長寿番組「笑っていいとも」は、長らく当たり前のように昼に「あった」。
それが春の番組改編で終わってしまった。
初期の頃はこの番組はブレイクし、その頃私はいつも楽しみに見ていた。
流行り言葉もいくつも生んだ。「いいとも」をはじめ、「世界に広げよう、友達の輪」なども。
その後、一大ブレイクの時期が過ぎ、定着し、落ち着いてきてからは、私は初期の頃のような熱中は薄れたけど、それでも安定して「好き」ではあり続けた。
晩年は、見ていて最高に面白い・・という感じでは見てなかったが、「いいとも」を見ると「昼」という感じがした。
そう、昼間のテレビで「いいとも」が放送されてると、安心感があったし、昼にはあるのが「当たり前」のようになっていた。
でも、それがなくなってしまうと、やはり寂しいものがある。
「いいとも」のある昼が長かったぶん、今後は「いいとものない」昼を自分のサイクルの中に新たに作っていかねばならない。
長寿番組・・・・少なくても自分が見ていた長寿番組には、「存在して当たり前」のような感覚がある。
たとえば「笑点」がそうであるように。
「存在して当たり前」のようなものが無くなってしまうと、その存在がいかに自分の生活サイクルの中に組み込まれていたか・・を実感させられる。そして、その存在の大きさを改めて実感もし、喪失感も感じる。
たとえ、昔ほど熱中してはいなかったにしても。
熱中というものは、勢いを伴うものだし、ともすれば一過性のもので終わってしまいがち。
だが、それを通り越して「定着」してしまうと、その存在はもう自分の生活のサイクルの一環なのだ。
だから、「いいとも」が終わってしまって、自分の生活サイクルの一部が損なわれたような気分で、ちょっと寂しい。
正直、昼の時間帯、「いいとも」を見ない日もそれなりにあった。
だが、チャンネルを変えれば、そこにタモリさんがいるのが分かっていた。
実際チャンネルを8に変えれば、そこにタモリさんはいた。それが昼というものだった。
だが、終わってしまった今、昼、どのチャンネルにしても、そこにタモリさんはいない。
そう考えると、どうもまだ慣れない。タモリさんがどこにもいない昼に。
「いいとも」にはアンチの人もいたかもしれないが、好き嫌いはともかく、「いいとも」という番組の存在感はやはりモンスター級だったと思う。
初期の「いいとも」でのタモリさんは、多分に「夜の匂い」がした(笑)。マニアックで癖のあるキャラが、容姿にも現れていた。特に「もみあげ」(笑)。まるで夜の怪しいクラブやバーから昼間の世界にやってきたようだった。そう、夜の住人が昼の世界に現れたようだった。
それが、「いいとも」が続くうちに、タモリさんの見た目のアクはとれていき、中身の一流芸人の才能はそのままに、オーラが昼むきに変化していったように思う。
癖がありながらも、その癖を相手によって自在に使いこなしていっていた。
それも、無理なく、淡々と、さらりとこなしていた。アピールのためにオーバーになる・・ということはなかった。
そのへん、スマートだった。
「いいとも」でタモリさんは幅広い世代から人気を得た。
今後、再びマニアックで癖の強いキャラに戻っていくのだろうか。たとえ癖が強くアクも強いキャラになっていったとしても、「いいとも」で勝ちえた幅広いファンからの支持は、タモリさんの今後をさらに楽しみにさせてくれそうな気がする。
「ボキャブラ天国」みたいな番組、またやってくれないかなあ。
「空耳アワー」の特番でもいいなあ。
そして、たまには、爬虫類などの独自のモノマネなんかも。
ともかく、今後のタモリさんを楽しみにしています。
趣味人なみうらじゅんさんとのコンビも見てみたいかなあ。きっと、濃いトークになるだろうなあ。