「小田実さんの志を受けついで」と題されたその講演会会場は2200人の参加者で旧渋谷公会堂はいっぱいだった。
小田実さんは2004年に立ち上げた九条の会の発起人の一人で、かつ、九条の会を羅針盤のごとく引っ張っていった人でもあった。
昨年7月ガンで亡くなられたが昨日はその志を受けついでいこうと、
発起人9人のうちの小田実さんと梅原猛さん以外の7人が次々と講演していった。
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小中陽太郎さんの司会で最初のスピーカーは大江健三郎さん。
そのあと、90歳を超える加藤周一さん。そのお年でしっかり話をされ、驚くばかりだ。
次の鶴見俊輔さんもきっと80歳代。かくしゃくとしてお元気。
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次は三木睦子さん、彼女もご自分で80歳の高齢だとおっしゃっていた。
若い人にこのような志はしっかりと早く引き継いでもらいたい、
自分は早く退きたいのだとおっしゃりながらその存在感を示していた。
井上ひさしさん、奥平康弘さん、澤地久枝さんの話と続いた。
そうそうたるメンバーだった。
小田さんは13歳の時、大阪で空襲にあい、人々が逃げ惑う現実を見て、
それが以後の人生の原点となったそうだ。
現実をどうしていくか、を直感的に普通の人とは違う視点に立てる人。
プラグマティズムの人。現実主義の人。
また、米国留学の帰途、ヨーロッパ、アジアを見てきたこと、特にアジアを見てきたことが
「何でも見てやろう」につながり、「ベ平連」につながったそうだ。
たっぷりと小田さんのことを偲びつつこれからのこの会をしっかり続けていかなければという思いで友人と共に会場を後にした。
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丁度、今日、8日(日)夜10時からNHK教育テレビで
小田実の「小田実・遺す言葉」が放映される。
昨年、ガンを宣告された後、これからの日本を私たち市民はどうしていったら良いのか、ということなどを
病床から語っている番組だそうです。
ご覧下さい。
「小田実・遺す言葉」
NHK教育テレビ
今日3月9日(日)午後10時~11時30分