私が祖父母に引き取られたのは、母を亡くした中学二年生の終わり頃だった。
祖母はまず私に自分の布団作らせた。布と染料を買って来て、絞り染めを教えてくれた。
大仕事だったように覚えているが染め上げて糸を解き、初めて見た絞りの藍と白の大きな花や小さな鹿の子に、とても感動したことを今も覚えて居る。
彼女は、その大きな布を布団に仕立てさせ、綿を入れて綴じることまですべてを私にさせた。手を貸してはくれたけれど・・。
私は藍色のその布団に眠むるとき、小さな自信のようなものを感じていた。それはどれほどにか・・慰めであったと思う。
祖母は、体を動かして生きるという力をを与えようとしたのだろう。それは楽しいことだ自信を持って生きよと。
彼女は、そう長くは面倒を見られないことを、感じてのことだったのだろうと思う。私が中学校を卒業するなり亡くなったから・・。
病がちの祖母には、教えることはしんどかっただろうと今は察することができる。
結婚して私は家族の布団は小まめに作り直した。綿を打ち直し洗濯をして作り替え、また着物を解いて布団に仕立てることもあった。
綿の入れ方だけは、打ち直し綿を持って来てくださった布団屋さんに直接習った。それからはぐんと美しく仕立てることができるようになった。
今では羽毛になり、敷き布団も家で作り直すこともない物になった。
それでも、時々祖母に教えられた青い布団が懐かしくなる。世界で一つの私の布団が・・
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