原発事故3.11 今日はあの日の1日前?

第二の福島はいつでも起こる。

あと一歩で炉心溶融 2004年 美浜原発事故

2013-08-10 04:10:10 | 日記
安全よりも経済性優先 関電に原発運転の資格なし 死傷者11名 過去最悪の美浜原発事故

2004年8月9日午後3時22分、営業運転中の関電美浜原発3号機の2 次系配管(直径56センチ) の一部がいきなり幅最大57センチもめくれ る大きな破裂を起こした。

破裂箇所はタービンを回すのに使った2次冷却水を蒸気発生器に戻す復 水管で、付近の2次冷却水は約 140度、10気圧。破裂により高温の蒸気 と熱水が噴出し、5日後に迫った定期検査の準備作業をしていた「関電 興業」の下請け企業「木内計測」の作業員11人が事故に巻き込まれ、 5人が全身やけどで死亡、6人が重傷を負った。(9/16現在)

日本の原子力事業所の事故では過去最悪の犠牲者である。

事故の重大性…あと一歩で炉心溶融
安全よりも経済性優先 関電に原発運転の資格なし 死傷者11名 過去最悪の美浜原発事故

2004年8月9日午後3時22分、営業運転中の関電美浜原発3号機の2 次系配管(直径56センチ) の一部がいきなり幅最大57センチもめくれ る大きな破裂を起こした。

破裂箇所はタービンを回すのに使った2次冷却水を蒸気発生器に戻す復 水管で、付近の2次冷却水は約 140度、10気圧。破裂により高温の蒸気 と熱水が噴出し、5日後に迫った定期検査の準備作業をしていた「関電 興業」の下請け企業「木内計測」の作業員11人が事故に巻き込まれ、 5人が全身やけどで死亡、6人が重傷を負った。(9/16現在)

日本の原子力事業所の事故では過去最悪の犠牲者である。

事故の重大性…あと一歩で炉心溶融

原子力推進派は、2次系冷却水に放射能が含まれないことから「単なる 労災事故」などと事故の過小評価を行っているが、885トンもの冷却水 が噴出して漏出しており、この量は2次系冷却水全体の約8割に当た る。このため補助給水ポンプが稼動し冷却水の補充が行われたが、1次 系と熱交換を行う蒸気発生器の水位は関電発表でも午後4時55分段階 で約3分の1まで下がっていた。一時的にはもっと下がっていたよう だ。

原子炉は事故発生6分後に自動で緊急停止したが、高温のままであり、 冷却に失敗すれば炉心溶融による破滅的な事故にいたるところであっ た。あのスリーマイル事故も2次系冷却水の漏洩がきっかけで起きてお り、2次系といえども冷却材喪失事故を軽視することはできない。

点検漏れという単純な事故原因

配管の破裂部分は、通常10ミリある肉厚が、配管の交換が必要とされ る 4.7ミリを大きく下回り、最小で 0.4ミリまで薄くなっていた。破裂 部分の上流側約50センチに流量を測るための「オリフィス」と呼ばれ る中央に直径約34センチの円形の穴が開いたステンレス製の板(厚さ 約5ミリ)が差し込まれた構造になっており、その下流側は水流の乱れ で管が摩耗し、管の厚さが薄くなる「減肉」を起こして破裂したとみら れる。

破裂した復水管は炭素鋼でできており、ステンレスなどに比べて腐食が 進みやすい。また、曲折部だけでなく直線部であってもオリフィス下流 部などで「減肉」が発生しやすいことは知られている。1986年に米サ リー原発(美浜と同じ加圧水型原発)のタービン建屋で、直径45セン チの配管が一瞬のうちに破断、高温の水蒸気と熱水を浴びた作業員4人 が死亡するという今回同様の事故が発生し、その後、配管に激しい腐食 が見つかった。

この事故を受けて1990年に定められた加圧水型原発保有電力会社の共 通の「2次系配管肉厚の管理指針」でも今回の破裂箇所は点検対象とな るべきであったが、運転開始以来27年以上、検査をしていなかった。 しかも、この箇所は検査用などの枝管ではなく主配管である。

