一日の過ごし方と季節の変化への対応を見ていきます。一生のパタ―ンも見ます。
アーユルヴェーダ医学では一日の過ごし方と季節への対応のアドバイスをしております。
アーユルヴェーダとは、「生命の科学」という意味を持ちます。 病気を見る西洋医学に対し、アーユルヴェーダは 病気になりにくい心身を作ること、病気を予防し、健康を維持するという「予防医学」です。
季節による1日の過ごし方、食べ物、運動、人との関係など、生き方そのものを教えてくれる哲学でもあり、ヨガ、占星術なども含まれます。 例えば人が病気になったとき 単に投薬や手術などの対症療法で治療するのではなく、「生き方」そのものを見つめ直すことで、病気のもとを断つという考え方、ここでいう「生き方」とは、食事・運動、睡眠などの生活習慣全般と、人間関係や考え方などの精神面も含まれます。
仏教では宇宙は五大元素で出来ていると説明します。
五大とは、宇宙を構成しているとする地(ち)・水(すい)・火(か)・風(ふう)・空(くう)の五つの要素のこと。
これをインドのアーユルヴェーダ医学では人の体質性格特徴を五大元素の配分具合で説明します。「体質」、あるいは「生命エネルギー」のことをドーシャと言います、 私たちの体の中には「風」「火」「土」に象徴される3つのドーシャ「ヴァータ」 は空と風「ピッタ」は火と水「カパ」は水と土が働いていると考えます。ドーシャは正常な状態では生命を維持し健康を守るエネルギーであるが、増大・増悪すると病気を引き起こす。
一般にヴァータの増大・増悪は呼吸器系疾患、精神・神経疾患、循環器障害を、ピッタの増大・増悪は消化器系疾患、肝・胆・膵疾患、皮膚病を、カパの増大・増悪は気管支疾患、糖尿病や肥満、関節炎、アレルギー症状を引き起こすと考えられている。
3つのドーシャ「ヴァータ」 「ピッタ」「カパ」の特徴像
「ヴァータ」タイプ
身体的特徴は
細身彫りが浅い低いスタミナ寒さに弱い
精神的特徴は
明るい覚えやすく忘れやすい不安心配が多い
行動面の特徴
素早い動作歩くのが早い不眠傾向
「ピッタ」タイプ
身体的特徴は
中肉中背赤ら顔強い空腹感暑さに弱い
精神的特徴は
鋭い知力短気で怒りっぽいチャレンジ精神
行動面の特徴
正確な行動闘争攻撃傾向食事を抜かせない話し上手
「カパ」タイプ
身体的特徴は
大柄太め彫りが深い優れた体力ゆっくりな消化
精神的特徴は
深い愛情穏やかな気質執着する傾向
行動面の特徴
ゆっくりした動作歩くのが遅い過眠傾向
ドーシャは、サンスクリット語で「不純なもの、増えやすいもの、体液、病素、病気の発生に基本的なレベルで関係する要素、病気を引き起こす最も根本的な原因などを意味し、体液もしくは生体エネルギーを指す。
ドーシャは1日のなかで、6時から4時間ごとにカパ→ピッタ→ヴァータの順で変化のサイクルがある。一日24時間を3つのドーシャ「ヴァータV」 「ピッタP」「カパK」VPKで分ける、0600~1000K、1000~1400P、1400~1800V、1800~2200K、2200~0200P、0200~0600V。
季節ですが気候が暑いのが苦手逆に暑いのが好きまた寒いのは大丈夫逆にだめ、最近は暑いのも寒いのもだめな人が増えてますが(笑)。
季節の過ごし方は1年のなかでも3月~5月はカパが増悪、梅雨6月はヴァータが増悪、7月~10月はピッタが増大、11月~2月はヴァータが増大する。
一生はカパは若年期(0 - 30歳)に、ピッタは壮年期(30 - 60歳)に、ヴァータ(60歳以上)は老年期に増えやすい。その人の体質上偏っているドーシャが増えやすい時期・時間に、ドーシャのバランスを崩しやすいと考えられる。また、食べ物や日常の行動などでも、ドーシャの量は変化する。
体は一日の動きで変化します、朝適度な時間帯(0600前には起きる)に起きると一日快調に、朝遅く起きると一日中だるい、夜食べ過ぎると夜睡眠の質が悪い。朝食(0900までに)昼食(1000~1400までに)夕食(1900までに)も適切な時間帯に食べると体調が良い。食事は消化に3時間かかりますので食事と食事の間は最低これだけ空ける、また食事後3時間は寝るまでに空ける。
食事の前は心穏やかに落ち着いて食べてる、食べ終わったら5分位その場でゆっくりしている。新鮮な食品で消化に良い食物を出来たてのうちに腹八文目食べましょう。夕食は早めの時間帯に摂り、22時までに寝る。
