気が付けば1か月も放置状態になっていました。
しばらくお付き合いくださいませ。
質問に立つ塩田委員は、塩田晋氏、兵庫県加古川市志方町出身の元官僚(労働省出身)で、1979年(昭和54年)9月、民社党から出馬した衆議院議員でした。
地元が加古川市と言うこともあり、加古川線と山陽線の接続の悪さについて問題を提起しています。
> 赤字線の切り捨てのための準備ではないか、故意にダイヤを編成しているのではないか、こういう疑いを住民が非常に持っている、また地元の新聞でも騒がれたことがございます。
> 具体的に例として申し上げますと、私の選挙区でございますが、山陽線、加古川線、これは加古川駅で到着した途端に山陽本線の列車が出ていく。これが実に八本もあるのです。
実際にこうした意地悪ダイヤと言われるものは本当に昔はありました。
あと2分で間に合うのに、到着すると出ていくダイヤとか、隣のホームに停車させれば乗換は容易なのに、わざわざ隣のホームに到着させるみたいな。
当時はバリアフリーなどと言う考え方とも無縁で列車に乗せてやる的な雰囲気はありましたね。
平気でそんなことをしている、長期的に見れば利用者不在も甚だしいのが当時の国鉄でした。
ただ、ここで委員が指摘している列車ダイヤと言うのがどの路線を指すのかがちょっと判らないんですね。
少なくとも朝夕の通勤通学時間帯には多少の配慮はされていたように思いますのが、その辺は、もう少し詳しく調べてみたいと思います。
> この赤字線につきましては、私の選挙区で四線も俎上に上っております。われわれは住民の立場、市町村挙げての反対でございまして、ぜひともこれを撤回してもらいたい。
これは、高砂線・三木線・北条線・鍛冶屋線が俎上に上がり結局北条線だけが現在も第3セクター鉄道として残っていますが、それ以外は鉄道として生き残ることはできませんでした。
それ以外にも、現在でも同じような議論がされていますが鉄道の機能を見直すべきであるということや、民間のほうが効率が良いのではないかと言うことで直営工場の民営化(実際にこの煽りではないでしょうが、高砂工場は昭和59年4月に閉鎖され、鷹取工場と合併されることとなりました。
この辺は、今回の話題と外れますので割愛させていただきますが、そうしたことにも言及されているようです。
> 長期的な展望に立って鉄道の機能というものを見直す必要があると思います。また、環境汚染等の点から言いましても軌道の方がいいということを見直されてきております。こういったことと、民間の生産性との対比で多くの人々から指摘されておることがありますが、国鉄と同じ仕事を民間でやれば二倍にも三倍にも生産性が直ちに上がるというような分野があるはずです。たとえばメンテナンスの部門とかあるいは国鉄が持っておられる直轄工場、こういったものはやはり考える対象にすべきではないか。
塩田委員からはその後、下記のように。
「親方日の丸の根性を捨てて自立自助の精神で総裁は陣頭に立ってひとつ思い切った減量経営、そして生産性の向上に取り組んでいただきたい。そのことを強く要請をいたしまして、質問を終わります。」
と言う締めくくりの質問をされています。
国鉄の親方日の丸意識を捨ててと言う意見を述べられていますが、実際には組合の反対などもあり思うように国鉄を動かせなかったという事実もありますが、高木総裁の時に実現したものとしてフルムーンパスや青春18きっぷなどが発売されており、国鉄と言う組織の中で民間的発想を導入しだしたという功の部分も知っておいていただきたいと思います。
その後日本共産党の、三浦久議員の質問で、ローカル線の廃止基準について質問をされています。
>NHKラジオの第一放送の正午のニュースで、概略次のような報道がなされました。国鉄地方交通線の廃止転換について運輸省の最終の基準案がまとまった。いままでの基準案では各省の反対が強いので、同省としては、さきに発表した三つの例外のほかに、経済的、文化的な影響を加味して、北海道の対象路線のうち極度に乗客の少ない路線を除いて各支庁を結んでいる路線は廃止路線から除外する。また、伊勢神宮参拝に利用する路線のような宗教的、文化的な要素をも加味する。だから、参宮線を残すということなんでしょうね。これらの配慮によって廃止対象路線がかなり減少するのじゃないか、こういう報道がなされたわけですね。
実際に、参宮線に関しては当時天鉄局の管理、その後名鉄(名古屋鉄道管理局)に移管してそのままJR東海の路線として維持されることになりましたが、当時の資料では参宮線に関しては最低限の保守で維持することが部内文書で明記されていました。
