まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

「光圀伝」冲方 丁

2016-08-05 07:45:04 | 読書のすすめ
今日も暑くなりそうですね。
どちらさまも体調管理にお気をつけください。
久しぶりの更新となってしまいました。^^;

さて 冲方 丁の「光圀伝」を読みました。

光圀伝
冲方 丁
角川書店(角川グループパブリッシング)


光圀といえば かの有名な黄門さま。
私は歴史に疎い。
なかでも徳川以降に疎い。
徳川家康、秀忠、家光、家綱、綱吉、慶喜くらいしか、あ・・あと暴れん坊将軍吉宗くらいか・・・
そんな低レベルの私でも 徳川光圀が 徳川御三家の水戸の人間であること 
水戸黄門と呼ばれれて親しまれていることは 知っている。

とはいえ 詳しいことはあまり知らない。
図書館に勤めるようになって初めて 「大日本史」を編纂していたことを思いだしたくらいである。

こんな私だから 冲方さんが描いた光圀のどこが史実でどこがフィクションかはいまひとつ分かっていない。
だから あくまで これから書くことは 冲方 さんが描いた光圀伝のお話。

物語は光圀がいきなり家中の大老を手打ちするところからはじまる。
これが誰なのか?なぜ殺したのか・・・ということは最後の最後まで引っ張られる。
(もっともこれは史実みたいなので 知っている方は知っているでしょう。)

幼少のころは 父の頼房から ひどい仕打ちを数々受ける。
「はじめてのおつかい♪」なんて可愛いもんじゃなく

夜中に さらしてある生首を持ってこい! と命じられたり(あくまで超子供次代)
大病で九死に一生を得た直後に 急流を渡れと命じられたり

光圀はこれが「世子になるためのお試し」だと思って頑張ってしまうわけです。
そして 長いこと 本来なら世子であったはずの同母兄へのゆがんだ思い。

若いころは 街に出て無法や放蕩を繰り返し。 
挙句の果て 何の罪もない浪人を 剣の試し切りで殺すことになる。

物語中では そこで宮本武蔵と沢庵と出会い 人生の軌道を大きく変えることになる。

詩歌を愛し 頭も良く 見た目もカッコよく 様々恵まれた状態であるにもかかわらず
光圀は決して満たされない。

ようやく光圀を満たしてくれる友や伴侶に出会ったと思ったら
容赦なく死が彼らを分かつ。

不惑を超えて落ち着きてきたと思ったとたん 将軍である綱吉に
自分より人望も信頼もある徳川家と疎ましがられるようになる。

まさに激動の人生。

光圀が実際にどんな人であったかは知る由もないが
間違いなく言えることは 頭がよい・・・いや良すぎる人だったのだと感じる。

良すぎるからこそ いろいろなことを悩み なんとか答えを出そうとする。
そして そとから 本人がとても悩んでいることが 非常に分かりにくかったのではないか。

冒頭に書いた大老お手打ちの理由は今もなぞの一つらしいが
沖方さんは 彼なりの答えを用意している。

沖方さんが描いてきた光圀像を考えると とても腑に落ちる理由である。

「光圀伝」分厚い本ですが ぐっと引き込まれるしお勧めです。

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