え、「インディオ」じゃないの? と思われるかもしれないけど、「インディオ」はその昔、コロンブスがアメリカ大陸を発見したときスペイン国王への報告書に書いた「インド人」に由来し、現代の南米では差別的な言葉とされ使われていない。これに代わる「インディヘナ」を使っている。といっても私はボリビアに来てから「インディヘナ」という言葉を一度も聞いたことがない。
それは「インディヘナ」が南米に住む民族の総称であり、現地ではもっと細かく分けて使うからであろう。
ボリビアにはアンデスの高地(標高3500m~4000m)に3000年も前から文明を持っていたアイマラ族と15世紀になって彼らを征服したインカのケチュア族が住む。 (アイマラ族のティワナク遺跡はケチュア族のインカ文明の源流であることを示している。) 一方、標高の低い高原にもケチュア族が住み、また、アマゾンの影響を強く受ける東の熱帯雨林地帯では小さな部族が住んでいる。
なぜ、標高の高い空気の薄いところにあえてアイマラ族とケチュア族は住んだのか、熱帯雨林ではあるが広大な平地もあったのに・・・。いわく、高地は蚊やハエも住めないところ。風土病や伝染病を防げるから。彼らにとって病気は民族を滅ぼしかねないのであろう。
ラパスにいた頃は民族衣装を日常的に着ているアイマラ族をよく見かけた。山高帽にペチコートを4枚も重ねた腰の張ったスカートをはき黒髪を長く三つ編みに束ね極彩色の風呂敷を背中にしょった女性たち。時にはこの風呂敷に赤ん坊を入れてしょっていたりする。山高帽とスカートはスペインに征服されたとき、彼らの文化に影響された結果らしい。山高帽は本当は男性がかぶっていたものなのになぜか女性がかぶってしまった。この民族衣装は一目見て既婚か未婚かがわかるようになっている。スカートのひだが異なるのである。
この面白い民族衣装の女性をボリビアにいる間に絵に描いてみたいと思っている。
写真はラパスの公園で立ち話をするアイマラ族の女性。
子どもの顔は日本人に良く似ている。
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