これ以外の地域でも、代替交通困難地域などは残されているとはいえ、北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線のように支庁間を結ぶ路線が第3セクター化されて廃止になるなど、今後の北海道に関しては予断を許さないと思われます。
どうも、この記事自体は運輸省では把握していなかったようで、そのようなことは無いと訂正しているなど、こうして議事録を見ていますとなかなか面白いものがありそうです。
といういうことで、国鉄改革に際して、ローカル線問題をどうするのかと言う議論ですが、結果的にはすでにご存じのとおり線路名ごとに区分して輸送量を算出してその数値に基づき第1次~第3次に分類して1次・2次は基本的にバス転換、3次に関しては概ね3セクと言う方向で進みました。
実際、信楽高原鐡道や若桜鉄道のように第1次であっても鉄道の道を模索したところもあれば、先ほどの北海道ちほく高原鉄道のように第2次特定地方交通線として指定されたものの沿線人口の減少などの理由で鉄道を維持できなかったところなどもあります。
長文になりましたが、お読みいただければ幸いでございます。
画像 Wikipedia
************************以下は、国会審議の本文になります。*********************************
○塩田委員 そこで、赤字線の切り捨てのための準備ではないか、故意にダイヤを編成しているのではないか、こういう疑いを住民が非常に持っている、また地元の新聞でも騒がれたことがございます。
具体的に例として申し上げますと、私の選挙区でございますが、山陽線、加古川線、これは加古川駅で到着した途端に山陽本線の列車が出ていく。これが実に八本もあるのです。それから、長いところは三十分も待たなければならぬ。こういうダイヤの編成ですね。これはおかしいじゃないか。利用しようと思ってもだんだん離れていくようなことをみずからつくっていっている。それから、通学も始業時間に間に合わないようなダイヤ改正をやって、学校では困って始業時間を延ばすというようなこともやっております。こんな事件がございます。それから、北条線、三木線等におきましても乗りかえ駅での待ち時間が多いとか、こういったことも言われておりますが、こういったことで赤字路線を故意につくっているのではないか、こういう疑いを持つ向きが非常に多いわけです。そんなことがあるのかどうか。これについてお伺いしたいと思います。
この赤字線につきましては、私の選挙区で四線も俎上に上っております。われわれは住民の立場、市町村挙げての反対でございまして、ぜひともこれを撤回してもらいたい、このような赤字路線の切り捨てをする以前にやるべきことはまだまだある、これが国民の多くの良識ある者の考え方であるということをこの際明確にしておきたいと思います。このような赤字路線を整理するというようなこそくな手段でやっても抜本的な赤字対策にならない。金額的に見ましてもいま言われましたようなことですから、ならないと思います。いま赤字であっても、これは将来の地域社会の発展の状況変動があります。それから、産業経済の発展あるいは工業の進出、住宅の建設、学校の建設等、そういったいろいろな変動要因がありまして、地域的、長期的な展望に立って鉄道の機能というものを見直す必要があると思います。また、環境汚染等の点から言いましても軌道の方がいいということを見直されてきております。こういったことと、民間の生産性との対比で多くの人々から指摘されておることがありますが、国鉄と同じ仕事を民間でやれば二倍にも三倍にも生産性が直ちに上がるというような分野があるはずです。たとえばメンテナンスの部門とかあるいは国鉄が持っておられる直轄工場、こういったものはやはり考える対象にすべきではないか。
こういったことを考えるわけでございますが、ひとつこういった問題に手をつける思い切った考えはないかということをお尋ねしますとともに、やはり国民に対するわびという気持ちで不退転の決意を持って国鉄再建に当たっていただきたい。これは国民の切なる願いでございます。みずからを正し、国から援助ばかり得るということを考えないで、親方日の丸の根性を捨てて自立自助の精神で総裁は陣頭に立ってひとつ思い切った減量経営、そして生産性の向上に取り組んでいただきたい。そのことを強く要請をいたしまして、質問を終わります。
