ボリビア カミナンド記

アンボロの羊歯(しだ)

100万年前の羊歯(しだ)です、とエコツアーのガイドがこともなげに言った。昔はここを恐竜が歩いていたのかもしれない。


ここはサンタクルス市から西に120kmのところにあるアンボロ国立公園。バスで約2時間半。広さは4,425平方km。東京都が2,183平方kmだから東京都の約2倍。えっ!そうなんです。すごい広さです。ちなみにボリビアで一番広いサンタクルス県(サンタクスルス市は県都)は日本と同じくらいの広さです。


ここアンボロ国立公園は西のアンデス山脈(6000m級の山脈)の冷たい空気が平地に降りていく「ヘリ」の部分と、北のアマゾン川流域で湧き上がる湿った熱帯の熱い空気が北風(赤道から南半球に向かって吹く風)に乗って最後に到達する「へり」の部分がちょうどぶつかり合うところに位置している。この地理的条件がアンボロの森を作ったそうだ。

今回はボリビア在住のシニアボランティア同期7人で7月の雨が降ったりやんだりの日に訪れた。

あまりにも広い森なので、その一部、羊歯の森を見ることにする。説明ではここは多様な動植物の宝庫となっていて、特に鳥の種類が多いそうだ。ボリビア全土にいる鳥の60%に当たる830種類の鳥がいるそうだが、残念ながらこの日はほとんどお目にかかれなかった。


羊歯の森にたどり着き、枯れた羊歯の葉でおおわれたふかふかの地面にシートを敷いて頭上の羊歯の葉を眺めながらの昼食は格別であった。ジュラシックパークのモデルになったのでは、とは同行者の発言。湿った羊歯から放たれる腐葉土のようなにおいがあたり一面に立ち込めて不思議と癒されるのである。羊歯は木ではないので年輪はない。幹の太さは大きいのは40cmはあろうかと思われる。幹が0.1mm太くなるのに数十年かかかるそうだ。


森に続く道には紙くずなどが時おり落ちていて、環境教育の行き届かないこの国でエコツアーガイドの人たちはガイドのかたわら、そのごみを拾って歩く。彼らは太古から手つかずで残っているこの森を地道に守っている。


写真はうっそうとしげる羊歯の森。ここで昼食をとった。
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