梅雨明けのヒグラシゼミに始まって、夏休みにはミンミンゼミ、そろそろ学校が始まる頃にはツクツクボウシが鳴きだす。
壁にとまったツクツクボウシが盛んに鳴いていたと思ったら、翌日にはコロンと地面に転がっていたりする。
あっけないけれど潔い命の「もう、やるべきことはぜ~んぶすませたよ~。さいなら!」って感じが羨ましい。コロンと天寿を全うがかっこいいと・・。
主人を看取ってひとり残された後の悲しみを癒やしたのは、夫が細い息の下で
「もうええ、もうええ、ありがとう。ありがとう。」
繰り返し、繰り返し言ってくれた言葉だった。感謝を遺すことがどれほど大切な事かを教わった。
生き死にのことは自分ではどうにもならないことなので、果たしてそのように死ねるのかは分からないけれど、クリスチャンなので遺された者に嘆きはないだろう。
しばしの分かれに過ぎないのだから・・。
やがて天の御国で永遠を共にすることが出来るのだから・・。
しかもその時は、私もキリストに似た者と完成されていて、失敗だらけで迷惑をかけることはもう無いだろう・・安心してくれ。
息子よ。
実は買って貰ったコードレスの掃除機を壊してしまった。綺麗にしようと解体して元に戻せなくなったのだ。
「もうええ。もうええ。」はもう少し先になりそうだけれど・・万端よろしく。