水木しげる先生は若い頃に哲学書がやたら流行し宗教書も読み漁ったのだとか。それは時代のせいでもあって、戦争が始まったのであと2~3年すれば確実に死ぬと感じての本能的なものだったそうです。周囲の若者にもそういう空気が蔓延してたとか。ドキドキせずに安心して死にたいという事で。
宗教書では仏教の本はつかみどころがなかったけど、新約聖書は気に入って5回読んで暗記するほどだったとか。あとはゲーテにもはまったそうです。その聖書については、それを暗記していたおかげで南方の島で現地人と仲良くなり、みんなに「パウロ」と呼ばれて「除隊して一緒に暮らそう」と口説かれたほどになったのは有名な話。世の中何が影響するかわからないものです。
それはそうとして、自分が気に入って暗記するほど読んだ本があるだろうかと考えました。私の場合は毎年読書記録をブログに残してますが、それを見るとここ何年かで一番多く読んだ本は「嵐の季節 甲斐バンド40周年」です。ここ数年は毎年最低1回は読んでますね。あれは面白いし読みやすいし。
その他、好きで何回も読んだ本としては
ポップコーンをほおばって 甲斐バンドストーリー/田家秀樹
スパイダースありがとう/井上尭之
ちばてつやが語る「ちばてつや」/ちばてつや
いっしょに泳ごうよ/石川ひとみ
南沙織がいたころ/永井良和
などなど。2回読んだ本は多いですが、これらは確実に4~5回は読んでます。
これらの本は、読むたびに新しい発見があるので快感だったりもします。「ポップコーンをほおばって」「南沙織がいたころ」などは特にそう。暗記して中身が全部頭に入ってしまってると、読み返すのがつまらないと思うのは私だけでしょうか。
とりあえず、上に挙げた本はいつ読んでも何度読んでも楽しめます。そういう読書もいいですよね。