時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

東映映画の冒頭にある、波が打ち寄せる岩場

2020年11月25日 | レビュー(テレビ、ゲーム、本、映画、その他)

東映映画を見ていると、映画の冒頭に、波が打ち寄せる岩場の映像が流れる。

私はそれを見るたびに、この海は、どこの海なのだろう・・・と思っていた。

 

イメージでは、波が荒くて、どこか寒々とした印象があったので、その海は日本海かと思っていた。

具体的には北陸か、あるいは新潟あたりかと思っていた。そう思ったのには何の根拠もない。ただ漠然と、あの寒々とした印象からそう思っていただけだった。

 

先日、あの海はどこの海なのか知りたいと思い、検索して調べてみた。

 

すると・・・

あの海は日本海ではなかったことが分かった。

 

ではどこの海かというと・・

 

犬吠埼灯台近くの「君ケ浜」という場所らしい。

千葉県の銚子市にあるようだ。

 

ちょっと意外だった。

思ったより東京からは近い海だった。

 

雰囲気からいって、東京からかなり遠い海のような気がしていたから。

 

その映像には、なにやら重々しさもあり、それが映画を格調高く演出していたようにも見えた。映画が始まる前に、あの映像が流れることによって。

 

あの映像は「荒磯に波」と呼ばれるものだそうだ。

ネットで調べてみたところ、

「昭和三十年に公開された映画・・血鑓富士(ちやりふじ)に初登場。
後、二年ほどして、旗本退屈男の冒頭に使用され、以降完全なシンボルマークとして定着。」

と説明されているのを見つけた(ヤフー知恵袋)。

 

今実際に君ケ浜に行って、古い東映映画の冒頭に出てきた岩が、海にそのまま残っているのかどうかは分からない。

あったとしても、波風の浸食などで形は変わっていたりしてもおかしくない。

 

場所がはっきりしてるなら、現在の姿を見るために一度行ってみるのもいいが、ただ、それだけのために、その場所に行くのも・・・旅先選びをする時の「動機」としては、個人的には少し弱い・・。

 

なぜ、この映像が使われるようになったのか。それもネットで調べてみたところ・・

 

「岩は3社(東京映画配給・東横映画・太泉映画)を表し、波は「力強く押し寄せる文化」を表し、3社が一つになって波に負けない姿を象徴したものです。」

という説明を見つけた。

なるほど、ちゃんと意味あいはあったんだね。

 

あのオープニング映像、雰囲気的に「風雲急を告げる時代劇」みたいな作品には、ぴったりな感じはする。

胸騒ぎがするような映像でもあるし、迫力もある。

 

使ってみたところ、すごく雰囲気が良いので、そのまま使われるようになった・・・そんな感じではないだろうか。

 

 

君が浜という場所には私は行ったことがない。現地では、この映像の現地であることを、売りにしたりしてるのだろうか。

 

もしもこの波の現地に行ったら、心もち・・私の脳裏には、イメージ的に古い時代劇のような映像が浮かんでくるかもしれない。

 

あの映像は、東映のシンボルのようにも見えるし、東映というと、特に古い作品の中には時代劇のイメージが強いから。

 

 

ちなみに、東映映画の冒頭のロゴ映像が「荒磯に波」なら、松竹映画の冒頭のロゴ映像は富士山だ。

東宝の映画の冒頭のロゴ映像は「東宝」の文字の入った透明メダル(?)のようなもののバックに光線らしきものが入るもの。

 

松竹の冒頭ロゴ映像は、個人的に「めでたい」イメージがある。松竹映画の代表的な作品といえば「男はつらいよ」があるが、寅さん映画は昔、盆と正月に公開されていた。

個人的に、正月に寅さん映画を映画館やテレビで見た時のイメージが強いのかもしれない。

正月はめでたい時期・・そんなイメージもあるから。

それに、富士山は、初夢で見ると縁起がいいとも言われているし。

そのへんが、松竹映画の冒頭ロゴの富士山から私が受けた印象に影響したのだと思う。

 

なんにせよ、「めでたい」イメージなら悪くないよね。

 

 

東宝の冒頭ロゴは、正統派という感じがした。

それだけにイメージが固定されないメリットがある気はする。

何にでも合う・・・そういう感じ。

 

 

映画の冒頭のロゴ映像はどの会社も個性がある。それらのロゴ映像を見くらべるだけでも、けっこう楽しい。海外の映画会社の冒頭ロゴ映像も含めて。

 

東映や松竹の冒頭ロゴ映像は、どちらも日本的な気がする。

 

ともあれ・・

 

東映映画の冒頭ロゴの「荒磯に波」の現地、いつか絶好の機会があれば、行ってみたいとは思う。

この目で、生の景色を見ておきたい。

 

 

 

 


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (鮎川愛)
2020-11-26 03:21:28
千葉県在住している私にとっても意外な場所でした。

銚子は、何度か家族旅行していますけれど、「東映ロゴマークの現地です」など、全く見たことありませんからね。

尤も、だんぞうさんがおっしゃる通り、件の岩は、既に絶えぬ荒波で原型を留めていないでしょう。

その為、「東映ロゴマークの現地」など看板も不要に…。

尚、私も「東映」冒頭場面を観る度に、「任侠映画」「軍人映画」を思い浮かべます。

内容も知らないのに、「今日これから始まる映画も怖そう…」なんて勝手に思ったり…(笑)
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Unknown (だんぞう)
2020-11-26 10:41:49
意外でしょう?
そう、実は銚子でした。
私はてっきり日本海だと思ってましたから。

犬吠埼灯台には何回か行ったことがありますが、このことを知ってたら、犬吠埼に行った時についでに足をのばしたと思います。

まあ、岩の形は、今は少し変化しているでしょうけど。

現地は、このことを宣伝材料に使っていないのかなあ。
村おこし、町おこしの1要素としては使えないのかな・・。
なんか、もったいない気もします。
映画が好きな方なら、一度は見たことがある風景だと思うので。

あの荒波は、まさに風雲急を告げる・・・そんな雰囲気がありますよね。
返信する
東映のオープニングシーン  (もののはじめのiina)
2021-11-04 10:30:07
馴染みすぎると当然のことと思うだけですょね。
お馴染みの東映のオープニングシーンを遅ればせながらWEB検索して、場所を知りました。

それも、犬吠埼灯台近くの「君ケ浜」でしたか。

犬吠埼では撮ってませんが、江の島で富士山にかぶる荒浪つまりは葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」のようなシーンを撮り上げました。
https://blog.goo.ne.jp/iinna/e/7b186ece944cf52d29d04c2a8b72733d
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Unknown (だんぞう)
2021-11-04 11:13:36
はじめまして。
時間の外にようこそ。

東映のオープニングシーンの荒波は、子供の頃から見てきており、絶えず印象に残っていました。
あの荒波のシーンは、単なる日常の海の様子の一瞬を切り取っただけなのかもしれませんが、ああやって映画のオープニングに使われると、印象的ですよね。

私は犬吠埼には2~3回行ったことがありますが、その頃は東映のあのシーンが犬吠埼のすぐ近くだとは知らなくて。
今考えると、もったいないことをしたと思います。
そのことを知ってれば、犬吠埼に旅行した時に、あの場面の現場を見に行ったのに・・・。
今もし犬吠埼に行くようなことがあれば、あの荒波の現場にはぜひ行ってみたいと思います。

リンク先の映像、見させていただきました。
北斎のようなシーンを撮ろうとした気持ちが、よく伝わってきました。
波が岩にぶつかって大きなしぶきとなって空中に広がるシーンは、北斎のあのシーンにイメージが繋がりました。
見事です。
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