○高木説明員 先ほど来申しておりますように、何としても能率的な経営を打ち立てなければいけないわけでございまして、ただいま御鞭撻と御激励を受けましたように、真剣に、かつ私自身先頭に立って取り組んでまいりたいと思っております。
○小此木委員長 三浦久君。
○三浦(久)委員 十月二十六日のNHKラジオの第一放送の正午のニュースで、概略次のような報道がなされました。国鉄地方交通線の廃止転換について運輸省の最終の基準案がまとまった。いままでの基準案では各省の反対が強いので、同省としては、さきに発表した三つの例外のほかに、経済的、文化的な影響を加味して、北海道の対象路線のうち極度に乗客の少ない路線を除いて各支庁を結んでいる路線は廃止路線から除外する。また、伊勢神宮参拝に利用する路線のような宗教的、文化的な要素をも加味する。だから、参宮線を残すということなんでしょうね。これらの配慮によって廃止対象路線がかなり減少するのじゃないか、こういう報道がなされたわけですね。
私はこの廃止対象路線が少なくなるということは大変結構なことです。われわれの立場としては地方ローカル線は残してほしいという、そういう要求ですから。しかし、いま私どもはこの委員会で審議して、そして最も重要な選定の基準案について、運輸省の考え方のみならず政府の考え方についてもそれを出してこい、こういう要求をしているわけですね。それにもかかわらず、それを隠して、そして全然この委員会に出してこないということ、私はその点について強い憤りを感じているわけです。ですから、この点ひとつわれわれのいままでの要望を入れて、こういう最終的な案がまとまったというのであれば、それをこの委員会に私はお出し願いたいというふうに思うのです。
○山地政府委員 NHKの報道を私見ておりませんからどういうのかあれでございますけれども、いまの内容のようなことは、私どもの方で何らかその後決めたとか、こう考えたとかというようなことはございません。したがいまして、NHKの取材の方がどういうソースでそれをおとりになったかよく存じませんけれども、私の関する限り、そういうことをファイナルに決めた、あるいは国会の方にお諮りしてないけれどもこんなふうに考えたというようなことは一切ございません。
○三浦(久)委員 そうしますと、その放送、報道に対して訂正の要求などを私はするべきだと思うのですね。そういうことをしたでしょうか。また、したとすれば、どういう形でしたでしょうか。
○山地政府委員 初めてきょうの質問の際に伺った話でございますので、いま申し上げましたとおり、その放送を私は少なくとも見ておりませんですし、あるいは私の同僚からもそういう話は聞いておりませんでした。事実先生お聞きになったわけでしょうけれども、それについていま初めて伺ったわけでございます。
○三浦(久)委員 いや、それはあなたの部下は知っておりましたよ。それは私はちょっと逃げの答弁じゃないかなと思うのですよ。天下に報道されているわけですからね。ですから、私はそういう御答弁があるとすればこれはやはり最終の基準案がまとまっているのだなというふうに思わざるを得ませんね。
たとえば大臣、きょう大臣は閣議の後、記者会見されていますね。その中でいろいろ言われておりますが、この基準の問題に関して言いますと、この法案に盛られている地方交通線、特定地方交通線の基準を定める政令について、来年度予算の審議が始まる一月中には政府案を決め、予算委員会に提出したいとの意向を示した、こういうふうに時事のファックスで流れてきているのですがね。そういう事実はございませんですか。
○塩川国務大臣 一月の予算委員会に提出とは言っておりません。
○三浦(久)委員 本来提出するという性格のものじゃないですね。提出するのはこの委員会に提出してもらわなければ私は困ると思うのですけれども、そういう一月中には政府の政令案を決めたい、そして国会で十分審議願いたいというような発言をされたのでしょうか。
○塩川国務大臣 記者会見で政令はいつごろ決まるのですかという質問がございましたので、政令はできるだけ急がなければならない。めどとしてはいつですかということがございまして、一月、通常国会が再開されて予算委員会で当然この問題が議論になると思う、それまでにはおおむね政府として意思決定しなければならない、こういうふうに申し上げた次第です。
しばらくお付き合いくださいませ。