あくまでも理想ですので出来ることからやっていき上記に段々なっていきたいです。
前回述べました食事の味のとりかた体質により六種類の味のバランスが必要なことをアドバイスをいたしました。
基本的な味の要素甘味、苦味、酸味、塩味、渋味、辛味の六種類がありますが、この味のバランスにより体質管理をします。
治療には大きく2つがあり、1つは食事、薬、調気法や行動の改善でドーシャのバランスを整える緩和療法(鎮静療法)、もう1つは増大・増悪したドーシャ(体液)やアーマ(未消化物)、マラ(老廃物)などの病因要素を排泄する減弱療法(排出療法, 浄化療法)である。減弱療法では、パンチャカルマ(5つの代表的な治療法、2種類の浣腸・油剤・下剤・吐剤)と呼ばれる治療法がよく知られている。根源的・霊的な面の治療として、ジョーティシュ(インド占星術)やマントラ(その人に合う音として使う言葉)、宝石を使った治療がある。
食事が健康な体作りのベースになります。
アーユルヴェーダでは、食事内容(食材)体を作るため、食材や調理方法、食べ方なども各々のドーシャタイプに合わせたものを取り入れることを奨めています。
ドーシャタイプ別、おすすめの食事内容・食材を見ていきます。
「ドーシャタイプ別」とは、その性質が体内で多くならない(過剰にならない)ように、反対の性質の食材を積極的に取り入れる、という食事法のことです。
「ヴァータ」タイプの食事法
ヴァータ(風と空)タイプの方は、冷性・乾性・動性があります。そのため体を冷やさず、重みのある食事を心がけます。
また動性があることから、食事時間が不規則になりがちです。
そのためヴァータタイプの方に守っていただきたいのは「規則正しい食事時間に、温かい、程よくオイルを含んだ食事をする」ことです。
味の要素は甘味、酸味、塩味のある物を摂る。これ以外はヴァータを過剰に上げてしまいイライラや心配が増え落ち着きが減る、もっと過剰になると上記の疾病を引き起こす。
野菜ならばにんじん大根さつまいもカボチャが良い他は苦味渋味になる。
3つのドーシャ「ヴァータ」 「ピッタ」「カパ」は全ての人にあります、「ヴァータ」が強い人は上記の野菜が「ヴァータ」の過剰を抑える効果があると言うことです。あくまでも3つのドーシャ各人6つの味全て必要です。
「ピッタ」タイプの食事法
ピッタ(火と水)タイプの方は、熱性・微油性・動性があります。そのため適度な冷性のある乳製品を摂ることを奨めます。
味の要素は甘味・苦味・渋味の物を摂る。これ以外は怒りやすく下痢気味にそして過剰に発汗しイライラした行動パターンに、もっと過剰になると上記の疾病を引き起こす。
ピッタタイプの方におすすめは「辛い・熱すぎる食材は避けて、水分の多い野菜や乳製品、大豆製品を摂るようにする」ことです。
「カパ」タイプの食事法
カパ(土と水)タイプの方は、冷性、油性、湿制、重性があります。そのため重く油分を含む食事は避けます。
食後に水分を摂らないようにし、温野菜や香辛料、消化しやすい食材を摂ります。
カパタイプの方におすすめは「香辛料を使った、温かい飲食物を少量摂るようにする」ことです。
味の要素は苦味、辛味、渋味の物を摂る。これ以外の物を摂ると動きが鈍く肥満し気分が落ち込む、そしてもっと過剰になると上記の疾病を引き起こしてしまう。
混合タイプ(「ヴァータ」と「カパ」、「ヴァータ」と「ピッタ」、「カパ」と「ピッタ」等)の場合は、どの性質を共通でもっているのかを意識してその性質と反対の体質になるような食事方法を心がけると良いです。
たとえば「ヴァータ」と「カパ」の共通性質は「冷性」のため、この方は「体を温める食材」を摂ることを奨めます。
一日また季節そして一生は3つのドーシャ「ヴァータ」 「ピッタ」「カパ」が働いていますので自分の該当するところは上記のアドバイス、特に食べる時間帯にまた味のとりかたそして暑さ寒さへの対策また年令から来るド―シャを抑えますと快適に人生を送れます。
詳細はアーユルヴェーダのサイト書籍また
ア―ユルベ―ダ医療を訪ねて下さい。
今日医療費が増大して更に高齢化社会が進む今、アーユルヴェーダは早期に病気の兆候をつかみかつ初期のアンバランスならホットウォ―タ―(白湯)をすすることでこと足ります、そして上記の食事の味の摂り方で健康のバランスが図られます。病気の治療重視の西洋医学に予防重視の東洋医学をもっと活用していくことが早急の課題です。
次回は行動面とオイルマッサ―ジについて見ていきます。