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ポータブルDAC一体型ヘッドフォンアンプFiio E17購入レビュー

2012年05月31日 | ヘッドホン、音響関連
ポータブルDAC一体型ヘッドフォンアンプFiio E17購入レビュー

Fiio E17
Fiio E17を購入して一ヶ月ほど使用しましたのでレビューさせていただきます
自分はすでにオーディオテクニカのAT-HA26Dという据え置き型DAC一体型ヘッドフォンアンプを所持し、どうしてE17を購入することになったのかを考えてみると

やっぱ欲張りだよな、人間は

きっかけは、ヨドバシ秋葉での出来事でした
ある日自分のウォークマンを持ってヨドバシ秋葉でヘッドフォンを試聴することになって
ヘッドフォンは壁に掛けられておりDAPと繋げ放題状態ですが
高抵抗と低音圧感度のヘッドフォンをウォークマンに繋げると、とても試聴できる音量と推力が得られなかった
たとえばAKG K701とHD650など、音量MAXにしても小さくてスカスカしてる音しか聞こえない
いくらS-Masterが優秀だといえ、公式5mWの駆動能力は限界がある
音圧感度は高い密閉型ヘッドフォン(たとえばATH-W5000,W1000X)など、若干マシな音量は取れるけど、やはり音はスカスカしている。
どうやら外でヘッドフォンを真面目で聞きたいなら、ポータブルアンプは不可欠になると気づいた
悔しいと思い、今回E17を購入することを決まった


今度届いた物、Fiio E17とウォークマンラインアウトケーブルのFiio L5

いよいよ中身を

中身!意外とシンプル

本体が現す

作りは、良いです

電源オンしてみる、有機ELのディスプレイがついている

下にはUSB端子、ドック用コネクタ、AUX INになってます

下にはUSB端子、ドック用コネクタ、AUX INになってます

正面のボタンはメニューの選択、入力選択、音量とロック

正面のボタンはメニューの選択、入力選択、音量とロック

Fiio E17

Fiio E17

Fiio E17

裏にはALPEN(シリーズ名?)が書かれている

見事のMade in Chinaですが、デザインも作りも洗練で高級AV機器感が漂う

Fiio E17

Fiio E17

ウォークマンラインアウトケーブルでNW-A857と繋げてみる

ウォークマンラインアウトケーブルでNW-A857と繋げてみる

E17を選ぶことになるのは、やはり機能の豊富さに釣られた
E17のスペックは以下の通り
--
出力
277mW x 2 (16Ω) : 215mW x 2 (32Ω) : 35mW (300Ω)

S/N比
≧109dB (a weight) [AMP] ≧104dB (a weight) [DAC]

歪み率
<0.001% (10mW) [AMP] <0.007% (10mW) [DAC]

ビット/サンプルレート
24bit/96KHz [USB] 24bit/192KHz [SPDIF]

周波数特性
10Hz~100KHz [AMP] 10Hz~20KHz [DAC]

適応インピーダンス
16Ω~300Ω
--
ポータブルアンプでありながら、ちゃんとしたDACとしても悪くないスペックになってます
特にDACチップのWM8740は、名機と呼ばれるHUD-MX1も採用したもので
これでかなりの実力を期待するだろう
ちょっと気になるのはDACの出力帯域範囲は20Hz~20KHzになってること
一応アンプ部の10Hz~100KHzと比べて大分狭くなっているが
どの基準で測量したのは書いていないが、多分は±3dBになっているじゃないかと
昔自分が測量した結果30kHz近く聞こえる人間なんて、まあポータブルで仕方ないが

E17はE7より大幅進化したところは、その機能性と入力端子の豊富さである
USBの他、光デジタルと同軸もサポート、しかも192kHz/24Bitまでできる
EQ、ゲイン、バランスが調整でき、デジタルVolumeを搭載したお陰でギャグエラーが起きない
SN値もポータブルアンプにしてはかなり良いレベル、スペックからにすれば据え置きタイプにも負けないくらいの機能性が所有するモンスター製品になちゃう
でもポタアンはやっぱり音質が命、さてE17の音質はどうなっているかをテストしてみた

テスト用ヘッドフォン:ATH-AD2000, ATH-AD1000, ATH-A900
テスト用イヤホン:SONY MDR-EX1000, JVC FXC-71
比較用ヘッドフォンアンプ:AT-HA26D
接続、比較用DAP: SONY NW-Z1070, SONY NW-A857
パソコン出力環境:光デジタル192kHz/24Bit Foobar2000/SoX Resampler

