8月4日、夫との3回目の面会の日でした。
この頃、コロナの感染が広がり、私の住むところでも、毎日感染者が出ています。
面会の時間の前に、施設の方から、今回で、直接の面会は中止にします。これからは、オンライン面会になります。今までは、握手はしてもよかったのですが、今日は、握手も禁止、近くに寄ってはいけないといわれました。面会時間も10分間です。
夫は、面会室に来た時、結構機嫌よく、私の話に笑ったりもしました。
今までの主治医に会ったとき、その先生は母の主治医でもあるので、母の診察の時に夫のことを聞かれました。
私が元気にしていますというと、どんなふうに元気なのかと聞かれました。それで、手の話をしたのです。私の手をはなして、妹に握手しようとしたこと、次の時は、私の手をかんだこと。それを聞いて、先生が笑われました。その話を夫に話したとき、ちょっと笑ったように見えました。
そして、パジャマを買ったこと、夫が髪をカットしてもらっていたので、それが気に入っているかどうかを聞き、夫の写真を撮ったりしているうちに、だんだん夫が不機嫌になっていきました。
10分間の面会のうち、半分くらいは、目をつむって口をききませんでした。話を聞いているのは、うなずいたり、否定したりするのでわかりましたが、目を開けません。何か怒っているようです。
最後のころは、手を足にとんとんと当てているので、妹が、お兄さんその手はなに?と聞いたのですが、何も言いません。
たった10分の面会はすぐに終わり、何を怒っているのかわからないままに、家に帰りました。
そのあと、母と妹と話しているうちに、きっと、夫は、近くに寄ってはならないとか、手を握ってはならないとか、を聞いていないのだと思いました。施設の人から聞いているとばかり思っていたので、私たちもそういうことは話しませんでした。
それで、手を握らなかったことに怒っていたのでしょう。最後のころは、動く方の手を自分の足にとんとんと叩いていたのだと思います。妹が、その手はなに? と聞いた時に、気が付かなかったので、説明をしませんでした。
後で気が付いて、ああ説明すればよかったと悔やまれました。手を握ってほしかったのだろうと思います。以前の主治医の先生を、夫は好きでしたから、先生が笑ったという話にも、ちょっと気持ちが動かされていたのだろうと思います。
この次の面会は、オンラインになりますから、当分は、手を握ることもできません。夫の寂しい気持ちを思うと、私もとても辛いです。
早くいつでも好きな時に会えるようになることを、希望しています。