質問に立つ塩田委員は、塩田晋氏、兵庫県加古川市志方町出身の元官僚(労働省出身)で、1979年(昭和54年)9月、民社党から出馬した衆議院議員でした。
地元が加古川市と言うこともあり、加古川線と山陽線の接続の悪さについて問題を提起しています。
> 赤字線の切り捨てのための準備ではないか、故意にダイヤを編成しているのではないか、こういう疑いを住民が非常に持っている、また地元の新聞でも騒がれたことがございます。
> 具体的に例として申し上げますと、私の選挙区でございますが、山陽線、加古川線、これは加古川駅で到着した途端に山陽本線の列車が出ていく。これが実に八本もあるのです。
実際にこうした意地悪ダイヤと言われるものは本当に昔はありました。
あと2分で間に合うのに、到着すると出ていくダイヤとか、隣のホームに停車させれば乗換は容易なのに、わざわざ隣のホームに到着させるみたいな。
当時はバリアフリーなどと言う考え方とも無縁で列車に乗せてやる的な雰囲気はありましたね。
平気でそんなことをしている、長期的に見れば利用者不在も甚だしいのが当時の国鉄でした。
ただ、ここで委員が指摘している列車ダイヤと言うのがどの路線を指すのかがちょっと判らないんですね。
少なくとも朝夕の通勤通学時間帯には多少の配慮はされていたように思いますのが、その辺は、もう少し詳しく調べてみたいと思います。
> この赤字線につきましては、私の選挙区で四線も俎上に上っております。われわれは住民の立場、市町村挙げての反対でございまして、ぜひともこれを撤回してもらいたい。
これは、高砂線・三木線・北条線・鍛冶屋線が俎上に上がり結局北条線だけが現在も第3セクター鉄道として残っていますが、それ以外は鉄道として生き残ることはできませんでした。
それ以外にも、現在でも同じような議論がされていますが鉄道の機能を見直すべきであるということや、民間のほうが効率が良いのではないかと言うことで直営工場の民営化(実際にこの煽りではないでしょうが、高砂工場は昭和59年4月に閉鎖され、鷹取工場と合併されることとなりました。
この辺は、今回の話題と外れますので割愛させていただきますが、そうしたことにも言及されているようです。
> 長期的な展望に立って鉄道の機能というものを見直す必要があると思います。また、環境汚染等の点から言いましても軌道の方がいいということを見直されてきております。こういったことと、民間の生産性との対比で多くの人々から指摘されておることがありますが、国鉄と同じ仕事を民間でやれば二倍にも三倍にも生産性が直ちに上がるというような分野があるはずです。たとえばメンテナンスの部門とかあるいは国鉄が持っておられる直轄工場、こういったものはやはり考える対象にすべきではないか。
塩田委員からはその後、下記のように。
「親方日の丸の根性を捨てて自立自助の精神で総裁は陣頭に立ってひとつ思い切った減量経営、そして生産性の向上に取り組んでいただきたい。そのことを強く要請をいたしまして、質問を終わります。」
と言う締めくくりの質問をされています。
国鉄の親方日の丸意識を捨ててと言う意見を述べられていますが、実際には組合の反対などもあり思うように国鉄を動かせなかったという事実もありますが、高木総裁の時に実現したものとしてフルムーンパスや青春18きっぷなどが発売されており、国鉄と言う組織の中で民間的発想を導入しだしたという功の部分も知っておいていただきたいと思います。
その後日本共産党の、三浦久議員の質問で、ローカル線の廃止基準について質問をされています。
>NHKラジオの第一放送の正午のニュースで、概略次のような報道がなされました。国鉄地方交通線の廃止転換について運輸省の最終の基準案がまとまった。いままでの基準案では各省の反対が強いので、同省としては、さきに発表した三つの例外のほかに、経済的、文化的な影響を加味して、北海道の対象路線のうち極度に乗客の少ない路線を除いて各支庁を結んでいる路線は廃止路線から除外する。また、伊勢神宮参拝に利用する路線のような宗教的、文化的な要素をも加味する。だから、参宮線を残すということなんでしょうね。これらの配慮によって廃止対象路線がかなり減少するのじゃないか、こういう報道がなされたわけですね。
実際に、参宮線に関しては当時天鉄局の管理、その後名鉄(名古屋鉄道管理局)に移管してそのままJR東海の路線として維持されることになりましたが、当時の資料では参宮線に関しては最低限の保守で維持することが部内文書で明記されていました。
