国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

又吉車掌、奮戦記 (専務車掌編)

2006-07-26 23:07:36 | 国鉄思いで夜話
またまた、又吉車掌の奮戦記です。
まぁ、よろしければ読んでやってください。

車掌になってはや15年、又吉は専務車掌に昇格し、車掌としても益々脂の乗り切った時代に入っていた、家に帰れば、6歳の長男を筆頭に、3歳の長女、そして今年生まれたばかりの次女、それに愛妻を含めた5人家族であった。
 車掌だけに給料では、生活は厳しく妻もパートに出かけていた。

車掌の業務は、不規則であり、休みの日は寝ていたいところであるが、小さな子がいると中々寝るわけにもいかない、しかし、又吉にとっては家族の絆があればこそ、仕事が出来るとの思いから、いつも妻に感謝しているのであった。

 今日は、夕刻からの出勤と言うことで準備に余念がない。
 妻は、近くのスーパーマーケットにパートに出ており、近くに住む妻の母親が子供たちの世話をしてくれていた。

 「お義母さん、お手数をおかけします。」
 又吉は、いつも世話になる義母に御礼を言うのでした。

いつも決まって、義母は
 「又吉さん、あなたは大切な仕事をされているのですから、決して気を使わないで頂戴。」
 といつも又吉に声をかけるのであった。

 又吉は軽く頷くと、風呂敷に包んだ制服を小脇に抱え、官舎を出るのであった。

車掌区までは、官舎から歩いていける距離なのでさほどの苦労は感じないものの、変則な乗務で有るから、子供たちと一緒に出かけてやることも中々出来ないことに苛立ちを感じ、時には車掌を辞めて普通の会社勤めをしようかと何度も思ったそうだ。
 だが、又吉は、やはり車掌の仕事が好きだったので、車掌区で制服に着替えると、そこには、家族にやさしい佐藤又吉ではなく、「乗客専務車掌・佐藤又吉」の凛々しい姿があった。
 
 「助役、点呼お願いします。」
 
「おいおい。点呼はまだ早いよ、車掌長がまだ来ていないじゃないか。」
 助役が苦笑しながら、又吉に話かけます、これは又吉のくせで、助役を困らせようといったわけではないのです。

 又吉の今日の乗務は、寝台急行列車「・・・・」号、そこで又吉たち車掌はとんだトラブルに巻き込まれることになるのですが、その続きはまた明日にでも。m(__)m
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