【測定】違うRCAケーブルで音が変わるのか?検証してみた
ついにこの前に呟いたことを検証する時がきました
元記事
【感想】オーディオケーブルに投資しすぎてはいけない
最近ようやく測定用の環境を用意できたので
「RCAケーブルで音が変わるのか」とう昔ながらの争点を解明する丁度いいタイミングがやってきた
オーディオマニアは語っていた
「RCAケーブルは音を味付けるもの」
僕も自分なりに考えていた
「味付けなら、つまりイコライザみたいな働きではないか?」
つまり、違うRCAケーブルを使うと、測定した周波数特性は若干違うはず
オーディオマニアはまた語っていた
「良いRCAケーブルで分解能を改善できた」
僕も考えていた
「じゃオシロスコープで波形を確認すればその違いが分かるはず」
という訳で実際検証してみた
測定機器と測定の話は前の記事も書いてあったので興味がある人どうぞ
【測定用】Sound Blaster Digital Music Premium HD(SB-DM-PHD)レビュー 前篇
使用した測定用デバイスは以下の通り
録音用オーディオプロセッサーSound Blaster Digital Music Premium HD(SB-DM-PHD)
録音、分析ソフト:RightMark Audio Analyzer(RMAA)
録音、再生設定:96KHz/24Bit(MME/Direct Sound)
オシロスコープ:Hantek DSO1050(FFT機能付き、50MHz)
LにAT-EA1000、RにPA-02
今回は面白いやり方を考えた、録音デバイスのライン入力にL/Rごとに違うRCAケーブルを接続、
これでグラフでL/Rチャンネルを見るだけで違いを把握できる
Lチャンネルに接続していたのは自作のAudio-technica AT-EA1000ケーブル(金メッキプラグ)
Rチャンネルに接続していたのは自作のOyaide PA-02ケーブル(ネジ止め式ロジウムメッキプラグ)
公式の商品説明によるとAT-EA1000は
「反転撚り構造で高解像度再生」、さらに「アルミシールドでノイズを低減。
真鍮削り出しプラグと24K金メッキの接点。」という
以上、オーディオテクニカ公式サイト-AT-EA1000より引用
その一方、OYAIDE PA-02は...長すぎるので暇な人は公式の商品ページまでどうぞ
※図は、オヤイデ公式サイトより引用
とにかく二つとも販売時期もグレードもよく互角していた超人気ケーブルである
ピュアオーディオとしては二つともエントリケーブルですが、ネットの評判ではかなり個性が違うらしい
さらにPA-02を自作した時は高価なロジウムメッキのプラグも投入したので
純正のPA-02TRの設定よりも高級志向だった
ちなみに自作AT-EA1000のコストは1000円位、PA-02は5000円位でした
大事なのは、もし音が違うなら周波数特性のグラフにも違うはず
本当に違いがあるのか?検証してみよう
Lチャンネル(白):AT-EA1000
Rチャンネル(緑):PA-02
「ん?完全に重なっているではないか?」
その時ある人は言った
「それは微かな違いなので、このグラフじゃ解像度が低すぎて判別できない」
良し、もっとでかいグラフを貼りましょう
リンク
違いは、本当にあるのか?
補足ですが、L(白)が少しだけ高いのは
ライン入力に使われた抵抗の精度はそこまで精密ではないためどうしても差がでるため
それとケーブルの内部抵抗も多少違うから、グラフが最初から最後まで少し高いのはごく普通である
DACからの出力は正確さが求められていた、
RCAケーブルには大電流が流されるわけにもないし
抵抗インピーダンスもあまり心配要りません
じゃ、味付け要素はどこに行ったか?
