ATH-L3000はかつてオーディオテクニカの幻の旗艦ヘッドホン
世界中500台限定ということで、現在はほぼ入手不可能といえるでしょう
L3000はW2002の上位バージョンとして設計された
L3000のハウジングにはW2002と同じくアサダ桜の心材を使う
ドライバーユニットの磁気回路にパーメンジュール、8N-OFCボイスコイルを採用するところもW2002と同じ
最も大きな違いはハウジングに越前漆塗りのW2002と比べて
L3000のハウジングにはコノリー製のセミアニリンレザーカバーを使用した
Audio-Technica ATH-L3000
Audio-Technica ATH-L3000
Audio-Technica ATH-L3000
2018年の時、オーディオテクニカはまた500台限定のATH-L5000を発売したが
残念ながらこの時はまだアサダ桜の採伐が解禁されていない、そして採伐してから熟成乾燥の期間もかかることから
ATH-L5000のハウジング材はシカモア材を使うしかなかった
自分はL5000を聞いたこともなく評価はできないが
この後発売されるATH-AWASはまたアサダ桜を採用した所から
やはりアサダ桜材のハウジングは最もオーテクサウンドを演出できると思っているでしょうか
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そしてATH-L3000と同時に発売されたのは
当時世界初のフルデジタルヘッドホンアンプであるAT-DHA3000
Audio-Technica AT-DHA3000 フルデジタルヘッドホンアンプ
Audio-Technica AT-DHA3000 フルデジタルヘッドホンアンプ
Audio-Technica AT-DHA3000 フルデジタルヘッドホンアンプ
Audio-Technica AT-DHA3000 フルデジタルヘッドホンアンプ
Audio-Technica AT-DHA3000 フルデジタルヘッドホンアンプ、イコライザー機能も備われた
Audio-Technica AT-DHA3000 フルデジタルヘッドホンアンプ、電源ボタン周り
ソニーのS-Masterもよく世界初のフルデジタルヘッドホンアンプを謳ったが
実際大型ヘッドホンを駆動できる出力(最大250mW/16Ω)を持つデジタルヘッドホンアンプはDHA3000と思う
デジタルヘッドホンアンプはオーディオテクニカでは珍しい、もう一つの例はUSB接続ヘッドホンのATH-DN1000USBであった
自分の感覚ではスピーカーにおいてデジタルアンプの効果は絶大だが
ヘッドホンシステムではいまだにアナログアンプ(オペアンプ、フルディスクリートヘッドホンアンプ等)と互角している印象があった
関連記事:オーディオテクニカ、デジタルアンプ採用ヘッドフォンアンプ
僕はあれこれで5,6回程ATH-L3000を聴いた機会がありまして
それぞれ違うシステムで聞きました
例えば今回の記事で紹介するオフィシャルコンボのATH-DHA3000フルデジタルアンプとの組み合わせの他
そしてAT-HA2002, HA5000ANV、 HA5000、 HA5050HそしてLuxman DA200 + P1uなど
基本的にオーディオテクニカのハイエンドシステムで聞きました
できれば今回もそれぞれの聴感を紹介しようと思う
Audio-Technica ATH-L3000
まずは、ATH-L3000の音の傾向を紹介しよう
一言で言えばL3000の音は濃密で響き渡る、密度が高く包まれるような磁性的な音である
音場というものは全く存在してなくて、ボーカルの位置も脳内定位となる
色付けは強烈でボーカルの艶を濃厚にする、まるどボーカルを聞くだけに存在するヘッドホンと思う
この音の傾向は、聴きながらATH-AD2000と何となく似ているかなと思った
そして同じく3000番台のATH-W3000ANVとは違う所が多いけれどサウンドベースが似ている所もあった
言わば、演奏に向かない上、結構アンプを選ぶ
このためもあるが、ATH-L3000のオフィシャルコンボアンプであるATH-DHA3000は
HA5000シリーズの「濃密なサウンド」と違って、DHA3000は今風のすっきりした解像度を強調する音になっている
DHA3000単体で他のヘッドホン(W5000, W1000等)で聞けば、いわゆる現代の「寒色系のデジタルな音」になる
ATH-DHA3000自体も世界初のフルデジタルアンプなので、デジタルに聞こえるのは当たり前といえば当たり前だが
Audio-Technica ATH-L3000
Audio-Technica ATH-L3000
Audio-Technica AT-DHA3000 フルデジタルヘッドホンアンプ
Audio-Technica AT-DHA3000との組み合わせ
さすがにコンボであってDHA3000は元々濃厚な音がするL3000との相性は良かった(他のヘッドホンとの相性はともあれ…)
元々濃厚すぎた中域は若干すっきりになって、強く包まれる感触もある程度緩められた
周波数特性的にはフラットとなり、音場性能以外は何となくW3000ANVと似ている所があった
音の密度を下げる代わりに解像度、繊細さと透明さはより出てきた気がする
L3000の素の音響性能が高いが、濃密サウンドに埋められたのでDHA3000はそれを発揮してくれた感じでしょうか
この組み合わせの音場性能では音場サイズはまだ小さめだがわりと立体的、少なくとも音が来る方向自体ははっきりしている
同じ世帯のW2002/W1000と同等か少し上に行くくらいがW5000には及ばない
なるほど、オーディオテクニカの5000,3000,2000,1000番台はきちんとして格付けはあったですね
とは言え、単体で見ればL3000は濃すぎるDHA3000はドライーすぎる
幸い、ドライな音がするアンプは少なくないので必ずしもDHA3000を選ぶ必要もない
Audio-Technica AT-HA5000ANV
L3000とHA5000ANVとの組み合わせ
コンボのDHA3000との相性は墨付きだがHA5000ANVとの相性も悪くなかった
音はまだまだ濃厚だが全てが埋められる程ではなく
特に解像度と音場の立体性では発揮できている印象が残った
HA5000ANVの音の華麗さが少し染められて、濃密ながら上品な音になる
HA5000ANVは無理やりにボーカルの距離を広げた為
ボーカルの表現は割と中性的目立ちすぎない、むしろ聞きやすい
純粋なボーカルはHA2002に及ばないが、かと言って楽器演奏にも向かない
汎用性はDHA3000と比べてやはり足りない感じがする
Audio-Technica AT-HA5050H(海外限定版)
Audio-Technica AT-HA2002
L3000とHA5000、HA2002との組み合わせ
HA5000/HA505Hとの組み合わせはダメ、音の分離度が足りず粒と粒がくっついて区別だきない、音が濃すぎてかえて解像度を下げる印象が残った
HA2002は音の濃さで言えばHA5000より濃いはずだが、意外と分離度は最低限のラインを合格している
L3000+HA2002では純粋なボーカル曲なら、艶やかで濃厚な歌声が聴けた印象を受けた
ただ、HA2002をつなぐ場合はDACを相性を選ぶ
自分が聴いた中ではLuxman DA200のような「リラックスしたラクスマンサウンド」が一番合いそうだ
Audio-Technica ATH-L3000性能評価(AT-DHA3000との組み合わせ時)
まとめ
2020年現在
W3000ANVですら希少で入手困難な今
コレクション目的以外、無理してL3000とDHA3000を買う価値はないと思う
特色のある音だが、汎用性がなくボーカルしか真価を発揮できない
上位互換で選ぶなら、W3000ANVか、AWASかが適切と思う
木ハウジングを拘らなければ、AD2000とA2000Zもお勧めです
もし運がよくL3000を入手できたとしても、コンボのDHA3000を探す必要もなく
経験的には寒色系の高解像度のヘッドホンアンプなら合いそうな気がする、例えばTEAC UD-301とか
まとめにならないような気がするが
今回はこの辺で失礼させていただきます
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