国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

鉄道公安官物語 雑踏警備編 【ワッペン列車2】

2009-12-25 01:21:18 | 妄想小説?
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>「あれが、ダフ屋から客を守るものなのさ。」と言ったときテントの中から・・・「スリだ」そんな声が聞こえてきたのです。

その言葉に二人に一瞬緊張が走ります。

駅構内で起こる犯罪は、公安官の守備範囲です。
警察も捜査は出来ますが、言ってみれば駅構内は公安官の縄張り、俄然二人は張り切るのでした。

声のする方向に二人は走ります。

 「被害者は誰ですか?」

根津が叫びますが、誰も返事をしません。
もう一度根津が叫びます。

 「スリに会われた方は誰ですか?」

頭の禿げ上がった50歳くらいの男が頭をかきながら根津の前に出てきます。

「実は、暇だったものですから。ちょっと遊んでいたんですが・・・。」

「そこで大負けしてしまってたものですから・・・」

要は、オイチョカブをして賭けていて負けが込んだものだから思わず叫んでしまったとのことでした。

賭博は日本では禁止ですから、気の毒にこのおじさん、根津たちのお世話になることに。

軽犯罪法違反の現行犯として調書を取られることになりました。

軽口をたたいたために公安室に連れて行かれたのでした。

そのときの様子は、どうなったのかって?
それはまた別の機会にお話をさせていただきます。

結局、おじさんについては、調書の作成と厳重注意で釈放されたのですが無事その日の汽車に乗れたかどうかは定かではありませんけどね。

さて、引き続きテント村の様子を見てみましょう。
夕刻になり夕日がテント村に差し込んできます、風も少し涼しくなってきたので、少しはすごしやすくなったようです。
今まで、ぐったりと横になっていた人も一人二人と起き上がり思い思いに背筋を伸ばしています。

そうです、このテント村におる人のほとんどは18時以降の夜行列車に乗る人たちがその大半を占めるからです。
あと、1時間もすれば順次改札も始まる。

「お父さん」

家族でしょうか、幼い子供を連れた母親がある一人の男に近づいていきます。

 「お父さん、ご苦労様。お弁当作ってきたよ。」

そう、家族の帰省に際して父親が一人で順番を待っていたのでした。
この夫婦に少しだけ密着してみたいと思います。

ということで、今日は少し短めですがこの辺で失礼します。(ーー;)


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