一応RMAAの測定結果も貼っておく
Summary:
Frequency response (from 40 Hz to 15 kHz), dB +0.01, -0.08 Excellent
Noise level, dB (A) -108.2 Excellent
Dynamic range, dB (A) 108.2 Excellent
THD, % 0.0035 Very good
THD + Noise, dB (A) -86.4 Good
IMD + Noise, % 0.0040 Excellent
Stereo crosstalk, dB -101.4 Excellent
IMD at 10 kHz, % 0.0062 Excellent
General performance Very
RMAA PA-02 vs AT-EA1000
AT-EA1000単独での測定結果は以下に
Sound Blaster Premium HD(With AT-EA1000):
Frequency response (from 40 Hz to 15 kHz), dB +0.01, -0.07 Excellent
Noise level, dB (A) -107.9 Excellent
Dynamic range, dB (A) 108.0 Excellent
THD, % 0.0033 Very good
THD + Noise, dB (A) -87.0 Good
IMD + Noise, % 0.0039 Excellent
Stereo crosstalk, dB -100.7 Excellent
IMD at 10 kHz, % 0.0059 Excellent
General performance Very good
Sound Blaster Digital Music Premium HD RMAA Report
あるオーディオケーブル信者はこう言ってた
「このグラフじゃ分解能が分からないよね」
良い質問だったね、オシロスコープで実際の波形を比較してみよう
オシロスコープでL/RケーブルをCH1,CH2に接続
オシロスコープでL/RケーブルをCH1,CH2に接続
CH1はLチャンネル、AT-EA1000で繋いで出力された波形
CH2はRチャンネル、PA-02で繋いで出力された波形
波形の垂直位置が近づいているのは比較しやすいようにするため
その結果、当然だが違いは殆どありません
周波数特性が違うなら、CH1もしくはCH2の振幅が若干大きくなるはず
分解能が違うなら、グラフで違いを確認できるはず
グラフを見る限り、僕には違いを確認できませんでした
CH1:Yellow AT-EA1000
CH2:Green OYAIDE-PA02
Output Device: Sound Blaster Digital Music Premium HD(SB-DM-PHD)
Sample Rate: 96KHz/24bit (DirectSound Mode)
何故か長い空白が出来ています、グラフの比較は↓にあります
結論、まとめ
少なくとも僕が自作したAT-EA1000とPA-02を使って測定場合、
周波数特性と分解能の差は殆ど存在しませんでした
ケーブル自体の優劣は絶対ありますが
これが影響されるのはSNRとダイナミックレンジであり、
AT-EA1000単独で測定した場合、平均的にPA-02より2dBくらい高く(良く)なっている
あとL/Rチャンネル間の干渉を示すクロストーク、これもケーブルシールドの優劣に少し関わる
ケーブル自体も「コンデンサ効果」というものがあるですが
これはかなり微小なもので、人間可聴帯域のLPF効果は殆どないと思う
(つまり極高域にカットオフ効果が出るかもしれない)
どの道、ケーブルで音への味付けを求めることは
自分は疑問を抱いています
それと、ケーブルで可聴帯域信号(20~20KHz)の分解能を改善することも
自分も同じく疑問を抱いています
これは自分が測定、結果をまとめてから言いたいことです
ケーブルを帰ることで「違う」音を求める人には
もうちょっと考えた方がいいかもしれない
お楽しんで頂けましたでしょうか?
ではまだ少し早いですが、皆様一年お疲れ様でした
来年も良いお年を!
オーディオオカルトが消えるように!
オーテクヘッドホンスレのスカテクさんが早くニートから脱出できるように!
Creative USB Sound Blaster Digital Music Premium HD SB-DM-PHD
Creative USB Sound Blaster Digital Music Premium HD SB-DM-PHD
オヤイデ RCAケーブル(1.0m・ペア)OYAIDE PA-02TR V2/1.0
audio-technica ARTLINK オーディオケーブル0.7m AT-EA1000/0.7
ついにこの前に呟いたことを検証する時がきました
元記事
【感想】オーディオケーブルに投資しすぎてはいけない
最近ようやく測定用の環境を用意できたので
「RCAケーブルで音が変わるのか」とう昔ながらの争点を解明する丁度いいタイミングがやってきた
オーディオマニアは語っていた
「RCAケーブルは音を味付けるもの」
僕も自分なりに考えていた
「味付けなら、つまりイコライザみたいな働きではないか?」
つまり、違うRCAケーブルを使うと、測定した周波数特性は若干違うはず
オーディオマニアはまた語っていた
「良いRCAケーブルで分解能を改善できた」
僕も考えていた
「じゃオシロスコープで波形を確認すればその違いが分かるはず」
という訳で実際検証してみた
測定機器と測定の話は前の記事も書いてあったので興味がある人どうぞ
【測定用】Sound Blaster Digital Music Premium HD(SB-DM-PHD)レビュー 前篇
使用した測定用デバイスは以下の通り
録音用オーディオプロセッサーSound Blaster Digital Music Premium HD(SB-DM-PHD)
録音、分析ソフト:RightMark Audio Analyzer(RMAA)
録音、再生設定:96KHz/24Bit(MME/Direct Sound)
オシロスコープ:Hantek DSO1050(FFT機能付き、50MHz)
LにAT-EA1000、RにPA-02
今回は面白いやり方を考えた、録音デバイスのライン入力にL/Rごとに違うRCAケーブルを接続、
これでグラフでL/Rチャンネルを見るだけで違いを把握できる
Lチャンネルに接続していたのは自作のAudio-technica AT-EA1000ケーブル(金メッキプラグ)
Rチャンネルに接続していたのは自作のOyaide PA-02ケーブル(ネジ止め式ロジウムメッキプラグ)
公式の商品説明によるとAT-EA1000は
「反転撚り構造で高解像度再生」、さらに「アルミシールドでノイズを低減。
真鍮削り出しプラグと24K金メッキの接点。」という
以上、オーディオテクニカ公式サイト-AT-EA1000より引用
その一方、OYAIDE PA-02は...長すぎるので暇な人は公式の商品ページまでどうぞ
※図は、オヤイデ公式サイトより引用
とにかく二つとも販売時期もグレードもよく互角していた超人気ケーブルである
ピュアオーディオとしては二つともエントリケーブルですが、ネットの評判ではかなり個性が違うらしい
さらにPA-02を自作した時は高価なロジウムメッキのプラグも投入したので
純正のPA-02TRの設定よりも高級志向だった
ちなみに自作AT-EA1000のコストは1000円位、PA-02は5000円位でした
大事なのは、もし音が違うなら周波数特性のグラフにも違うはず
本当に違いがあるのか?検証してみよう
Lチャンネル(白):AT-EA1000
Rチャンネル(緑):PA-02
「ん?完全に重なっているではないか?」
その時ある人は言った
「それは微かな違いなので、このグラフじゃ解像度が低すぎて判別できない」
良し、もっとでかいグラフを貼りましょう
リンク
違いは、本当にあるのか?
補足ですが、L(白)が少しだけ高いのは
ライン入力に使われた抵抗の精度はそこまで精密ではないためどうしても差がでるため
それとケーブルの内部抵抗も多少違うから、グラフが最初から最後まで少し高いのはごく普通である
DACからの出力は正確さが求められていた、
RCAケーブルには大電流が流されるわけにもないし
抵抗インピーダンスもあまり心配要りません
じゃ、味付け要素はどこに行ったか?
一応RMAAの測定結果も貼っておく
Summary:
Frequency response (from 40 Hz to 15 kHz), dB +0.01, -0.08 Excellent
Noise level, dB (A) -108.2 Excellent
Dynamic range, dB (A) 108.2 Excellent
THD, % 0.0035 Very good
THD + Noise, dB (A) -86.4 Good
IMD + Noise, % 0.0040 Excellent
Stereo crosstalk, dB -101.4 Excellent
IMD at 10 kHz, % 0.0062 Excellent
General performance Very
RMAA PA-02 vs AT-EA1000
AT-EA1000単独での測定結果は以下に
Sound Blaster Premium HD(With AT-EA1000):
Frequency response (from 40 Hz to 15 kHz), dB +0.01, -0.07 Excellent
Noise level, dB (A) -107.9 Excellent
Dynamic range, dB (A) 108.0 Excellent
THD, % 0.0033 Very good
THD + Noise, dB (A) -87.0 Good
IMD + Noise, % 0.0039 Excellent
Stereo crosstalk, dB -100.7 Excellent
IMD at 10 kHz, % 0.0059 Excellent
General performance Very good
Sound Blaster Digital Music Premium HD RMAA Report
あるオーディオケーブル信者はこう言ってた
「このグラフじゃ分解能が分からないよね」
良い質問だったね、オシロスコープで実際の波形を比較してみよう
オシロスコープでL/RケーブルをCH1,CH2に接続
オシロスコープでL/RケーブルをCH1,CH2に接続
CH1はLチャンネル、AT-EA1000で繋いで出力された波形
CH2はRチャンネル、PA-02で繋いで出力された波形
波形の垂直位置が近づいているのは比較しやすいようにするため
その結果、当然だが違いは殆どありません
周波数特性が違うなら、CH1もしくはCH2の振幅が若干大きくなるはず
分解能が違うなら、グラフで違いを確認できるはず
グラフを見る限り、僕には違いを確認できませんでした
CH1:Yellow AT-EA1000
CH2:Green OYAIDE-PA02
Output Device: Sound Blaster Digital Music Premium HD(SB-DM-PHD)
Sample Rate: 96KHz/24bit (DirectSound Mode)
何故か長い空白が出来ています、グラフの比較は↓にあります
SIN_20Hz.jpg | ||
SIN_50Hz.jpg | ||
SIN_100Hz.jpg | ||
SIN_200HZ.jpg | ||
SIN_400HZ.jpg | ||
SIN_800HZ.jpg | ||
SIN_1KHz.jpg | SQUARE_1KHz.jpg | DELTA_1KHz.jpg |
SIN_2KHz.jpg | SQUARE_2KHz.jpg | |
SIN_4KHz.jpg | SQUARE_4KHz.jpg | DELTA_4KHz.jpg |
SIN_6.3KHz.jpg | SQUARE_6.3KHz.jpg | |
SIN_8KHz.jpg | SQUARE_8KHz.jpg | DELTA_8KHz.jpg |
SIN_10KHz.jpg | SQUARE_10KHz.jpg | |
SIN_16KHz.j | SQUARE_16KHz.jpg | DELTA_16KHz.jpg |
SIN_20KHz.jpg | SQUARE_20KHz.jpg | DELTA_24KHz.jpg |
SIN_48KHz.jpg | SQUARE_48KHz.jpg |
結論、まとめ
少なくとも僕が自作したAT-EA1000とPA-02を使って測定場合、
周波数特性と分解能の差は殆ど存在しませんでした
ケーブル自体の優劣は絶対ありますが
これが影響されるのはSNRとダイナミックレンジであり、
AT-EA1000単独で測定した場合、平均的にPA-02より2dBくらい高く(良く)なっている
あとL/Rチャンネル間の干渉を示すクロストーク、これもケーブルシールドの優劣に少し関わる
ケーブル自体も「コンデンサ効果」というものがあるですが
これはかなり微小なもので、人間可聴帯域のLPF効果は殆どないと思う
(つまり極高域にカットオフ効果が出るかもしれない)
どの道、ケーブルで音への味付けを求めることは
自分は疑問を抱いています
それと、ケーブルで可聴帯域信号(20~20KHz)の分解能を改善することも
自分も同じく疑問を抱いています
これは自分が測定、結果をまとめてから言いたいことです
ケーブルを帰ることで「違う」音を求める人には
もうちょっと考えた方がいいかもしれない
お楽しんで頂けましたでしょうか?
ではまだ少し早いですが、皆様一年お疲れ様でした
来年も良いお年を!
オーディオオカルトが消えるように!
オーテクヘッドホンスレのスカテクさんが早くニートから脱出できるように!
Creative USB Sound Blaster Digital Music Premium HD SB-DM-PHD
Creative USB Sound Blaster Digital Music Premium HD SB-DM-PHD
オヤイデ RCAケーブル(1.0m・ペア)OYAIDE PA-02TR V2/1.0
audio-technica ARTLINK オーディオケーブル0.7m AT-EA1000/0.7
とても高性能な測定器が必要になります。
ローデ&シュワルツの測定器で測れば明確な違いがわかりますが、
高価すぎるので現実的ではなかったりします。
常々RCAケーブルによる音の違いなんて本当に存在するのか?マテリアルが異なるから存在するかもしれないけどそれを人の耳が聞き分けられるのか?疑問に思っていました。
確かにスペクトラムで比べたサイトがありましたが、そこでも最大で2dbほどダイナミックレンジが異なっているだけでしたし、むしろ安物ケーブルの方が広かったりカーブも平らだったりしていました(笑
今回この記事を読んで溜飲が下りました。
電源ケーブル、スピーカーケーブルなどでいったいどこまで差が出るのか?関心を持っています。アメリカでは100万ドルかけて実験をやろうとしたら、スピーカーケーブル会社のほうが逃げちゃいましたよね。オーディオの世界にオカルトがはびこる限り、この世界はいつまでたっても一部の信者だけの市場のままで発展ができません。
オカルト的オーディオは、オーディオの世界を縮小させてしまう元凶です。これからも科学的知見からどんどん検証してください!
ところで、ページの半分以下からjpgのグラフが読めなくなっています。
どうされたのでしょうか?