皆さまこんばんは、ご覧いただき、まことにありがとうございます。
それでは、しばし餘部橋梁物語その後、始めさせていただこうと思います。
> 孝と親方で猫尾を店の奥の座敷に寝かせ。親方はそのまま帰っていくのでした。
> 既に店の外には誰もいません。
> 空を見上げると満月が丁度夜道を照らしています。
> 猫尾の奴、女将の惚れておったのか。
> 親方はにやにやしながら、何とか二人を夫婦にさせてやろうと改めて思うのでした。
さて、こちらは酔いつぶれて寝てしまった猫尾、まさか女将の店で寝て居るとも知らず・・・
結局、猫尾は朝方まで目が覚めることもなく爆睡したのでした。
「ああ、よく寝た・・・」と手を伸ばすとどこかいつもの自分が住む4畳半の部屋とは雰囲気が違います。
おかしいなぁと思いつつ、振り返ると隣にはもう一組の布団が畳まれてありました。
「お客さん、お目覚めかい。」
その声に振り返る猫尾
「お、お、おお、は、は、はようございます。」
緊張するとどもる癖のある猫尾はどもりながら挨拶をします。
「あら、猫さんお目覚めかい。」
女将が猫尾に話しかけます。
猫尾はここで状況が初めて理解できたようです。
「お、お、女将、す、す、すまねぇ。」
「よ、酔いつぶれて寝てしまったのか?」
「お、女将、す、すまなかったなぁ。・・・だ、だんなさんにもよ、よろしく・・な。」
猫尾にしてみたら、まさか女将の店に泊まったことの恥ずかしさと、孝を女将の旦那と思い込んでいますので、女将にしてみたら、旦那と言われて(・_・)なんですね。
旦那?・・・誰のこと・・・思わず孝を見る女将、それを目で追う猫尾を見て、女将も合点したのでした。
「猫尾さん、孝は私の従弟だよ。」
猫尾は思わず聞き返します。
「え?旦那じゃないのかい・・・。」
孝も苦笑して、「浩ちゃんは、僕の母方のおばさんの子供なんだ、それに僕は結婚しているしね。」
それを聞いて恥ずかしいやら、ちょっと嬉しく思うやら・・・。
一気に場が和み、女将は再び猫尾に声をかけます。
猫尾さん、せっかくだから朝ご飯食べておいきよ。
孝ちゃんも、家に帰るからね。
餘部に駅が出来て汽車が止まると言うので山奥から半日かけて出て来たんだよ。
昨日は夜遅くなるからということで、うちに泊まったという訳でね。
そんな風にいきさつを話す女将に、自分の勘違いを恥じ入るのでした。
さて、そんなわけで簡単な朝食でしたが猫尾と孝、それに女将の3人で食卓を囲んで食べ始めるのでした。
元々、喋るのが苦手な猫尾は寡黙に食べているのですが、孝は結構話をするのが好きなようで、積極的に猫尾にも話しかけていきます。
「そういえば、猫尾さん、浩ちゃんが好きなんですか?」
浩ちゃんといわれて目をパチクリさせる猫尾に、「女将のことですよ」
さらに、「猫尾さん、昨日浩ちゃんにプロポーズしてたじゃないですか。」
気の毒に酔った勢いで言ったカミングアウト、本人は覚えているわけではありません。
「そ、そ、そんなこと、い、い、言ってないぞ・・。」と言いながら顔を真っ赤にする猫尾
それを見て、ちょっとだけ悪戯心が起こった孝はある行動に出るのですが・・・ということでまた次回のお楽しみにしたいと思います。
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それでは、しばし餘部橋梁物語その後、始めさせていただこうと思います。
> 孝と親方で猫尾を店の奥の座敷に寝かせ。親方はそのまま帰っていくのでした。
> 既に店の外には誰もいません。
> 空を見上げると満月が丁度夜道を照らしています。
> 猫尾の奴、女将の惚れておったのか。
> 親方はにやにやしながら、何とか二人を夫婦にさせてやろうと改めて思うのでした。
さて、こちらは酔いつぶれて寝てしまった猫尾、まさか女将の店で寝て居るとも知らず・・・
結局、猫尾は朝方まで目が覚めることもなく爆睡したのでした。
「ああ、よく寝た・・・」と手を伸ばすとどこかいつもの自分が住む4畳半の部屋とは雰囲気が違います。
おかしいなぁと思いつつ、振り返ると隣にはもう一組の布団が畳まれてありました。
「お客さん、お目覚めかい。」
その声に振り返る猫尾
「お、お、おお、は、は、はようございます。」
緊張するとどもる癖のある猫尾はどもりながら挨拶をします。
「あら、猫さんお目覚めかい。」
女将が猫尾に話しかけます。
猫尾はここで状況が初めて理解できたようです。
「お、お、女将、す、す、すまねぇ。」
「よ、酔いつぶれて寝てしまったのか?」
「お、女将、す、すまなかったなぁ。・・・だ、だんなさんにもよ、よろしく・・な。」
猫尾にしてみたら、まさか女将の店に泊まったことの恥ずかしさと、孝を女将の旦那と思い込んでいますので、女将にしてみたら、旦那と言われて(・_・)なんですね。
旦那?・・・誰のこと・・・思わず孝を見る女将、それを目で追う猫尾を見て、女将も合点したのでした。
「猫尾さん、孝は私の従弟だよ。」
猫尾は思わず聞き返します。
「え?旦那じゃないのかい・・・。」
孝も苦笑して、「浩ちゃんは、僕の母方のおばさんの子供なんだ、それに僕は結婚しているしね。」
それを聞いて恥ずかしいやら、ちょっと嬉しく思うやら・・・。
一気に場が和み、女将は再び猫尾に声をかけます。
猫尾さん、せっかくだから朝ご飯食べておいきよ。
孝ちゃんも、家に帰るからね。
餘部に駅が出来て汽車が止まると言うので山奥から半日かけて出て来たんだよ。
昨日は夜遅くなるからということで、うちに泊まったという訳でね。
そんな風にいきさつを話す女将に、自分の勘違いを恥じ入るのでした。
さて、そんなわけで簡単な朝食でしたが猫尾と孝、それに女将の3人で食卓を囲んで食べ始めるのでした。
元々、喋るのが苦手な猫尾は寡黙に食べているのですが、孝は結構話をするのが好きなようで、積極的に猫尾にも話しかけていきます。
「そういえば、猫尾さん、浩ちゃんが好きなんですか?」
浩ちゃんといわれて目をパチクリさせる猫尾に、「女将のことですよ」
さらに、「猫尾さん、昨日浩ちゃんにプロポーズしてたじゃないですか。」
気の毒に酔った勢いで言ったカミングアウト、本人は覚えているわけではありません。
「そ、そ、そんなこと、い、い、言ってないぞ・・。」と言いながら顔を真っ赤にする猫尾
それを見て、ちょっとだけ悪戯心が起こった孝はある行動に出るのですが・・・ということでまた次回のお楽しみにしたいと思います。
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