 第1話 その21

2024-12-28 10:57:00 | 小説

小説としては今年最後の更新です!皆様良いお年を!


二一

 目を赤く腫らした三人に先ほどまでの気不味さはなくなっていた。素性がなんだ、理由がなんだ、そんなものは関係ない。ただこの場で三人が巡り会えたことに意味があるのではないか。三人はそう考えた。三人とも顔を合わすまで、とても大きな喪失感や不安感を感じていた。だが今は違った。言葉にならない安心感と幸福感に包まれている。魂が「谺しあう」この出会いに感謝して、成り行きに任せればいいではないか!三人で一緒にいたいという気持ちを確認し合うと、まずはお互いを知ることから始めようと、テーリが提案をした。


 「僕の名前はハーラ・スイマール。二〇歳だ。西マータで薬草の産地として有名な《緑毒の湿原》を領する貴族の出だ。そして…。」

ハーラは包み隠さず自分の素性と弱さを明かした。《年降る緑色竜》を恐れて逃げ出したこと。そして、逃げ出した実家と領民を救うために、魂が谺する二人の力を借りたいこと。テーリとナーレは黙って最後まで話を聞いてくれた。

「それならばもう少し力をつけないとね。」

ナーレはハーラの力量をよく理解していた。ほんのわずかに共闘しただけなのに、ハーラの《聖騎士》としての力不足を理解していた。ハーラは強く頷くと、自分の弱さを受け入れてもらえた安堵から、また涙をこぼすのだった。


 「僕の名前はナーレ・ボルバケト。一五歳だ。元々は南マータの港湾都市にある《青銅街》で育った孤児だった。だけど、今は《ボルバケト籠竜会》の総帥の養子だ。いや養子だった、が正しいのかな…。」

ナーレも包み隠さず自分の出自と自由を求めすぎる傲慢な生き方を話すことができた。親友にも話せなかった《青銅街》の暮らしぶりまで、正直に話すことができた。

「僕も悪いことをたくさんして来た。それを進んで話せるナーレを尊敬する。君のことをもっと理解したい。君の我儘に付き合わせてくれ。」

テーリの意外な申し出に、ナーレは声を上げて泣いた。今まで出会った素晴らしい人物たち…一人は《竜》だが…は自分の理想を押し付けて来るばかりだった。ありのままの自分を受け入れてもらえたことがナーレにはこの上なく心地良く、嬉しさで涙が止まらなかった。



 「して、テーリの話だけど…。」

ハーラから話を振られて、テーリは戸惑った。申し訳ないのだが、ハーラやナーレのようなドラマチックな人生を歩んできてもいなければ、そもそもなんでこの渓谷で川に身を沈めていたのか、自分自身が全くわかっていなかったからだ。それでも、テーリがどんな話を聞かせてくれるのかと、期待に瞳を爛々と輝かせる二人の気持ちになんとか応えようと、自分の身の上話をしてみることにした。


【第1話 二二に続く】

次回更新 令和6年12月30日月曜日 午前9時


今年最後の辰の日です!特別更新ということで通常の連載プラスαで何かしたいと思います!


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用語解説

なし


冒険小説 ハテナの交竜奇譚 第1話 その20

2024-12-26 12:32:00 | 小説
その20まで進みました。そろそろ第一話も終わりそうです。テーリ、ハーラ、ナーレはこの先どうするのでしょうね? 

二〇

 沈黙が続く。長い沈黙にいたたまれなくなったハーラが口を開いた。

「見た感じ、僕がこの場では年長者のようだ。僕が話そう。まず僕らは…初対面だ。間違いないね?」

二人の顔を覗き込むと、テーリとナーレは慎重に首を縦に振った。三人の認識は一致している。会ったこともない人物の名前を自然と呼んでいた。そして身を案じあっていた。彼らと自分の繋がりはなんなのだろう。ますます頭の中がこんがらがっていく。考えても答えは出ないが、テーリの顔を見ているうちにハーラは感情の昂りを抑えられなくなっていた。