気がつきながらなぜ止められなかったのか

美浜3号機の点検個所のリストは、三菱重工が1991年に作成したが、 この時点で破裂個所が検査対象から漏れ、関電もこれを見逃していた。 その後、1996年に関電の子会社・日本アームが三菱重工から点検を引 き継いだが、三菱重工の点検リストをそのまま使用したため、検査対象 漏れも引き継がれた。その後、リスト漏れに気がついた三菱重工は 1999年と2000年の2回、日本アームに注意を促し、日本アームは2003 年になって初めて問題の個所が未点検だと関電に報告したとされている が、関電も含めた3者の間で点検漏れの情報がいかに伝えられたかは刑 事事件になり各社が責任逃れや情報隠しを行っていることもあり、現時 点では正確にはわからない。

しかしながら、点検漏れに気がついた時点で、「2次系配管肉厚の管理 指針」に基づいて計算すると、破裂箇所が10年以上前の1991年に寿命 切れになり、現在の厚さが1ミリ強しか残っていないことが分かったは ずで、直ちに運転を停止して点検を行っていれば事故は起こらなかっ た。破裂個所は8月14日に開始予定だった定期検査で初めて点検する ことになっていたが、遅すぎたといえよう。

実際、関電は何度も事故を防止するチャンスを逃している。今年7月、 大飯原発1号機でも復水管4本のうちの3本で減肉が見つかっている。 21ミリの配管の厚みが、基準の15.7ミリを下回る12.1~14.5ミリまで薄 くなっていた。ここでも三菱重工、日本アーム、関電間の連絡がうまく 行かず、今年の定期検査まで11年間検査はされていなかった。関電 は、検査データを再点検する、データの引き継ぎを社則に定めて定期的 に監査する―などの改善策を県に示していた。このとおりの再点検を美 浜3号でも直ちに行うべきであった。

3者の責任はいずれ刑事事件として問われることになるが、少なくとも 関電が点検個所のリストアップを下請け会社に丸投げしチェックできな かった責任は重い。関電が下請けに任せている作業は配管肉厚の測定だ けではない。その全てが無責任体制だとしたら…。

関電原子力事業本部長の松村常務が、事故当日の記者会見で語った「き ちんとした管理ができていればこのような事故は起こらなかった。」が すべてである。関電に原発を運転する資格はない。

美浜以外の原発でも点検漏れ

関電は、8月18日、保有する原発全11基の配管について過去の点検 実施状況を調べた結果を発表した。未点検箇所が高浜1、3、4号と大 飯3、4号で計15か所見つかり、美浜3号の破裂した配管と、同原発 の別ループの同一か所(当初の10ミリから1.8 ミリまで減肉が進んでい ることが後日明らかになった)と合わせ計17か所となった。

この日の発表で、関電は、検査リストから漏れていた11か所について 「同一仕様他原発の測定結果から健全性が確認できた」としたが、原子 力安全・保安院は、「他原発のデータをそのまま引用できるとは限ら ず、関電の説明は不合理」と指摘している。なお、高浜3号では未点検 箇所が主配管であったため、運転停止による検査が前倒しされた。

関電は、当初他の原発については記録の点検を行うのみの対応で済まそ うとした。しかし、西川福井県知事が、8月13日、稼働中の全原発8 基の運転を停止し、類似の配管を直接点検するよう要請した。これを受 けて関電はようやく稼働中の原発を3グループに分けて停止し、順次点 検を行うこととし、同日から開始した。

ただし、この点検は配管の全てを行うものではなくオリフィス下流部な どに限られ、第1グループの高浜2、大飯4、美浜2号では計77か所 のみであった。案の定、この計77か所の点検結果に問題はないと関電 が発表した後に、点検箇所以外に問題があることが判明した。

管理指針逸脱が示す事故原因の真相

過去の検査データの検証のため6か所の点検を指示し検討した原子力安 全・保安院は、美浜2号の1か所で基準を1ミリ下回り、別の1か所で 余寿命が1年を切るにもかかわらず、使用を続けたことを不適切である と指摘した。管理指針は、余寿命が2年を切った段階で交換するよう定 めているが、関電は火力発電用の特例を採用して算出した緩い基準を使 用するという逸脱行為により、余寿命を長く算出し、交換を先延ばしに していた。その後の調べで、同様の逸脱は美浜1号、3号、大飯2号な どでも行われていた。

さらに大飯1号の今年6月の定期検査では肉厚が4ミリと3・8ミリ で、余寿命が0.3年程度と判定されたのに、配管外側からの肉盛り溶 接で7ミリにかさ上げする隠蔽まで行っていたことが発覚した。

配管の検査で余寿命が1年未満の結果が出た場合に、基準を緩和し、本 来検査結果が出た定期検査の期間中に行わなければならない配管の交換 を次回の定期検査まで先送りにするのだ。予定を変更して配管交換を行 えば定期検査期間を延長せざるを得ないので、基準のほうを緩和する。 このことほど、関電が安全よりも経済性を優先していたことを如実に示 すものはない。

余寿命のない配管交換さえも次回定検まで先送りする方針の下では、点 検漏れに気が付いても運転を止めず次回定検まで点検を先送りしてあた りまえではないか。確信犯である。

国の責任は?

関電は、2000年5月、資源エネ庁に提出した「定期安全レビュー報告 書」の中で 「減肉が予想される配管については、計画的に厚みを測定 しており、異常な減肉は認められていない」と説明し、エネ庁も、原子 力安全委員会に問題なしと報告、了承されていた。電力会社の報告をそ のまま認めるだけでは、今後も老朽原発が増加する中で、事故の防止は できないだろう。

総合資源エネルギー調査会に設けられた事故調査委員会は、9月27日 に、「関電の品質保証、保守管理が機能していなかったことが事故の背 景」とする中間報告書を取りまとめた。これを受けて経済産業省は美浜 3号に技術基準違反で一時停止の命令を出した。しかし、「品質保証、 保守管理が機能していない」のであれば、関電の全ての原発に停止命令 を出すべきである。再処理工場で予定されているウラン試験のスケ ジュールに影響を与えないよう、拙速で事故の幕引きを図ろうとするこ とは決して許されない。

JCO臨界事故でも国の責任を不問にした杜撰な事故調査が行われたが、 臨界事故では事故調査委員会は安全委員会に設置された。その後中央省 庁の再編が行われ、今回、安全委員会は原子力事故・故障分析評価専門 部会に事故検討分科会を設置しているが、すっかり影が薄くなってい る。事故調査は本来第3者機関で行うべきで、規制行政庁である原子力 安全・保安院がその諮問機関である総合資源エネルギー調査会に事故調 査を担わせるのでは、規制行政庁の事故責任などますます問えないので はないかという疑問を禁じえない。事故調査のあり方自体が問われてい ることも指摘しておきたい。
原子力推進派は、2次系冷却水に放射能が含まれないことから「単なる 労災事故」などと事故の過小評価を行っているが、885トンもの冷却水 が噴出して漏出しており、この量は2次系冷却水全体の約8割に当た る。このため補助給水ポンプが稼動し冷却水の補充が行われたが、1次 系と熱交換を行う蒸気発生器の水位は関電発表でも午後4時55分段階 で約3分の1まで下がっていた。一時的にはもっと下がっていたよう だ。

原子炉は事故発生6分後に自動で緊急停止したが、高温のままであり、 冷却に失敗すれば炉心溶融による破滅的な事故にいたるところであっ た。あのスリーマイル事故も2次系冷却水の漏洩がきっかけで起きてお り、2次系といえども冷却材喪失事故を軽視することはできない。

