やっと観たい映画がかかり始めた。
このままコロナ収束となれば嬉しいけれど、海外を見ればそれも楽観かも知れない。
映画館はやっぱりいい。
一度しか観れなくても、2時間はその世界に
浸りきれるのだ。
『ディア・エヴァン・ハンセン』は今日公開されたミュージカル映画。
舞台では数々の賞を席巻しているというから、作品としての出来も保障されているのだろう。主役も舞台の人らしい。
孤独な青年が、ひょんなことから関わったコナーという学生と〈親友〉だった、と勘違いされる。
(セラピーの課題で)自分宛に書いた手紙をコナーに横取りされてしまい、それをコナーの遺書だと勘違いしてしまった彼の両親から、息子との思い出を語ってほしいと頼まれる。
コナーは人付き合いに問題があり、友だちがいなかったのだ。
やむなく〈それらしく〉振る舞ったことが仇になり、輪はどんどん広がってしまう。
コナーやエヴァンに限らず、登場人物はみなどこか孤独の影がある。
人はみな孤独だという前提がある。
内語のように歌われるミュージカルナンバーは心地よく映画観賞の醍醐味に浸れる。が、内容は決して軽くない。
50年前の『サウンド・オブ・ミュージック』とは、もう成立基盤が違う。
敵はナチスドイツではなく、内にいる。
観るこちらも中学生ではないように。
映画が終われば、現実が戻る。
正しく2時間分の別世界だった。
現実と向き合い、ひとりで遅い昼食を取った。
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