スーパーから出ようとしたら人だかりがしていた
ガヤガヤ がやがや ガヤガヤ・・
切れ切れの話し声を繋ぎ合わせると、
どうやら、1000円以上買い上げた人に 5分後に抽選があるらしい
私 「ふ~ん 抽選? どうせ当たらないし・・」
A 「空くじが無いんですってよ」
ん? そんじゃ やってみよっかな なんて思って、列の最後尾について並んだ
人ごみ がやがや ガヤガヤ・・・
B 「BOXティッシュに ウインナに 箱入りのソーセージもある」
C 「砂糖も オードブルのセットも 鮨折もある あれが当たったらお昼に食べよっと」
D 「もやしはいらないな 洗剤ならいいかな
サバ1匹っていうのもね~サバけない アハハ シャレだよ」
E 「ねぇ 見て 冷凍のカニの大袋、あれが特等かもね」
F 「あの新玉ねぎの大袋 何十㌔もありそう 持って帰れないね 当たると困る アハハ」
ガヤガヤ ・・ ガヤガヤ・・・
と、みんな思い思いのコトを言っている そんな明るい声が聞きながら待つのも楽しい
抽選が始まった
先頭の人から三角くじを引いている
賞品を手にして、三々五々帰って行く
あれだけ騒いでいた人達が静かになった
G 「みんながナニを当てるか興味があるね 」誰かが言うと
H 「そうだね~ 気になるね」 と、 誰かが答える
そうか、それで静かになったんだ・・・
私の番が近づいた
前の人が“もやし”を受け取っていた
I 「もやしが続いてるね 今度ももやしかな 」
え・・・私のこと?・・・私・・もやしかも 軽くていいけど・・
私の番が来た
丸い穴を開けた、軽そうな四角の段ボールが ひょいと目の前につきだされる
反射的に手を伸ばし、手を入れる
三角くじの角が チクチク手に当たる
なんでもいいや
でもちょっとだけ選んで 丸い穴から手をひきだす・・ 「コレ・・」
スーパーの男の人が受け取って ハサミを入れる
「おっ おぉ~ おおおお~ 特等です」
鐘を鳴らしながら
「特等です
特等 が出ました
おめでとうございます
特等 です~」 ガラン ガラン ガラガラガラガラガラ~ン
「えっ 私? 私が当たっちゃったの?」
パチパチパチ みんなの拍手が沸き起こった
おめでとう~ の声も聞こえる
店員さんが、かがんで賞品を出してくる 重そうだ なんだろ?
大きなスイカだった
それを袋に入れて
「おめでとうございます 落とさないで持って帰って下さいね お気を付けて」
「ありがとうございます」
みんなの拍手の中を重たい袋を持って、列の脇を帰ってく ちょっと照れくさい
J 「それ 3000円はするね いや、もっとかな?」
品定めまでしていただいた アハハ
家まで持って帰ったけど、 重たいのなんのって
でもきっと ニコニコ顔をしていたと思う アハハ