「変なことを言うんだが…。」

ハーラは言葉を選びやがら、ゆっくりと続けた。

「テーリ、僕は君の顔をこうしてまじまじと見ていると、訳もわからず泣けてくるんだ。」

ハーラは本当に変なことを言い出した。言葉では言い表せない切なさがハーラの心を占めていた。ハーラの目から大粒の涙がこぼれ落ちた。

「ハー兄…。僕もなんだよ。テー兄、ずっとそばに居てくれよぅ。」

ハーラと同じくナーレも大粒の涙をこぼし、テーリに抱きついた。初対面なのに自分のことで泣いている。事情はさっぱりわからないのに。とても奇妙な光景なのに。テーリも自然と泣けて来た。

「ごめんよぅ…ごめんよぅ。」

この二人になんの悪さをしたのか皆目見当もつかないが、申し訳なさに押し潰されたテーリは謝りながら号泣した。三人は肩を抱き合い泣くに任せた。泣きたいだけ泣いた後、ハーラが呟いた。

「僕は、お前たちと旅がしたい!」



【第1話 二一に続く】

次回更新 令和6年12月28日土曜日


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用語解説

なし


冒険小説 ハテナの交竜奇譚 第1話 その19

2024-12-24 18:12:00 | 小説
亡き次男に捧げる冒険小説です。

一九

 興奮状態のまま三人は互いの肩を叩き合った。

「テーリ、あの正確な石の投擲。恐れ入ったよ!」

ハーラがテーリの髪をクシャクシャに撫でる。テーリは照れ臭そうにハーラの手を跳ね除けると、そのまま手を大きく回して、ナーレの臀部を鷲掴みにした。

「いい突きだったぞ、ナーレ!なにもないところを全力で殴るのは、あれ、渾身のギャグだろ?」

健闘を讃えながらも、ナーレのチョンボを嫌味ったらしくからかった。

「テー兄は僕とハー兄の治癒魔法がなかったら死んでたからね。おちょくるもんじゃないぜ!」

ナーレは拗ねて見せて、テーリを困らせた。テーリは笑いながら、すかさず手を合わせて謝罪した。暫くはそんなふざけ合いをしていた三人だったが、次第に興奮が冷めると、初対面であることを改めて思い出して、瞬く間に押し黙ってしまった。こいつら、何者なんだ?今まで押さえ込んでいた当然の疑問が頭をもたげた。三人とも、気不味そうに互いの目を見やることしかできなくなった。



【第1話 二〇に続く】

次回更新 令和6年12月26日木曜日 午前9時


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用語解説

なし


冒険小説 ハテナの交竜奇譚 第1話 その18

2024-12-22 10:36:00 | 小説
亡き次男に捧げる冒険小説。アメブロからの転載です。

一八

 伏兵の《ウォーグ》は目を見開いていた。嫌な予感が当たった。こいつらは普通じゃない。武術とかいうやつを使う人間が、仲間を殴り殺した勢いのまま、俺に向かってくる。伏兵の《ウォーグ》は恐怖で立ち竦む。駆け寄って来たナーレは躊躇なく伏兵の《ウォーグ》に蹴りを入れた。その動きは正に神速であった。蹴りは《ウォーグ》の顎に命中した。ダメージは思ったほどではなかったが、《ウォーグ》の闘争心は完全に折れた。《僧兵》の勢いに駆られて、目の前のテーリと呼ばれる人間が大きく振りかぶる。石が飛んでくる。そう思った瞬間、《ウォーグ》の顔がひしゃげた。テーリの投げた石は、寸分違わず《ウォーグ》の顔面を撃ち抜いたのだ。流血に耐えて《ウォーグ》がよろよろと立ち上がる。まだ戦える、しかしこれ以上戦っても生き残れる見込みはない。《ウォーグ》は傷つくことを覚悟の上でナーレの横を駆け抜けた。逃亡を試みたのだ。そんな隙をナーレが見逃すはずがなかった。ナーレの手刀が《ウォーグ》の背中を強かに打つ。《ウォーグ》は大きくよろめくも、そのまま森の奥に駆けていく。テーリたち三人が追いかける理由はなにもなかった。三人は魔獣の群れに勝ったのだ。



【第1話 一九に続く】

次回更新 令和6年12月24日火曜日


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用語解説

なし