取り敢えず沢までは降りた…が
増水していて足場となる岩の露出が少ないためこれはこれで危険だ。
仮に沢下りをして例のポイントをやり過ごしたとしても、その先の登山道へ復帰できそうな斜面があるかどうかという問題にぶち当たった。
沢に落ちれば身体はずぶ濡れになり体温低下によるパフォーマンス低下は必須。
濡れた岩に足を滑らせ転倒・落下による負傷もあるため沢下りの案は辞める事になった。
相棒はどうするか悩んでいた。
沢下りの案が駄目となった今、残されたルートは例のポイントをクリアするしかない。
そこでタープを張るために使っているパラシュートコードを斜面に生えている木に縛り、それで身体のバランスを保ちつつ、足場が崩れて落ちそうになった時の僅かながらの保険にする事でこの危険なポイントをトライする事になった。
手持ちのパラシュートコードの耐荷重は150kg、とは言えクライミング用のザイルとは目的が違うため非常に心細い。
しかし今、我々の命を繋いでくれるのは紛れもなくこの厚さ4mmのパラシュートコード。
6mを二本縛り合わせ、約12mにする。
それをしっかりと生えている木に縛り付け、その木にダイレクトにテンションが掛からないようにもう一本生えている木にも巻きつける。
準備は出来た………… 、、、続く。