点検漏れという単純な事故原因

配管の破裂部分は、通常10ミリある肉厚が、配管の交換が必要とされ る 4.7ミリを大きく下回り、最小で 0.4ミリまで薄くなっていた。破裂 部分の上流側約50センチに流量を測るための「オリフィス」と呼ばれ る中央に直径約34センチの円形の穴が開いたステンレス製の板(厚さ 約5ミリ)が差し込まれた構造になっており、その下流側は水流の乱れ で管が摩耗し、管の厚さが薄くなる「減肉」を起こして破裂したとみら れる。

破裂した復水管は炭素鋼でできており、ステンレスなどに比べて腐食が 進みやすい。また、曲折部だけでなく直線部であってもオリフィス下流 部などで「減肉」が発生しやすいことは知られている。1986年に米サ リー原発(美浜と同じ加圧水型原発)のタービン建屋で、直径45セン チの配管が一瞬のうちに破断、高温の水蒸気と熱水を浴びた作業員4人 が死亡するという今回同様の事故が発生し、その後、配管に激しい腐食 が見つかった。

この事故を受けて1990年に定められた加圧水型原発保有電力会社の共 通の「2次系配管肉厚の管理指針」でも今回の破裂箇所は点検対象とな るべきであったが、運転開始以来27年以上、検査をしていなかった。 しかも、この箇所は検査用などの枝管ではなく主配管である。

気がつきながらなぜ止められなかったのか

美浜3号機の点検個所のリストは、三菱重工が1991年に作成したが、 この時点で破裂個所が検査対象から漏れ、関電もこれを見逃していた。 その後、1996年に関電の子会社・日本アームが三菱重工から点検を引 き継いだが、三菱重工の点検リストをそのまま使用したため、検査対象 漏れも引き継がれた。その後、リスト漏れに気がついた三菱重工は 1999年と2000年の2回、日本アームに注意を促し、日本アームは2003 年になって初めて問題の個所が未点検だと関電に報告したとされている が、関電も含めた3者の間で点検漏れの情報がいかに伝えられたかは刑 事事件になり各社が責任逃れや情報隠しを行っていることもあり、現時 点では正確にはわからない。

しかしながら、点検漏れに気がついた時点で、「2次系配管肉厚の管理 指針」に基づいて計算すると、破裂箇所が10年以上前の1991年に寿命 切れになり、現在の厚さが1ミリ強しか残っていないことが分かったは ずで、直ちに運転を停止して点検を行っていれば事故は起こらなかっ た。破裂個所は8月14日に開始予定だった定期検査で初めて点検する ことになっていたが、遅すぎたといえよう。

実際、関電は何度も事故を防止するチャンスを逃している。今年7月、 大飯原発1号機でも復水管4本のうちの3本で減肉が見つかっている。 21ミリの配管の厚みが、基準の15.7ミリを下回る12.1~14.5ミリまで薄 くなっていた。ここでも三菱重工、日本アーム、関電間の連絡がうまく 行かず、今年の定期検査まで11年間検査はされていなかった。関電 は、検査データを再点検する、データの引き継ぎを社則に定めて定期的 に監査する―などの改善策を県に示していた。このとおりの再点検を美 浜3号でも直ちに行うべきであった。

3者の責任はいずれ刑事事件として問われることになるが、少なくとも 関電が点検個所のリストアップを下請け会社に丸投げしチェックできな かった責任は重い。関電が下請けに任せている作業は配管肉厚の測定だ けではない。その全てが無責任体制だとしたら…。

関電原子力事業本部長の松村常務が、事故当日の記者会見で語った「き ちんとした管理ができていればこのような事故は起こらなかった。」が すべてである。関電に原発を運転する資格はない。

美浜以外の原発でも点検漏れ

関電は、8月18日、保有する原発全11基の配管について過去の点検 実施状況を調べた結果を発表した。未点検箇所が高浜1、3、4号と大 飯3、4号で計15か所見つかり、美浜3号の破裂した配管と、同原発 の別ループの同一か所(当初の10ミリから1.8 ミリまで減肉が進んでい ることが後日明らかになった)と合わせ計17か所となった。

