Linの気まぐれトーク

映画と小説の観賞日記

映画『クライ・マッチョ』

2022-01-21 12:56:00 | 映画
封切り日とはいかなかったけれど、月曜日(17日)に観賞。
近くのシネコンでは新作なのに小さなスクリーンしか与えられていない。
平日ということもあり単独の高齢者が目立つ(私もそう)。2割程度の入りか。

彼の若き日の西部劇は父の世代が夢中になっていた。
私は20数年前の『マディソン郡の橋』で、やっとこの俳優を知った。その時既に彼は老人の印象だった。
もちろん今から思えばまだ若いのだが、誰が91歳まで現役俳優であり続けると思うだろう。その意味でだけでも只事ではない。

しわがれて今にも折れてしまいそうな老人なのに、なぜか強さを感じさせる。
連れの少年は〈マッチョ〉に憧れるが、老人は〈マッチョ〉を揶揄する。
強いだけじゃダメだ、と言っているようだ。
家族はいないが、少年の面倒はきちんと見ようとする。
動物にやさしい。荒馬も彼の言うことは聞く。
それが彼の言う〈マッチョ〉なのかもしれない。
枯れた老人のはずなのに、女性に人気があるのは、男の願望といえばそれまでだが、目の輝きがその時は増すのがリアルだ。
もしかしてそれが〈マッチョ〉?

イーストウッド監督お得意のロードムービー仕立てで、アメリカの広野を存分に楽しめた。
この無駄のなさ、キレのよさは何だろう。
50年を経ても大御所ぶらない清々しさ。

彼の作品、もっと観てみたい。

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