> そんな嫉妬の目を向ける猫尾の姿を意外と女将は見ていたのです・・・。
> しかし、女心に疎い猫尾はそんなことに気付くすべもありません。
> 朝見かけた男は女将の旦那では無かったけれど、今度は武井が・・・・あいつは口が上手いからなぁ。
> そんな中で猫尾は武井の動きばかり気になって酒を飲むどころではありません。
> 武井が女将に話かけるたびに気になって仕方がないのです。
> ああ、ここでも気の毒な猫尾は一難去ってまた一難
> 二人の恋はどこに向かって進むのでしょうか・・・。
> この続きはまた後程語りたいと思います。
女将と一緒に居たのが旦那ではないことが判ってホッとした猫尾ですが、今度は仕事仲間の武井が女将を口説くのではないかとやきもきする猫尾でした。
武井にしてみれば、軽い冗談だったのですが、猫尾の様子が面白いのでちょっと悪戯を仕掛けていたのでした。
猫尾の様子をうかがいながら、冗談とも本気ともつかない話をする武井、最初は全く無視していた女将でした女将もこの人は本気で言ってるのかしら?と思うのでした。
その都度、猫尾にそれとなくサインを送るのですが・・・残念。
そうしたことにまったく疎い猫尾は、武井が女将と話しているものだからすっかり拗ねてしまって。
一人やけ酒を飲んでいるのでした。
女将が、「猫尾さんそんなに飲んだら体に毒だよ・・・」
そんな言葉も今の猫尾の耳には入らないようです。
子供のように拗ねてひたすら飲み続ける猫尾、そんなに酒に強い訳ではないことは女将が一番よく知っているのですから。
相変わらず、武井は女将にちょっかいを出しています、その都度チラチラと猫尾の方を見る女将を見て、女将も猫尾に惚れていることを察した武井でしたので、女将に耳元で囁いたのでした。
「おかみ、猫尾に惚れてるだろ・・・。」
急に顔を真っ赤にして俯く女将
それでも、猫尾はそんな様子に気付く様子もなく・・・、そうこの時にはもう猫尾は酔いつぶれて寝てしまっていたのでした。
親方は人夫たちと盛り上がっており、猫尾のことなどすっかり忘れているようです。
やがて時計は9時を指していました。
都市部では9時などは宵の口ですが、田舎にしてみればもうそれこそ深夜に近い時間
女将が、親方に告げます。
そろそろ看板なんだけど・・・。
おお、そうか、すまんなぁ。
幾らだ、・・・。
親方は、店の支払いを済ませると人夫たちに声をかけます。
人夫たちは口々に親方に礼を言っています。
親方も顔を真っ赤にしながら、
「良いってことよ。明日から、また頼むぜ・・・。」
「おい、猫、帰るぞ…」
そう叫んで猫尾がいないことに初めて気づく親方。
おい、猫はどうしたんだ・・・。
始めて猫が酔いつぶれていることに気付いた親方、もう一度店に戻り猫尾を起こそうとします。
「猫、猫、・・・」
猫尾は寝ぼけて、「女将、愛しているよ・・・」
寝ぼけながら親方と女将の前でカミングアウトしてしまった猫尾、親方も苦笑して、
「女将、すまないが酔いがさめるまで寝かせてやってくれないか」
女将も、ちょっと困ったねぇと言う顔したもののまさか店に寝かせるわけにもいかないので、店の奥の部屋に寝かせることにしました。
「孝ちゃん、ちょっと狭いけど一緒の部屋で寝てね。」
女将が孝に言います。
孝も苦笑しながら、頷くのでした。
孝と親方で猫尾を店の奥の座敷に寝かせ。親方はそのまま帰っていくのでした。
既に店の外には誰もいません。
空を見上げると満月が丁度夜道を照らしています。
猫尾の奴、女将の惚れておったのか。
親方はにやにやしながら、何とか二人を夫婦にさせてやろうと改めて思うのでした。
続く
