「それをお金で買いますか 市場主義の限界」
マイケル・サンデル著、鬼澤忍訳、ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2014年11月
「これからの「正義」の話をしよう」のマイケル・サンデルの著書。
「これからの「正義」の話をしよう」は政治哲学的な色合いが強かったですが、
本書はタイトル通りお金・経済にまつわる題材が多く、
道徳経済学(そのような分野はありませんが)とでも呼びたくなるような内容となっています。
「それをお金で買いますか」の「それ」の主な例。
単純に「買う」ことを意味している場合もありますが、価値をどう取り扱うかを指している場合もあります。
・行列の先頭に並べる権利
・高額なチケット、ダフ屋が売っているチケット
・減量、読書、不妊治療
・排出権
・ギフトカード
・腎臓、子供、大学入学資格
・核廃棄物処理施設
・絶滅危惧種の狩り
・寄付集め、保育所お迎え
・会社が従業員にかける生命保険
・エイズ患者の生命保険買取
・高齢者の生命保険買取
・有名人のサイン
・スタジアム命名権
・あらゆるものへの広告
身近なテーマからグローバルなテーマまでさまざまです。
行動経済学に関する記述でダン・アリエリー、
メジャー・リーグのビジネスに関する記述でマイケル・ルイス、
このブログでも何度か取り上げた方々の名前が出てきます。
関連エントリ:
【マイケル・サンデル著書】
これからの「正義」の話をしよう
【ダン・アリエリー著書】
アリエリー教授の「行動経済学」入門
ずる
不合理だからすべてがうまくいく
予想どおりに不合理
【マイケル・ルイス著書】
マネー・ボール(書籍)