(Sat)
今現在の被災地の状況を知ることから考えること。
宮城・福島・岩手県の知事インタビューを拝読して
ブログ記事に収めておこうと思いました。
知事への質問・回答の中から5つを抜粋して掲載。
2012年3月8日の毎日jpより
-----------------------------------------------
「東日本大震災1年:被災地首長アンケート 被災3県知事インタビュー」
◇がれきの処理、受け入れて--岩手県知事・達増拓也氏
--今年を復興元年と位置づけています。
復興に向けて大事なのはまず、被災者をはじめ、県民一人一人が
自分自身の復興計画を作る必要がある。
県としても、県民がビジョンを持って動くことができる状況を
作っていかなければならない。
--被災した住宅の再建が急がれます。
災害復興公営住宅を整備することと住宅再建の支援が基本で、
民間賃貸住宅の建築支援もやっていく。
公営住宅は県全体で4000~5000戸建設する方針で、
できる所からどんどん作っていく。
すでに釜石市と大槌町では設計の入札を済ませた。
住宅再建には、国の支援金制度に県として100万円を上乗せする。
--復旧復興事業の進捗(しんちょく)状況への評価は。
漁船の確保など、全国的な生産体制が制約要因になって
遅れている分野もあるが、仮設住宅の建設など多くの分野で
国の決定に先んじて事業を進め、全体としてはかなりのペースで
応急復旧を進めることができた。
県の復興計画を早期(11年8月)にまとめることができたのが大きかった。
象徴的なのは、昨年中に(沿岸を縦断する)復興道路の整備や三陸鉄道の復旧について
具体的にスタートできたことだ。
--国の取り組みは。
政府には復興の基本方針はあるが、復興計画がない。
自治体側とすれば、それぞれの復興計画に対応した各省庁の
事業計画や工程表があるだけだ。
復興構想会議を引き継ぐような復興推進委員会ができて、
私もメンバーになっているが、その議論なども生かしながら、
オールジャパンとしての復興ビジョンの中で、
国としてやるべきことを主体的に考えていかなければならない。
--がれきの広域処理で他の自治体との協力が進んでいません。
受け入れ先の住民が放射能に対して不安になるのは理解できる。
県も手探りでやっているが、住民の安全や健康を
守らなければならないのは同じなので、きちんとした体制を構築している。
岩手では県内においてきちんと放射性物質を測定し、
危険ながれきの処理をお願いすることは絶対ないようにするので、
ぜひ受け入れをお願いしたい。
==============
◇原子力災害、風化させないで--福島県知事・佐藤雄平氏
--この1年を振り返っての思いは。
多くの県民が県内外に避難を余儀なくされ、大変苦労している。
一日も早く帰還できるよう取り組んでいかなければならない。
今年は「復興元年」と位置づけ、昨年12月に福島県復興計画を作った。
美しい福島を取り戻したいと思っているが、上京するたびに、
原発災害(への意識)が希薄になっている感じがする。
国民や世界の人々が原発事故を共有し、風化させないようにしてほしい。
--福島県は全原発の廃炉を求める方針を出しましたが、原発に代わる産業をどう育てていきますか。
事故で県全体が地盤沈下する中、新たな時代をリードする産業を
集積しなければいけない。
その一つが再生可能エネルギー。水力、風力、太陽光、バイオマス、
それぞれに適した地域資源を生かし、最先端の地にしたい。
--県民の健康、特に子供たちをどう守っていきますか。
全県民を対象とした健康管理調査で、長期にわたりしっかり見守っていく。
日本一安心して子を産み育てられる県を目指し、
18歳以下の医療費無料化に県独自に取り組む。
--農産物への信頼回復策は。
福島県を正しく知ってもらうことが大事なので、
空間線量や農林水産物の放射線の情報をしっかり発信していく。
コメは全袋検査を実施し、田植えから収穫まで生産管理もしっかり進め、
生産履歴情報を消費者に分かりやすく提供する。
全力を尽くし、安全なものだけを消費者に届ける。
--国への要望はありますか。
原子力災害からの復興には、長く粘り強い取り組みが必要。
国には現場感覚を持って対応してもらい、復興の要となる福島復興再生特別措置法の
成立に期待したい。
原子力災害を風化させず、国民と政府関係者に(問題意識を)共有してもらうため、
もっと県から情報を発信し、現地に来てもらうことも大事だと思っている。
==============
◇できる範囲で支援継続を--宮城県知事・村井嘉浩氏
--1年を振り返って最も苦労したことは何ですか。
震災直後の2、3週間。情報が入らない、道路が寸断されている、
燃料が入らない、水も食べ物もない、誰が何を求めているかも分からない。
本当に不安で眠れなかった。そんな状況で最も恐れたのは略奪暴動。
ところが、被災者の方々は皆、一つのおにぎりを分け合って食べてくれた。
世界に配信されるような大がかりな犯罪はなかった。東北の人たちはすごいなと思う。
--それから1年がたち、街作りが本格化しています。最大の課題は。
人手、資材、機材の不足だ。確保されれば街作りは一気に進むと思う。
街作りは雇用の問題と連動する。震災で失職した約11万人のうち、
約5万人はまだ職に就いていない。その多くが水産加工会社や市場、商店で働いていた。
そういった人たちが元の職に戻るには、街作りを進めないと。
漁業者が水産物を取っても、出口となる市場、加工場がなければ漁業全体が動き出せない。
--政府の政策、財政支援についての考えを聞かせてください。
街作りの財源、特区など、よくここまでやってくれたと思う。
ただ、国のずうたいがでかいから対応が遅かった。
それは政治家、官僚の怠慢ではなく、国のシステム自体に問題があると思う。
道州制を導入し、国のずうたいを日ごろから小さくしないと、
大災害の際の国の対応はどうしても遅れるのではないか。
--東京電力福島第1原発事故の影響が県内にも広がっています。政府に求めることは。
原発の問題は自治体レベルでは解決できない。
国が責任を持って汚染された廃棄物の処理基準や、
対策の方針を示し、財源を確保してくれないと。
--社会に最も訴えたいことは何でしょうか。
震災の記憶を風化させず、東北が復興するまで見守っていただきたい。
東北の物を買ったり東北に旅行に行くなど、できる範囲でもいいから支援を継続してほしい。
皆さんがそういう意識をちょっと持つだけで、大分違うと思う。
今現在の被災地の状況を知ることから考えること。
宮城・福島・岩手県の知事インタビューを拝読して
ブログ記事に収めておこうと思いました。
知事への質問・回答の中から5つを抜粋して掲載。
2012年3月8日の毎日jpより
-----------------------------------------------
「東日本大震災1年:被災地首長アンケート 被災3県知事インタビュー」
◇がれきの処理、受け入れて--岩手県知事・達増拓也氏


自分自身の復興計画を作る必要がある。
県としても、県民がビジョンを持って動くことができる状況を
作っていかなければならない。


民間賃貸住宅の建築支援もやっていく。
公営住宅は県全体で4000~5000戸建設する方針で、
できる所からどんどん作っていく。
すでに釜石市と大槌町では設計の入札を済ませた。
住宅再建には、国の支援金制度に県として100万円を上乗せする。


遅れている分野もあるが、仮設住宅の建設など多くの分野で
国の決定に先んじて事業を進め、全体としてはかなりのペースで
応急復旧を進めることができた。
県の復興計画を早期(11年8月)にまとめることができたのが大きかった。
象徴的なのは、昨年中に(沿岸を縦断する)復興道路の整備や三陸鉄道の復旧について
具体的にスタートできたことだ。


自治体側とすれば、それぞれの復興計画に対応した各省庁の
事業計画や工程表があるだけだ。
復興構想会議を引き継ぐような復興推進委員会ができて、
私もメンバーになっているが、その議論なども生かしながら、
オールジャパンとしての復興ビジョンの中で、
国としてやるべきことを主体的に考えていかなければならない。


県も手探りでやっているが、住民の安全や健康を
守らなければならないのは同じなので、きちんとした体制を構築している。
岩手では県内においてきちんと放射性物質を測定し、
危険ながれきの処理をお願いすることは絶対ないようにするので、
ぜひ受け入れをお願いしたい。
==============
◇原子力災害、風化させないで--福島県知事・佐藤雄平氏


一日も早く帰還できるよう取り組んでいかなければならない。
今年は「復興元年」と位置づけ、昨年12月に福島県復興計画を作った。
美しい福島を取り戻したいと思っているが、上京するたびに、
原発災害(への意識)が希薄になっている感じがする。
国民や世界の人々が原発事故を共有し、風化させないようにしてほしい。


集積しなければいけない。
その一つが再生可能エネルギー。水力、風力、太陽光、バイオマス、
それぞれに適した地域資源を生かし、最先端の地にしたい。


日本一安心して子を産み育てられる県を目指し、
18歳以下の医療費無料化に県独自に取り組む。


空間線量や農林水産物の放射線の情報をしっかり発信していく。
コメは全袋検査を実施し、田植えから収穫まで生産管理もしっかり進め、
生産履歴情報を消費者に分かりやすく提供する。
全力を尽くし、安全なものだけを消費者に届ける。


国には現場感覚を持って対応してもらい、復興の要となる福島復興再生特別措置法の
成立に期待したい。
原子力災害を風化させず、国民と政府関係者に(問題意識を)共有してもらうため、
もっと県から情報を発信し、現地に来てもらうことも大事だと思っている。
==============
◇できる範囲で支援継続を--宮城県知事・村井嘉浩氏


燃料が入らない、水も食べ物もない、誰が何を求めているかも分からない。
本当に不安で眠れなかった。そんな状況で最も恐れたのは略奪暴動。
ところが、被災者の方々は皆、一つのおにぎりを分け合って食べてくれた。
世界に配信されるような大がかりな犯罪はなかった。東北の人たちはすごいなと思う。


街作りは雇用の問題と連動する。震災で失職した約11万人のうち、
約5万人はまだ職に就いていない。その多くが水産加工会社や市場、商店で働いていた。
そういった人たちが元の職に戻るには、街作りを進めないと。
漁業者が水産物を取っても、出口となる市場、加工場がなければ漁業全体が動き出せない。


ただ、国のずうたいがでかいから対応が遅かった。
それは政治家、官僚の怠慢ではなく、国のシステム自体に問題があると思う。
道州制を導入し、国のずうたいを日ごろから小さくしないと、
大災害の際の国の対応はどうしても遅れるのではないか。


国が責任を持って汚染された廃棄物の処理基準や、
対策の方針を示し、財源を確保してくれないと。


東北の物を買ったり東北に旅行に行くなど、できる範囲でもいいから支援を継続してほしい。
皆さんがそういう意識をちょっと持つだけで、大分違うと思う。