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エジプトで進行している事態は、軍事クーデター政権による市民の大虐殺である。

2013-08-17 13:20:45 | 日記

>植草一秀氏の視点ー(2013/08/16)

エジプトの真実を伝えない対米従属メディアエジプトで進行している事態は、軍事クーデター政権による市民の大虐殺である。
日本のメディアは暫定政権による外出禁止命令を無視して暴徒化した反政府勢力の排除と表現するが、真実を歪曲するものである。

1989年6月に中国で発生した天安門広場での人民解放軍によるデモ隊排除を日本のメディアは一斉に非難した。

いまエジプトで展開されている大規模な市民虐殺を、日本のメディアはなぜ「虐殺」と表現せず、「デモ隊の強制排除」と表現するのか。
理由は単純である。
軍事クーデター政権の背後に米国が存在するからである。

米国は表向き、軍事クーデター政権の市民大虐殺を牽制する姿勢を示すが、軍事クーデター政権の非正統性を主張しない。

エジプトがイスラム主義によって支配されることを恐れるからである。
「アラブの春」によってムバラク政権が崩壊された。
2012年の大統領選で選出されたムルシ政権の支持基盤がムスリム同胞団である。
ムスリム同胞団はパレスチナのハマスと連携しており、このムルシ政権がイスラエルとパレスチナの和平交渉を進展させる可能性を有していた。

イスラエルにはパレスチナとの和解を進展させようとする穏健派とパレスチナに対する譲歩を認めないとする右派強硬派が存在し、
このパレスチナ右派強硬派側に位置するイスラエル秘密警察組織モサドがエジプトにおける軍事クーデターを裏側から主導していると見られる。

米国の対応が不明確であるのは、米国内にイスラエル右派強硬派に近い勢力が根強く存在するからである。
エジプト軍事クーデター政権による市民大虐殺を正面から容認できない一方で、この軍事クーデター政権の非正統性をも主張できないのである。

イスラム原理主義には「聖戦」の考え方があり、力による制圧、武力による抑圧は中期的にさらなる混乱の拡大をもたらす可能性が高い。
世界は西暦2000年を境に、「西の文明」から「東の文明」に中心を移し、2000年から2800年まで続く「東の文明」の時代に移行する、いま入口にあると見られる。米国支配の世界秩序が、行きつ戻りつしながら、次第に崩壊してゆく過程に移行する。
米国による支配を継続するために仕掛けられた「アラブの春」であったが、パンドラの箱が開けられれば、時代は確実に大混乱の局面に移行する。
エジプト軍事クーデター政権は力による制圧=市民大虐殺の道に足を踏み入れたが、これが是認されることはない。

国際社会はエジプト軍事クーデター政権の正統性を認めず、この軍事クーデター政権による市民大虐殺を抑止する行動を示すべきである。

中国人民解放軍が中国市民によるデモ隊を600人規模で大虐殺したら、日本のメディアはどのような報道を展開するのか。

いま、エジプトで展開されている光景は、武器を持たない市民に対して、武装したエジプト軍が発砲し、600人規模の市民を虐殺しているものである。

人権抑圧、非人道的行動を取っているのが誰であるかは歴然としている。ところが、米国はこのエジプト軍事クーデター政権を否定せず、米国からの資金支援、武器支援を中止する方針を示さない。

エジプト軍は米国が資金支援し、武器支援して育ててきた軍隊なのである。

この米国がエジプト軍事クーデター政権を非正統政権として否定しないから、日本のメディアは、エジプト軍事クーデター政権による市民大虐殺を、「暫定政権による反政府デモ隊の強制排除」としか伝えない。

エジプト国籍を持つフィフィさんは、「どうやらエジプト国民の声はメディアの方々には全く反映しないらしい。クーデターの黒幕である米国の存在を解説するのは御法度だから政府が同胞団の暴徒化を鎮静化したと歪曲する。
使命感も正義感もない。マンマの為に働いてるだけ。
サラッと報道した形を見せるだけ、真実を伝える気などさらさらない。」
「私は日本のメディアに何を期待してるんだ、いや、何も期待していない。ただ歪曲するくらいなら報道してくれるなと言いたい。」

とツイッターで訴える。
https://twitter.com/FIFI_Egypt

私たちは、世界の出来事を直接自分の目で見て、自分の言葉で語り、自分の頭で考えていない。メディアが伝える言い回しを経由してしか捉えていないのだ。

メディアが「人権無視・極悪非道の大虐殺」と報じるなら、その言い回しを入り口にして自分の判断の一部とする。
しかし、メディアが、「暫定政権による暴徒化した反政府デモ隊の強制排除」と表現すると、その言い回しを出発点にものごとを認識してしまう。

