バブル崩壊後、残された不良債権の回収にあたった住宅金融債権管理機構の話。
主に関西での債権回収の現場を追っています。
元巨人GM・清武氏のノンフィクション作品。
自分が購読するのは「しんがり」、「プライベートバンカー」に続いて3冊目。
1980年代、銀行等大手金融機関が住宅金融専門会社(住専)を設立し、
好景気を背景に怪しい不動産会社にまで融資していたら、
バブルがはじけて資金を回収できなくなりました。
1990年代、資金回収専門に立ち上げた会社が住宅金融債権管理機構(後の整理回収機構)です。
回収機構の社員の出身は、
・住専の親会社である大手金融機関
・住専
・破綻した金融機関
の大きく3つに分かれ、待遇が異なるため、社内での対立もあったとのこと。
また不動産会社等の債務者には
・暴力団関係者
・高級クラブで豪遊
・海外送金、海外逃亡
など一筋縄ではいかない人物もいたそうです。
本書ではそれぞれの立場の人物、機構内の対立、資金隠しの手口、回収方法などについて事細かに描かれています。
相変わらず清武氏の調査・当事者インタビューなど取材力には感服します。
そして清武氏の著書といえば野球のエピソード。
本書は関西が舞台ですので、阪神の話題がほんの少しだけ出てきます。
現在WOWOWで連続ドラマ放送中(ウチは映りません)。
日経平均は30年ぶり高値更新。
関連エントリ: