
「人工知能と経済の未来」
井上智洋著、文春新書、2016年7月
人工知能(AI)はこの本が出版された2016~2017年頃に比べると、
ブームが下火になった感があります。
P.37に掲載されているような、「消滅する可能性の高い職業」というのを様々なメディアで見かけます。
仕事選びの参考にはなりますが、よく見ると消滅の原因がAIだけでなく、
従来からの機械化・自動化も混ざっているように見えます。
このAIの定義の曖昧さが一時的なブームに終わってしまう一因の気がしています。
第2章でAIの理論に触れられていますが、第3章以降は、
AIをはじめとする技術革新によって、経済そして雇用はどうなるかについて解説しています。
最終章はベーシックインカム(BI)。
言葉遊びにもなるからか、AIとBIはセットで語られることが多いです。
財源・給付に関してこの本に書かれている通りであれば実現可能に思えます。
ただ、財源のけっこうな割合を所得税が占めているのですが、
BI導入後もいまと同じ水準の税収が期待できるのでしょうか。