T子さんは毎年二科展に出品していてそのほかに個展、グループ展を時々開いている。
今回の一押し作品が、
この少年の幼さのなかに大人を感じさせる「ゆく夏」。
静まり返った晩夏のある日、
潮騒だけが少年の耳にかすかに届く、
そんな感じの作品。
甥ごさんを描いたのだそうだ。
こちらはベネチアへ行った時の作品。
彼女独特の、存在感のあるような、ないような・・・
彼女の風景はいつもこんな風に
昼下がりのけだるさを感じさせる。
ほっと和むのである。
銀座の画廊を出て昼食を画廊近くのトリコロールで取った。
コーヒーのおいしい戦前からある古いお店。
ゆっくりくつろぎたかったけど、さっさと食べてさっさと出なければならなかった・・・・・
写真はトリコロールの店内。
次に向かったのが岩波ホール。
羽田澄子さんの監督した作品「終わりよければすべて良し」が上映されている。
実は上映時間が迫っていたので、昼食をあわてて食べなければならなかったのだ。
羽田さんは日本の5年先、10年先を見通している。
人は必ず死を迎える、今の日本ではその死が安らかのものとは言えない。
病院で死ぬ人が80%を超え、自宅での死は13%に過ぎない。
高齢社会で多くのお年寄り(私もいずれそうなる)が
安らかに死を迎えるにはどうしたらいいのかを提案している。
今は老後の最終段階の終末期を自宅で安らかに迎えたいと思っても、
往診してくれる医者、看護師さんは簡単には見つけられないのが現実だ。
でも、在宅医療に意欲的に取り組んでいる所も少ないけれど、ある。
栃木県小山市や岐阜県池田町がそうなのだ。
また、スウェーデン、オーストラリアの例ではなくなる直前まで普段の生活を続けている。
寝たきりではないし、チューブでスパゲッティ状態になっているわけでもない。
洋服を着て、椅子に座り、散歩している、なくなる数時間前まで。
定期的な医者の巡回があり、緩和ケアがしっかり出来ているからできること。
うらやましいシステムだ。
自分がどのような死を迎えたいのか、考えさせられる映画だった。
7月26日ごろまで上映。
お勧め映画です。
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