これ以外の地域でも、代替交通困難地域などは残されているとはいえ、北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線のように支庁間を結ぶ路線が第3セクター化されて廃止になるなど、今後の北海道に関しては予断を許さないと思われます。
どうも、この記事自体は運輸省では把握していなかったようで、そのようなことは無いと訂正しているなど、こうして議事録を見ていますとなかなか面白いものがありそうです。
といういうことで、国鉄改革に際して、ローカル線問題をどうするのかと言う議論ですが、結果的にはすでにご存じのとおり線路名ごとに区分して輸送量を算出してその数値に基づき第1次~第3次に分類して1次・2次は基本的にバス転換、3次に関しては概ね3セクと言う方向で進みました。
実際、信楽高原鐡道や若桜鉄道のように第1次であっても鉄道の道を模索したところもあれば、先ほどの北海道ちほく高原鉄道のように第2次特定地方交通線として指定されたものの沿線人口の減少などの理由で鉄道を維持できなかったところなどもあります。
長文になりましたが、お読みいただければ幸いでございます。
画像 Wikipedia
************************以下は、国会審議の本文になります。*********************************
○塩田委員 そこで、赤字線の切り捨てのための準備ではないか、故意にダイヤを編成しているのではないか、こういう疑いを住民が非常に持っている、また地元の新聞でも騒がれたことがございます。
具体的に例として申し上げますと、私の選挙区でございますが、山陽線、加古川線、これは加古川駅で到着した途端に山陽本線の列車が出ていく。これが実に八本もあるのです。それから、長いところは三十分も待たなければならぬ。こういうダイヤの編成ですね。これはおかしいじゃないか。利用しようと思ってもだんだん離れていくようなことをみずからつくっていっている。それから、通学も始業時間に間に合わないようなダイヤ改正をやって、学校では困って始業時間を延ばすというようなこともやっております。こんな事件がございます。それから、北条線、三木線等におきましても乗りかえ駅での待ち時間が多いとか、こういったことも言われておりますが、こういったことで赤字路線を故意につくっているのではないか、こういう疑いを持つ向きが非常に多いわけです。そんなことがあるのかどうか。これについてお伺いしたいと思います。
この赤字線につきましては、私の選挙区で四線も俎上に上っております。われわれは住民の立場、市町村挙げての反対でございまして、ぜひともこれを撤回してもらいたい、このような赤字路線の切り捨てをする以前にやるべきことはまだまだある、これが国民の多くの良識ある者の考え方であるということをこの際明確にしておきたいと思います。このような赤字路線を整理するというようなこそくな手段でやっても抜本的な赤字対策にならない。金額的に見ましてもいま言われましたようなことですから、ならないと思います。いま赤字であっても、これは将来の地域社会の発展の状況変動があります。それから、産業経済の発展あるいは工業の進出、住宅の建設、学校の建設等、そういったいろいろな変動要因がありまして、地域的、長期的な展望に立って鉄道の機能というものを見直す必要があると思います。また、環境汚染等の点から言いましても軌道の方がいいということを見直されてきております。こういったことと、民間の生産性との対比で多くの人々から指摘されておることがありますが、国鉄と同じ仕事を民間でやれば二倍にも三倍にも生産性が直ちに上がるというような分野があるはずです。たとえばメンテナンスの部門とかあるいは国鉄が持っておられる直轄工場、こういったものはやはり考える対象にすべきではないか。
こういったことを考えるわけでございますが、ひとつこういった問題に手をつける思い切った考えはないかということをお尋ねしますとともに、やはり国民に対するわびという気持ちで不退転の決意を持って国鉄再建に当たっていただきたい。これは国民の切なる願いでございます。みずからを正し、国から援助ばかり得るということを考えないで、親方日の丸の根性を捨てて自立自助の精神で総裁は陣頭に立ってひとつ思い切った減量経営、そして生産性の向上に取り組んでいただきたい。そのことを強く要請をいたしまして、質問を終わります。
