<バーニアダイヤル交換の巻>
【2017.05.20】
「その34」でバーニアダイヤルの不調について触れたが、今回はバーニアダイヤルを新品のものに交換した事について紹介してみたいと思う。
筆者の今年の5月連休は8連休となり、5月4日はカミさんと息子と秋葉原へ向かった。
カミさんと息子は、無線や電気には全く興味が無いどころか拒絶反応を示す為、私は事前にコツコツと計画を練り、秋葉原での滞在時間を必要最小限にする計画を立てていた。
当日は、概ね計画通りの行動が実現しバーニアダイヤルの他に数点の部品を購入して、さっさと秋葉原を去った。
そして連休明けの5月12日(金)に、交換作業を行った。
今回購入したものは、従来のものと全く同じモデルで、価格は2350円であった。
交換作業は、ネジを3カ所外すだけで約20分程度だった。交換後はバックラッシュも気にならなくなり滑らかにに回転する様になった。
さて、取り外した古いバーニアダイヤルを眺めていると徹底的に分解してみたくなるから困った性分である。
中身にギア(歯車)が入っていない事は、「その34」の投稿時に初めて知ったが、今回新品のものに交換したからには、壊す覚悟で完全に分解してみなければ気が済まなくなった。
まずはツマミの取り外しからで、外したツマミを眺めてみると「インサート成型」と言われる樹脂成型品である事が推測された。
ツマミの裏側に、くっきりと浮かび上がる「JAPAN」の文字が日本人の高度なテクノロジーを表している様で嬉しく感じた。
約30年前のツマミの裏側の文字と今回のものを比較して見たが全く同じであった。
これは、射出成型時の金型が同じもので有ると言うことだが今回購入したものは文字もくっきりしており、これがいつ頃製作されたツマミかは分からないが、メーカーは金型を新しくしているのかも知れない。
次に目盛り板だが、加工は金型を使った「しぼり加工」で造られていると推測される。
ネジの止め穴3カ所が「長穴」になっているのは、目盛り板の位置を微調整する為である。
目盛りは「彫刻」で造られていて私はシルク印刷よりも、この彫刻の雰囲気が好みだ。
ツマミと目盛り板を外すと下の写真の様な機構の心臓部が露出するが、この部分を分解した様子を紹介する。
このバーニアダイヤルの全周回転比(Turn Ratio)は9:1となっているが、上掲の写真の通り歯車は一切使われていない。
そして、更に分解作業を進める。
完全に分解したパーツ群の写真
調子に乗って分解したのは良いが、元に戻せるかな・・・
これが、日本製の製品で2350円である。
各パーツの設計開発、そして製造工程から完成までの道のりを想像するのも楽しいもので有る。
本稿続く・・・