元CIA職員のスノーデン氏のことを、日本のメディアは「容疑者」の呼称をつけて表現する。アル・カイーダのウサマ・ビン・ラディン氏についても容疑者の呼称をつけて表現する。その呼称の基準はどこにあるか。

その基準は日本に存在しない。米国の基準、アメリカン・スタンダードなのである。

米国の金魚の糞に成り下がってしまっているのが、日本の現実である。

私たちが知っておかねばならないことは、世界には巨大な戦争屋が存在することだ。
産軍複合体という言葉がある。
しかし、この産軍複合体と直結しているのが政治屋なのである。
日本の政治屋も同じだ。

戦争は「必然」ではなく「人為」であり、戦争は「産業」であり「利権」なのだ。

「市場原理」という言葉があるが、「戦争産業」は「市場原理」からは外れている。

「非市場経済」である。

「非市場経済」の特徴は、価格決定が「市場メカニズム」に基かない点にある。
「市場の失敗」という言葉があるが、「市場の失敗」とは、「価格メカニズム」が有効に機能しない状況と言ってもよいかも知れない。
寡占・独占状態で価格メカニズムが有効に機能しない状況もそのひとつである。

「濡れ手に粟」の巨利=不労所得を得る道は、「市場メカニズム」ではなく、「非市場経済」なのである。

その象徴、典型産業が「軍事産業」である。航空自衛隊が配備しているF15戦闘機は一機100億円程度の価格だと推定される。
オスプレイは一機50億円。
米国の軍事支出は約50兆円。
日本の軍事支出は約5兆円。
それでも、日本の軍事支出の規模は世界第4〜6位の位置にある。
巨大な利権産業である「原子力ムラ」の原子力産業は、産業規模にして約2兆円である。

軍事産業がいかに巨大であるのかが分かる。

世界を支配する1%の巨大資本が手中に収めているのが、「非市場経済」なのである。

軍事

金融

原子力

鉱物資源・貴金属

エネルギー

農産物

これらの分野を独占的に支配しているのが、世界を支配する巨大金融資本である。
この巨大金融資本にとって、戦争は必要不可欠な「自己増殖の源泉」である。

同時に軍事力によって人民と国土と資源を支配する。

これが「帝国主義=国家独占金融資本主義」である。

エジプト軍事クーデター政権が、かりそめにもいま、エジプトを掌握しているのは、言うまでもない、「軍事力」によっている。

戦争で「決着」をつけることだけが目的なら核兵器を使用すれば済む話だ。
しかし、核先制攻撃に対する「第二撃能力」が存在するなら、報復核攻撃が可能になる。

核攻撃は破滅をもたらすが、第二撃攻撃による報復を受ければ、自らも破滅する。

地球の自爆、自滅になるわけだ。

したがって、現実の戦争は究極兵器を用いず、多種多様な兵器、武器が使用される。

ある種の「ままごと」と言ってもよいだろう。

この「ままごと」が大切であるのは、この「ままごと」が巨万の富をもたらすからなのである。

つまり、軍事は利権である。

米国はイスラエル支援国家である。

このイスラエルが核保有国家である。

そして、エルサレムの土地をめぐって、イスラエルとアラブが永遠の対立を演じている。

米国の使命は中東和平、イスラエルとアラブの和解・和睦にあるが、イスラエル強硬右派が支配力を持つ現代米国の政権は、中東和平を実現できない。

同時に、世界を支配する巨大金融資本が、中東における軍事衝突の火を、永久に消したがらないのである。

しかし、アラブ諸国、イスラム諸国のなかで、大きな変化が新しいうねりを生み出す。
巨大金融資本と結託する米国による支配力が、明確に翳りを見せ始めているのだ。
その原動力になっているのが、「情報革命」である。
冷戦時代の東側世界を内部崩壊させた原動力も「情報」であった。
人々が「知られざる真実」を知ることにより、強烈な社会変動のエネルギーが生み出されたのである。
アラブ・イスラム諸国においても、この激動のうねりが動き始めている。

米国の支配者、イスラエル強硬右派モサドが背後で糸を引くエジプト軍事クーデターの裏側をイスラム市民が知ることにより、事態は新しい次元に突入する。

私たち日本の市民も、エジプト軍事クーデター政権の非正統性を訴え、この非正統軍事政権による市民大虐殺を徹底的に糾弾してゆかなければならない。

この軍事クーデター、市民大虐殺の動きは、中東情勢の急激な緊迫化をもたらす潜在力を秘めている。
イスラエルとパレスチナ・アラブとの緊張関係が急激に高まる可能性もあるだろう。

私たちは、米国に支配された日本のマスメディア報道を鵜呑みにしてはならないのである。







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