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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

ドゥ・アイ・ラブ・ユー  by  ザ・ロネッツ

2016年06月11日 | 音楽全般

 「DO I LOVE YOU」 by The Ronettes.

「ドゥ・アイ・ラブ・ユー」、ロネッツの曲。

 

ロネッツは1960年代に、フィル・スペクターのプロデュースによって大活躍したグループだ。

一般的には、ロネッツと言えば、一番有名なヒット曲は「ビー・マイ・ベイビー」であろう。

そういえば、ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンはフィル・スペクターから大きな影響を受けたとよく語っているが、ブライアンが特にお気に入りだった曲が「ビー・マイ・ベイビー」であったことは、ファンにはよく知られている話。

私も「ビー・マイ・ベイビー」は好きだ。メロディラインもさることながら、そのリズムパターンも、サウンドも。

だが、ロネッツの曲で、私が「ビー・マイ・ベイビー」に勝るとも劣らないぐらい好きな曲が、「ドゥ・アイ・ラブ・ユー」だ。

この曲には大きな思い出が私にはある。

 

20代の頃にポップスバンドを組んだ時、とりあえずバンドをまとめるために、一番最初にレパートリーにしたのが、この曲だった。

そのバンドはやがてオリジナル曲中心のバンドになっていったのだが、メンバーの中には初対面の人もいたので、バンド組み始めの頃は、とりあえずカバーをやろうということになった。

で、方向性的に、この曲を選んだというわけだ。

 

そのポップスバンドはさほどライブの数は多くなかったが、それでも最初の頃のライブでは、「ドゥ・アイ・ラブ・ユー」はライブのオープニング曲に選んでいた。

ライブで何度披露したかはもう覚えていないが、特に六本木の某店で演奏した時のことは忘れられない。

その日のライブは、そのバンドの初代ドラマーが音楽をやめてアメリカに単身渡るための送別会でもあったから。

 

ロネッツは女性ボーカルグループ。

ウィキペディアによれば・・、

「リードシンガーのヴェロニカ・ベネット(別名ロニー・スペクター)が「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第69位にランクインしている」というから、大物グループであるといえる。

 

グループ結成は、ロニーが実姉であるエステル・ベネットと、年下のいとこネドラ・タリーを誘って結成された。

ロニーはやがてフィル・スペクターと結婚することになるが、結婚数年後には離婚してしまう。

フィル・スペクターが「ロックの殿堂」の理事会員だったものだから、ロネッツは長年「ロックの殿堂」入りの有力候補だったにもかかわらず、殿堂入りできなかったようだ。

フィルの妨害にあって。

ところが、そのフィル・スペクターが2007年に殺人事件で起訴されて保釈されてる隙をつくかのように(?)、ロネッツはめでたく「ロックの殿堂」入りを果たしたとのこと。

 

そのへんのいきさつ・・・なんだかなあ(笑)。

 

フィル・スペクターは音楽プロデューサーとしては超大物。

前述のブライアン・ウィルソンをはじめ、ジョン・レノンやジョージ・ハリスンからもリスペクトされてたし(実際に一緒に仕事もしていた)、日本でも、あの大瀧詠一がフィルから多大な影響を受けてるのは有名。

フィルの作るサウンドは、「ウォール・オブ・サウンド」と異名をとり、大瀧さんの「ナイアガラサウンド」は「ウォールオブサウンド」にインスパイアされて完成されたものであるのは、聴き比べればおわかりいただけると思う。

そう、大瀧さんの「ナイアガラサウンド」の大元はフィルの「ウォールオブサウンド」なのだ。

 

そんなフィル・スペクターの、ロネッツの「ロックの殿堂」入り妨害の話を耳にすると、ポップスファンとしては、少々複雑ではある。

 

とはいえ、彼のプロデュースによるロネッツの一連のヒット曲は、すごく魅力あることには変わりない。

おしゃれで、キュートで、親しみやすくて。

フィル節のサウンドは実にドリーミー。

 

そう、楽曲そのものは非常に魅力あるのだが、これをアマチュアバンドがカバーするとなると、ハードルが高い。

というのは、フィルのプロデュースによる「ウォールオブサウンド」は、構成人員の少ないバンドでは物足りないからだ。

あの分厚いサウンドは、せいぜい数人のメンバーによるバンドでは・・。

私がバンドでカバーした時も、そのサウンドはスカスカで、どうも物足りなかった。

まあ、あのオリジナルの分厚いサウンドが頭にあったから、どうしてもね・・(笑)。

いったんフィルのアレンジから離れて、別の解釈でアレンジしないと、・・・とは、思ったものだった。

 

 

さまざまなジャンルに流行というものがあるし、それは音楽でも同じ。

だが、ウォールオブサウンドというサウンドは、流行の推移による「古さ」を感じさせない。それほど独自の世界を持っていると思う。

古さとか新しさとは別枠の。

 日本では、例えば前述の大瀧さんのサウンドがそうであるように。

 

仮に録音状態による「古さ」みたいなものは感じたとしても、サウンドスタイル自体は「古い」とか「新しい」とかの基準では捉えられないと私は思っている。

 

それでいて、ロネッツの音楽には、古き良きアメリカの空気もしっかりあって。

 

やはり今聴いても・・・

おしゃれで、キュートで、魅力的。

 キャッチーなイントロ。

ビーマイベイビーに比べたら、軽く気軽なマラソン(?)で進んでいるようなテンポも好き。かといって、疾走感というほどでもなく、おだやかな進み方・・という感じかな。

 

中間部の展開部のメロディが少し弱いせいなのか、ロネッツの曲としては「ビーマイベイビー」の陰に隠れている感はあるが、どうしてどうして。この曲もロネッツの名曲だと私は思っている。

 

 ともあれ・・

「DO I LOVE YOU」 by The Ronettes.

 

この曲を聴くと・・・

自分が20代の頃に組んだポップスバンドの黎明期を思い出し、ちょっと切なくもなる。

 

 https://www.youtube.com/watch?v=TemuLquhDp8

 


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