このソフトの制作では、特にシリアル通信の送受信のタイミングをとることに苦労しました。当初はこれがなかなか分からなかったので手こずりましたが、試行錯誤を重ねてなんとかスムーズに動くところまでこぎつけました。
FTdx10のCAT制御では、ヤエス無線が提供する「FTDX10 CAT オペレーション リファレンス マニュアル」が必要です。これはネットで検索するとすぐ見つかりますが、ソフト開発では穴のあくほどこれを見ることになるのでプリントが必須です。
まずCAT制御の事始めとして適当なシリアル通信ソフトを使い、このマニュアルの最初に書かれているように文字を送信して受信できるか確認してみました。FTDx10とはUSBでつなぎ、USBチャンネル、ボーレート、ストップビットをマニュアル通りに設定して FA; と送信してみると下の様に全然受信できません。
ここから苦労が始まるのですが、まずこのマニュアルの次のような記述に注意します。
〇CATコントロールのタイムアウトタイマーはセッティングメニューにより・・・・・
ここで FTdx10のタイムアウトタイマーはデフォルトで10msecになっています。つまりこの時間が短いと、送信してPCが受信体制?に入る前にFTDx10からの返信を受けるため、これを長く設定する必要があるようです。そこでこれを最大の 3000ms に設定してみました。しかし状態は同じで ?! しか表示しません。改めて各設定値を確認してみましたが全然動きません。そこでまたマニュアルを詳しく見ていくと次のような記述に目が止まりました。
!一般的にパソコンは、雑音を発生する可能性があり、本機とパソコンを接続すると、この雑音により受信が妨害されることがあります。
これでピンときたのが以前 SDR-RSPドングルでソフトウエア受信ソフトを動かし、リグとのトラッキングを設定した時のトラブルです。これは最初はトラッキングが働きリグのダイヤルを回すとPCディスプレイ上のカーソルがちゃんと動くのですが、送信に移るとこのトラッキングが切れ再度SDRドングルをPCのUSBに刺し直さないと復帰しないという現象です。そしてこれを回避できたのがリグのUSB出力の根元で、USBケーブルをリングコアに巻き付けるという対策です。
早速同じものを用意して FA; を送信してみましたところ、やっと受信に成功しました。
試しにバンド切替の BS1~9; を打ってみると、FTdx10がカチっといって各バンドに切り替わります。これはもう楽勝と思いソフト制作を思い立ちました。
開発言語は VB.NET ですが、以前ソフト開発に使った Visual Stadio 2008 が、当時なかった Windows 11 で動くかどうか分かりませんでした。しかしそのままインストールしてみると、ラッキーなことに何のトラブルもなく動きました。 Windows 11 は、VB6は受け付けなくても VB.NET になってからは、どのバージョンでも64bitで動くんですね~
ーーー(その3)VB.NETによるCATコントロールソフト開発に続く
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