この日の発表で、関電は、検査リストから漏れていた11か所について 「同一仕様他原発の測定結果から健全性が確認できた」としたが、原子 力安全・保安院は、「他原発のデータをそのまま引用できるとは限ら ず、関電の説明は不合理」と指摘している。なお、高浜3号では未点検 箇所が主配管であったため、運転停止による検査が前倒しされた。

関電は、当初他の原発については記録の点検を行うのみの対応で済まそ うとした。しかし、西川福井県知事が、8月13日、稼働中の全原発8 基の運転を停止し、類似の配管を直接点検するよう要請した。これを受 けて関電はようやく稼働中の原発を3グループに分けて停止し、順次点 検を行うこととし、同日から開始した。

ただし、この点検は配管の全てを行うものではなくオリフィス下流部な どに限られ、第1グループの高浜2、大飯4、美浜2号では計77か所 のみであった。案の定、この計77か所の点検結果に問題はないと関電 が発表した後に、点検箇所以外に問題があることが判明した。

管理指針逸脱が示す事故原因の真相

過去の検査データの検証のため6か所の点検を指示し検討した原子力安 全・保安院は、美浜2号の1か所で基準を1ミリ下回り、別の1か所で 余寿命が1年を切るにもかかわらず、使用を続けたことを不適切である と指摘した。管理指針は、余寿命が2年を切った段階で交換するよう定 めているが、関電は火力発電用の特例を採用して算出した緩い基準を使 用するという逸脱行為により、余寿命を長く算出し、交換を先延ばしに していた。その後の調べで、同様の逸脱は美浜1号、3号、大飯2号な どでも行われていた。

さらに大飯1号の今年6月の定期検査では肉厚が4ミリと3・8ミリ で、余寿命が0.3年程度と判定されたのに、配管外側からの肉盛り溶 接で7ミリにかさ上げする隠蔽まで行っていたことが発覚した。

配管の検査で余寿命が1年未満の結果が出た場合に、基準を緩和し、本 来検査結果が出た定期検査の期間中に行わなければならない配管の交換 を次回の定期検査まで先送りにするのだ。予定を変更して配管交換を行 えば定期検査期間を延長せざるを得ないので、基準のほうを緩和する。 このことほど、関電が安全よりも経済性を優先していたことを如実に示 すものはない。

余寿命のない配管交換さえも次回定検まで先送りする方針の下では、点 検漏れに気が付いても運転を止めず次回定検まで点検を先送りしてあた りまえではないか。確信犯である。

国の責任は?

関電は、2000年5月、資源エネ庁に提出した「定期安全レビュー報告 書」の中で 「減肉が予想される配管については、計画的に厚みを測定 しており、異常な減肉は認められていない」と説明し、エネ庁も、原子 力安全委員会に問題なしと報告、了承されていた。電力会社の報告をそ のまま認めるだけでは、今後も老朽原発が増加する中で、事故の防止は できないだろう。

総合資源エネルギー調査会に設けられた事故調査委員会は、9月27日 に、「関電の品質保証、保守管理が機能していなかったことが事故の背 景」とする中間報告書を取りまとめた。これを受けて経済産業省は美浜 3号に技術基準違反で一時停止の命令を出した。しかし、「品質保証、 保守管理が機能していない」のであれば、関電の全ての原発に停止命令 を出すべきである。再処理工場で予定されているウラン試験のスケ ジュールに影響を与えないよう、拙速で事故の幕引きを図ろうとするこ とは決して許されない。

JCO臨界事故でも国の責任を不問にした杜撰な事故調査が行われたが、 臨界事故では事故調査委員会は安全委員会に設置された。その後中央省 庁の再編が行われ、今回、安全委員会は原子力事故・故障分析評価専門 部会に事故検討分科会を設置しているが、すっかり影が薄くなってい る。事故調査は本来第3者機関で行うべきで、規制行政庁である原子力 安全・保安院がその諮問機関である総合資源エネルギー調査会に事故調 査を担わせるのでは、規制行政庁の事故責任などますます問えないので はないかという疑問を禁じえない。事故調査のあり方自体が問われてい ることも指摘しておきたい。