月曜日に37年ぶり、聴覚障害のある子の幼稚園児時代を共にした戦友との再会を果たした。
約束の場所に十五分前に無事に到着して、改札口でドキドキしながら・・行きすぎる人を見回して待った。「分かるかな・・少なくとも私が見つけない限り、向こうからは無理だろう・・」私の37年という月日は無残なのだ。
時間ピタリに歩いてくる姿を見つけた!彼女だとすぐに分かり走り寄って、「あ~っ」と声を上げながら体をぶつけて抱き合った。過ぎた年月を一瞬で飛び越え3人揃うとまた若者みたいに抱き合った。
準備された部屋は掘りごたつのある個室で、二席をゆったりと独占させてくださった。料理を運んでくださる方々もとても感じが良く、ゆったりと和食を頂きながら4時間以上も話し続けた。
帰りの喫茶店も貸しきり状態の中でまたまたおしゃべりは尽きない。
私がコーヒーをお代わりしたとき、「そういえば、昔からコーヒー好きだったね」と言われて、私はすっかり忘れていたので「そうだったのか・・」であり、そんなことも覚えられていたことが嬉しかった。
「今、どうしているの。」から始まり、「あの時は・・実はね」なんて少し涙ぐんだり・・、
私は「長男に負い目がある」と心に掛かっていることを話した。完璧であると思っていた二人が「私もそのことは同じ」と言ったので驚いたけれど、「でも、それで彼らはとてもしっかりしているよ。」には皆爆笑。
彼らは、かまってもらうこと無く自立させられてしまったのだけれど、今はすべてが益になって笑うことができる幸せを分け合った。
子供のこと自分のこと夫のこと・・孫のことまで、ほとんど笑い話にされていたけれど、彼らの成功の話は素直に嬉しくて「ほめてあげたい」が満載だったけれど、子らが中年であるということには一様に愕然とした。
しみじみと「本当に良かった、いい歳のとり方をしたね。そのことが一目でわかったよ」と心の底から喜びあったのだった。
一人が「今度は泊りがけで・・」とふっと言って即座に決まりとなった。春になったらまた戻ってくるという約束を交わし「わ~ぁ楽しみだ。今度は温泉にも入って一晩中しゃべろう」ということになった。
「体に気をつけて、必ずまた春に会おうね。」強くハグして何度もなんども手をふって別れた。
帰りの車窓は真っ暗で、降り出した雨粒がガラス窓に筋を描いた。明るい駅に降り立った時、タクシーを横目にして心を沈めるために歩くことにした。
傘をさして少し濡れながら暗い道を行くうちに、少しずつ舞い上がっていた心も落ち着いて地を踏みしめて歩いた。世に生きることにも後ろ向きにならないで・・と、春の会う日を静かに思った。
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ムベ
たにむらこうせつ
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「「電気屋」
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