きょうは診療所は午後休診のため、患者送迎バスの最終便は12時30分発、でした。
その便に乗った親子、お母さんは私よりちょっと若いかな? そして息子は二十歳ぐらいかな? その息子さんはろうあ者で、からだも弱く、時々このお母さんに連れられて受診に来られます。いつ見ても、ほとんど無表情です。半年ほど前に受診されたとき、彼は点滴終了後ももうろうとしていたので、送迎バスの路線からちょっとはずれて、家のそばまで送っていったことがありました。
きょうも点滴をしたために、帰りが最終便になってしまったのです。うまいぐあいに、他の患者さんは途中で下車し、その親子だけになったので、また家のそばまで乗せて行きました
バスを降りるとき、お母さんが「ちょっと待ってて」と小走りに家に入ったかと思うと、なにやら手に持って戻ってきました。
「イモのツルよ。薄揚げとかといっしょに炒めて食べたらおいしかよ」、とビニール袋に入ったサツマイモのツルをくれたのです。皮がむいてあって適当の長さに切ってありました。今回は遠慮なくいただきました。
そのとき、ふと家のドアの方に目をやると、なんと彼がドアの外でニコッと笑顔で手を振っていたのです。それまで一度もみたこともない笑顔。まして、さよならというように手を降る姿などまったく見た事がなかったのです。
家のそばまで送ってあげたことへの感謝なのか親しみの表現なのか。彼としては嬉しかったんだな、と思い、じんときました。イモのツルを受取ったことでなにかこころのつながりができたような、そんな気もしました。
晩飯に早速そのツルをゆがいて、さつまあげやひじきといっしょに炒めました。あの親子の気持ちがこもっているようで、私は嬉しく感じながら、食べました。もちろん、美味でした。
その便に乗った親子、お母さんは私よりちょっと若いかな? そして息子は二十歳ぐらいかな? その息子さんはろうあ者で、からだも弱く、時々このお母さんに連れられて受診に来られます。いつ見ても、ほとんど無表情です。半年ほど前に受診されたとき、彼は点滴終了後ももうろうとしていたので、送迎バスの路線からちょっとはずれて、家のそばまで送っていったことがありました。
きょうも点滴をしたために、帰りが最終便になってしまったのです。うまいぐあいに、他の患者さんは途中で下車し、その親子だけになったので、また家のそばまで乗せて行きました
バスを降りるとき、お母さんが「ちょっと待ってて」と小走りに家に入ったかと思うと、なにやら手に持って戻ってきました。
「イモのツルよ。薄揚げとかといっしょに炒めて食べたらおいしかよ」、とビニール袋に入ったサツマイモのツルをくれたのです。皮がむいてあって適当の長さに切ってありました。今回は遠慮なくいただきました。
そのとき、ふと家のドアの方に目をやると、なんと彼がドアの外でニコッと笑顔で手を振っていたのです。それまで一度もみたこともない笑顔。まして、さよならというように手を降る姿などまったく見た事がなかったのです。
家のそばまで送ってあげたことへの感謝なのか親しみの表現なのか。彼としては嬉しかったんだな、と思い、じんときました。イモのツルを受取ったことでなにかこころのつながりができたような、そんな気もしました。
晩飯に早速そのツルをゆがいて、さつまあげやひじきといっしょに炒めました。あの親子の気持ちがこもっているようで、私は嬉しく感じながら、食べました。もちろん、美味でした。