結論から言うと、ヘッドフォンでは差しより改善され、でも音の繊細さ、高音の広がりはAT-HA26Dに適わなかった。イヤホンは改悪された(MDR-EX1000)もあって改善された(HA-FXC71)のもある
まあ、当たり前の結果だが。やはりDAC部は20kHzまでが原因で高音の伸びは心の底まで届かない、分かりやすく説明するとちょっとだけ篭る感じになってしまう
しかし、これはAT-HA26Dとの比較結果、DAPの直出力と比較すると同じレベルだった
この代わり、高音よりと言われるのAT-HA26Dより音バランスが良く、スケール感と音場の広がりがよくなった
最初は戸惑いながら使ってましたが、段々E17のコンセプトを理解してきた
AT-HA26Dは力強く高音を出してくれて、解像度、分解能とクリアさが2万円台アンプにしては抜群レベルだった、音はクールな音で立体感があり空間の広さはそれなりに変わらなかった
Fiio E17は均質、バランスの良い音をだして味付けなくソースをそのまま拡大した感じ、解像度、分解能はそれなりのレベルだがクリアさそこまで損なわない、一見あまりメリットが見当たらないが音の勢いと音場の広さが改良される。例えばNW-A857に直挿したATH-AD1000の音は脳内定位だったか、Fiio E17に経由すると前方定位になってくれた
特筆すべきのは、普段DAPからの出力をアンプに通すと、解像度とクリアさは著しく劣化してしまうが、E17はこのような症状はなかった。じっくり聞くとソース直出力には敵わなかったが全然気にしないレベル。これも基本能力の高さの証になるだろう

各ヘッドフォン、イヤホンの相性テスト
ATH-AD2000
NW-A857→Line Out→Fiio E17→ATH-AD2000
評価:★★★☆ コメント:高音の伸びはちょっと物足りない、
PC→USB(96kHz/24Bit)→Fiio E17→ATH-AD2000
評価:★★★☆ コメント:繊細さとクリアさはちょっと足りない(USBにノイズが乗るせい?)
PC→OPT(192kHz/24Bit)→Fiio E17→ATH-AD2000
評価:★★★★ コメント:良好

ATH-AD1000
NW-A857→Line Out→Fiio E17→ATH-AD1000
評価:★★★★ コメント:定位感、スケール感と空間感が改良された、分解能は直挿しより少しだけ落ちる
PC→USB(96kHz/24Bit)→Fiio E17→ATH-AD1000
評価:★★★☆ コメント:繊細さとクリアさはちょっと足りない(USBにノイズが乗るせい?)
PC→OPT(192kHz/24Bit)→Fiio E17→ATH-AD1000
評価:★★★★ コメント:良好

ATH-W1000
NW-A857→Line Out→Fiio E17→ATH-W1000
評価:★★★★ コメント:定位感、スケール感と空間感が改良された、分解能は直挿しより少しだけ落ちる
PC→USB(96kHz/24Bit)→Fiio E17→ATH-W1000
評価:★★★☆ コメント:繊細さとクリアさはちょっと足りない(USBにノイズが乗るせい?)
PC→OPT(192kHz/24Bit)→Fiio E17→ATH-W1000
評価:★★★★ コメント:良好

MDR-EX1000
NW-Z1070→Line Out→Fiio E17→MDR-EX1000
評価:★★ コメント:定位感、スケール感と空間感がすべて改悪された
PC→USB(96kHz/24Bit)→Fiio E17→MDR-EX1000
評価:★★★ コメント:それなり
PC→OPT(192kHz/24Bit)→Fiio E17→MDR-EX1000
評価:★★★ コメント:それなり

HA-FXC71
NW-A857→Line Out→Fiio E17→HA-FXC71
評価:★★★★★ コメント:高音の伸び、バランスが大幅改良された、まさにFXC71の真の実力を発揮できたと感じた
PC→USB(96kHz/24Bit)→Fiio E17→HA-FXC71
評価:★★★★★ コメント:優秀
PC→OPT(192kHz/24Bit)→Fiio E17→HA-FXC71
評価:★★★★★ コメント:優秀

結論
世の中に、アンプの相性ということは確実に存在する
もし手持ちのヘッドフォンとE17との相性がよければ、買いかなと俺が思う
また、外出中でもUSB DACアンプを使いたいユーザに対しても希の一品であり、機能性を狙って買うのはまず後悔しないと思う


小柳出電気商会 USB DAC+ポータブルヘッドホンアンプ Fiio E17


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