その人のお名前は「板垣 熙」さんと言いまして、現在は有限会社エフ・アンド・アイとして営業活動をしておられますが、最初にお聞きしたことが二十数年に亘る活動の中で、私たちの身体の細胞を形成する要素として欠かすことのできない重要な要素はきれいな水ともうひとつ必須不飽和脂肪酸が欠かすことのできないものであるという結論に達したというお話しでした。
私としましては水道水の塩素が良くないものだという認識を持っていましたし、浴槽のお湯の塩素中和剤「湯まいるど」を販売していることもありますので、水道水の塩素の害についての詳しい説明や逆浸透膜方式浄水器の解説に興味津々、数時間があっという間に過ぎてしまったのであります。
板垣さんのご厚意により、お書きになっています「塩素の害について」(平成10年著)と「知られざる浄水器の実態・これが浄水器だ」(平成12年著)を私流にアレンジしてもよし、少しでも多くの方々に知っていただこうということになった次第です。
1「序章」
「死の水道」、「今日本が汚染されている」、「水汚染の構造」、水は救えるか」、「今子供が危ない」、「水最後の選択」、「今水が危ない」、これらは過去に出版された日本国内の水道水の危険性について書かれた書籍のほんの一部ですが、ご存知の方もおられるのではないでしょうか。
不勉強ながら、ざっと挙げただけでこれほどの本が世に出ているとはただただ驚きとともに恐れ入るばかりであります。
それでは先ず「塩素の害について」の「序章」から入ってまいりますので、関心がおありの方はお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
塩素が、殺菌のために自分たちの水道水に投入されていることは、今更言うまでもなく誰でもが知っていることであります。
おいしいとかまずいといった味覚の点で文句をつけない限り、塩素が病原菌を退治してくれるので、多くの人たちは安心して水道水を飲んでいます。
しかし、農薬やダイオキシンなどを生み出す共同正犯であり、虫や菌をほんのわずかな量で殺す力をもつ塩素を日常的に摂取することが、人体に無害であろうはずがありません。
そして今や塩素が心臓病、ガン、アトピーなどさまざまな病気に密接に関与していることはいろいろな情報からしても疑う余地がないのであります。
にもかかわらず日本では殺菌という利点のみが強調され、その害について語られることはほとんどないのが実情です。
水道水の塩素濃度は地域によってまちまちですが、全体的に日本ほど高い濃度の塩素が水道水の蛇口で検出されるのは、世界でも極めて珍しいといっても過言ではないことをどれほどの人が知っているでしょうか。
一方、塩素を毒ガス兵器として最初に使用したドイツや早くから水道水の殺菌を塩素に頼ってきたアメリカでは、かなり以前から多くの人がさまざまな形で塩素の害について報告をしています。
このように悪いことは悪いと認めた上で、ではどう対処すべきかを論ずるべきだと思うのですが、都合の悪い部分は極力隠そうとする日本的体質がここにも色濃くみられるのであります。
その姿勢の是非はともかく、知られざる塩素の実態について、「一人でも多くの人に知ってもらいたい」という思いから筆を執った次第であります。