友人から、「お連れの都合が悪くなったからいかない?」とお誘いがあった。
すぐOKの返事。なにしろ顔見世である。お誘いがあってからワクワクして数日を過ごした。
出し物は 熊谷陣屋 仁左衛門の直実、秀太郎の藤の方
舞踊 藤十郎の汐汲
四千両小判梅葉
私は汐汲みを一度見てみたい、と思っている節があって楽しみだった。衣装が華やかで
早変わりもある、と聞いていた。それもあるが幼いころ住んでいた家ではお正月に1尺位も
ある押し絵の羽子板がお座敷の鴨居に2~3本、飾られた。あとの押し絵は覚えていないが
汐汲みの名とともに絵柄も子どもなりの記憶だが残っている。その羽子板も戦火に焼かれ
てしまった。心の片隅にそんな事が残っていたのである。
お芝居を見る、ということはデパ地下のお弁当であっても華やぎがあって家に帰っても
ちょっとハイな気持ちが残って寝付くのに時間がかかってしまった。
これからも 周りに「ひまじん」を宣伝しておこう。何かいいことが転がり込んでくる。