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> しかし、女心に疎い猫尾はそんなことに気付くすべもありません。
> 朝見かけた男は女将の旦那では無かったけれど、今度は武井が・・・・あいつは口が上手いからなぁ。
> そんな中で猫尾は武井の動きばかり気になって酒を飲むどころではありません。
> 武井が女将に話かけるたびに気になって仕方がないのです。
> ああ、ここでも気の毒な猫尾は一難去ってまた一難
> 二人の恋はどこに向かって進むのでしょうか・・・。
> この続きはまた後程語りたいと思います。
女将と一緒に居たのが旦那ではないことが判ってホッとした猫尾ですが、今度は仕事仲間の武井が女将を口説くのではないかとやきもきする猫尾でした。
武井にしてみれば、軽い冗談だったのですが、猫尾の様子が面白いのでちょっと悪戯を仕掛けていたのでした。
猫尾の様子をうかがいながら、冗談とも本気ともつかない話をする武井、最初は全く無視していた女将でした女将もこの人は本気で言ってるのかしら?と思うのでした。
その都度、猫尾にそれとなくサインを送るのですが・・・残念。
そうしたことにまったく疎い猫尾は、武井が女将と話しているものだからすっかり拗ねてしまって。
一人やけ酒を飲んでいるのでした。
女将が、「猫尾さんそんなに飲んだら体に毒だよ・・・」
そんな言葉も今の猫尾の耳には入らないようです。
子供のように拗ねてひたすら飲み続ける猫尾、そんなに酒に強い訳ではないことは女将が一番よく知っているのですから。
相変わらず、武井は女将にちょっかいを出しています、その都度チラチラと猫尾の方を見る女将を見て、女将も猫尾に惚れていることを察した武井でしたので、女将に耳元で囁いたのでした。
「おかみ、猫尾に惚れてるだろ・・・。」
急に顔を真っ赤にして俯く女将
それでも、猫尾はそんな様子に気付く様子もなく・・・、そうこの時にはもう猫尾は酔いつぶれて寝てしまっていたのでした。
親方は人夫たちと盛り上がっており、猫尾のことなどすっかり忘れているようです。
やがて時計は9時を指していました。
都市部では9時などは宵の口ですが、田舎にしてみればもうそれこそ深夜に近い時間
女将が、親方に告げます。
そろそろ看板なんだけど・・・。
おお、そうか、すまんなぁ。
幾らだ、・・・。
親方は、店の支払いを済ませると人夫たちに声をかけます。
人夫たちは口々に親方に礼を言っています。
親方も顔を真っ赤にしながら、
「良いってことよ。明日から、また頼むぜ・・・。」
「おい、猫、帰るぞ…」
そう叫んで猫尾がいないことに初めて気づく親方。
おい、猫はどうしたんだ・・・。
始めて猫が酔いつぶれていることに気付いた親方、もう一度店に戻り猫尾を起こそうとします。
「猫、猫、・・・」
猫尾は寝ぼけて、「女将、愛しているよ・・・」
寝ぼけながら親方と女将の前でカミングアウトしてしまった猫尾、親方も苦笑して、
「女将、すまないが酔いがさめるまで寝かせてやってくれないか」
女将も、ちょっと困ったねぇと言う顔したもののまさか店に寝かせるわけにもいかないので、店の奥の部屋に寝かせることにしました。
「孝ちゃん、ちょっと狭いけど一緒の部屋で寝てね。」
女将が孝に言います。
孝も苦笑しながら、頷くのでした。
孝と親方で猫尾を店の奥の座敷に寝かせ。親方はそのまま帰っていくのでした。
既に店の外には誰もいません。
空を見上げると満月が丁度夜道を照らしています。
猫尾の奴、女将の惚れておったのか。
親方はにやにやしながら、何とか二人を夫婦にさせてやろうと改めて思うのでした。
続く
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