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愉しい触れ合いを目指してゆとりの有る人生を歩みましょう

平凡な日常生活にまつわる拘り情報、写真、並びに体験談等を交えて皆さんとの交流を深めて参りたいと思います。

想い出のハワイへの初航海の旅 1949年

2008-10-03 15:26:37 | Weblog
私はハワイのホノルル生まれで一歳半の時両親と兄姉達と共に日本に連れて行かれました。以後広島で育ち終戦を迎えました。

何故か毎年10月3日を迎えると自分が始めてハワイに戻って来た日(1949年)を不思議と良く忘れずに覚えて居るのです。何と今年で59周年目を迎えます。 日本の新制高校2学年を中退して16歳にして単身でハワイの知らない伯母を頼りに神戸を経ったのでした。 初めて体験する初航海の旅にわくわくしながらも不安な気持一杯で見送りに来ていた父と姉を後にして手を振る姿が見えなくなるまでデッキに噛り付いていました。 初めて体験する船旅はPresident Wilsonと名付けられた豪華船で先ず神戸から横浜に向かった最初の夜は荒波で早速船酔いを体験しました。 その翌日いよいよ横浜からハワイに向う船旅が始まりましたが、最初は総てが好奇心一杯で物珍しく船内を物色して見歩いていましたが、その内に船酔いが始まり最初の3日間は食事を取る事はおろかベッドで身動き一つ出来ない状態でベッドとトイレの間を行き来して死ぬ思いで苦しんでいました。 生まれて初めて自分の身内から離れて英語も理解出来ない自分は此れから一体どうなるのかと思い悩み、もうこれきりで二度と日本を見る事は出来ないのだと凄く悔やみました。 

4日目頃からアメリカ本国のサクラメント市に向うのだと言う親しみの有る同年代の青年から声を掛けられ、親しくなって励まされ一緒に食事をするようになりました。 彼のお陰ですっかり気分を取り直す事が出来ました。船酔いに慣れて来たら船内が愉しくなり不安も無くなりました。良く覚えていませんが、ハワイに着く3,4日前頃、時差の調節の為同じ日が二日続いた日が有り驚きました。 10日目に初めて島が見え始め、其れが憧れのハワイ、ホノルル市が有るオアフ島だったのです。 
島の傍まで近付きながら生憎と港では丁度港湾ストライクの真っ最中だった為に港が完全封鎖されていたので入港出来なかったのです。 暫く海上で停泊していましたが、その間デッキから見下ろしていた真っ青な海中には大きい鮫がうろうろと気持ち悪く泳ぎまわっていたのを初めて見てぞーっとしました。 やがて中型のボートが近づいて来てホノルルで下船する船客を次々と陸まで運び始めやっと無事に上陸する事が出来ました。 其処で初めて迎えに来ていた見知らぬ伯母や従弟達と出会ったのでした。 私は1歳半で日本に行ったので彼達も初顔合わせでした。 お互いに顔写真さえも持っていなかったのですが、見て直ぐに判ったのでしょう。 彼らにとっても私が来た事で物珍しく、温かく喜んで迎えてくれましたので全く不安は有りませんでした。 島に降り立った途端に何とも云えない独特な甘い果物の香りを最初に感じました。その甘い香りは何時ハワイに行っても同じ香りでした。