○高木説明員 先ほど来申しておりますように、何としても能率的な経営を打ち立てなければいけないわけでございまして、ただいま御鞭撻と御激励を受けましたように、真剣に、かつ私自身先頭に立って取り組んでまいりたいと思っております。
○小此木委員長 三浦久君。
○三浦(久)委員 十月二十六日のNHKラジオの第一放送の正午のニュースで、概略次のような報道がなされました。国鉄地方交通線の廃止転換について運輸省の最終の基準案がまとまった。いままでの基準案では各省の反対が強いので、同省としては、さきに発表した三つの例外のほかに、経済的、文化的な影響を加味して、北海道の対象路線のうち極度に乗客の少ない路線を除いて各支庁を結んでいる路線は廃止路線から除外する。また、伊勢神宮参拝に利用する路線のような宗教的、文化的な要素をも加味する。だから、参宮線を残すということなんでしょうね。これらの配慮によって廃止対象路線がかなり減少するのじゃないか、こういう報道がなされたわけですね。
私はこの廃止対象路線が少なくなるということは大変結構なことです。われわれの立場としては地方ローカル線は残してほしいという、そういう要求ですから。しかし、いま私どもはこの委員会で審議して、そして最も重要な選定の基準案について、運輸省の考え方のみならず政府の考え方についてもそれを出してこい、こういう要求をしているわけですね。それにもかかわらず、それを隠して、そして全然この委員会に出してこないということ、私はその点について強い憤りを感じているわけです。ですから、この点ひとつわれわれのいままでの要望を入れて、こういう最終的な案がまとまったというのであれば、それをこの委員会に私はお出し願いたいというふうに思うのです。
○山地政府委員 NHKの報道を私見ておりませんからどういうのかあれでございますけれども、いまの内容のようなことは、私どもの方で何らかその後決めたとか、こう考えたとかというようなことはございません。したがいまして、NHKの取材の方がどういうソースでそれをおとりになったかよく存じませんけれども、私の関する限り、そういうことをファイナルに決めた、あるいは国会の方にお諮りしてないけれどもこんなふうに考えたというようなことは一切ございません。
○三浦(久)委員 そうしますと、その放送、報道に対して訂正の要求などを私はするべきだと思うのですね。そういうことをしたでしょうか。また、したとすれば、どういう形でしたでしょうか。
○山地政府委員 初めてきょうの質問の際に伺った話でございますので、いま申し上げましたとおり、その放送を私は少なくとも見ておりませんですし、あるいは私の同僚からもそういう話は聞いておりませんでした。事実先生お聞きになったわけでしょうけれども、それについていま初めて伺ったわけでございます。
○三浦(久)委員 いや、それはあなたの部下は知っておりましたよ。それは私はちょっと逃げの答弁じゃないかなと思うのですよ。天下に報道されているわけですからね。ですから、私はそういう御答弁があるとすればこれはやはり最終の基準案がまとまっているのだなというふうに思わざるを得ませんね。
たとえば大臣、きょう大臣は閣議の後、記者会見されていますね。その中でいろいろ言われておりますが、この基準の問題に関して言いますと、この法案に盛られている地方交通線、特定地方交通線の基準を定める政令について、来年度予算の審議が始まる一月中には政府案を決め、予算委員会に提出したいとの意向を示した、こういうふうに時事のファックスで流れてきているのですがね。そういう事実はございませんですか。
○塩川国務大臣 一月の予算委員会に提出とは言っておりません。
○三浦(久)委員 本来提出するという性格のものじゃないですね。提出するのはこの委員会に提出してもらわなければ私は困ると思うのですけれども、そういう一月中には政府の政令案を決めたい、そして国会で十分審議願いたいというような発言をされたのでしょうか。
○塩川国務大臣 記者会見で政令はいつごろ決まるのですかという質問がございましたので、政令はできるだけ急がなければならない。めどとしてはいつですかということがございまして、一月、通常国会が再開されて予算委員会で当然この問題が議論になると思う、それまでにはおおむね政府として意思決定しなければならない、こういうふうに申し上げた次第です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます