「ライアーズ・ポーカー」
マイケル・ルイス著、東江一紀訳、ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2013年10月
「マネー・ボール」の著者のデビュー作。
1985年ソロモン・ブラザーズに新卒で入社した著者が、
研修を経て、ロンドン支社の債券セールスでトップクラスの成績を上げ、
入社3年後の1987年12月に起きたブラックマンデーを機に退職するまでを記したノンフィクション。
皮肉やユーモアを交えながら当時の金融の最前線に触れており、
おもしろおかしく読めつつ勉強になります。
会社の上層部や金融界の大物が実名で登場します。
ただ実名を出してはいけない人もいるようで、
そういう人たちはニックネームで登場します。
おもしろかったり参考になったエピソード:
・何人かいた日本人研修生は研修中寝ていた
・一年目は虐待され、奴隷扱いを受ける
・株式よりも債券、セールスよりトレーダーの方が立場が強い
・MBS、RMBS、CMOの説明
(「世紀の空売り」での説明もこの内容がベースになっているように見えます)
・債券トレーダーの儲けの手口
・1985年にメリルリンチと300万ドルで雇用契約を結んだ人がいた
・客に損をさせて罵声を浴びせられた
・会社が抱え込んだ債券や株券を優先販売する指令が下される
(この辺は以前読んだ野村證券や山一證券でも同じでした)
・手柄を横取りする社員
(日本よりえげつない気がします)
・ソロモン・ブラザーズが乗っ取られそうになり、ウォーレン・バフェットに支援を依頼した
関連エントリ: